Eric Carmen・・・最高のメロディ・メイカーでした・・・
日本時間の3月12日の未明・・・
Eric Carmenさんが、この3月に亡くなられた・・・
・・・と公式サイトに、奥様のAmy Carmenさんの投稿・・・
世界中に、衝撃が走りました。・・・
洋楽を聴き始めて間もない頃、The Raspberriesというバンド名を聞きました。
その頃、リリースされた曲が、Ecstacy、確か「君に首ったけ」という邦題
・・・だったと思います。
イメージとしては、アイドル要素を持ち合わせたポップ・ロック
そんな感じだったと思います。
その1年後くらい・・・1974年の後半、そのThe Raspberriesが新曲
Overnight Sensation (Hit Record)をリリース
ポップなロックが良いと思っていた自分は、「カッコいいナンバー」
そう思い、後期のBeatlesに共通するものを感じました。
そして、このグループを仕切っているのは、Eric Carmenという人
そんなことはわかってきましたが・・・
BeatlesのLPレコードをお小遣いで買うのが精一杯の中学生
ここまで手が回りませんでした。
そんな中、Raspberriesは解散を表明・・・
当時、よく聴いていた洋楽ラジオ番組のDJ 八木誠さんが嘆いておられた・・・
それを記憶しています。・・・
その1975年年末、日本の大手レコード会社が、Aristaレコードと契約
Barry Manilowで知られますが、アメリカでの発売権から、Bay Ciry Rollers
彼らも日本ではそこから、リリースされることに
そして、もう1人、大々的にプッシュされていたのが・・・
Eric Carmen
ソロ・アーティストとして大々的に登場
本邦デビュー・シングルとして、That's Rock ’N Roll
「すてきなロックン・ロール」の邦題でラジオでかかり始めていました。
ちょうど、そんな頃に、自分は高校受験で洋楽を断つ時となったのでした。・・・
高校受験が終わり、洋楽解禁
全米チャートも含めて、色々なものが新鮮にも思えた1976年3月後半・・・
All By Myselfという曲が、全米チャートを上昇していました。
アーティストは、Eric Carmen
えっ
クラシカルなムードのピアノ🎹中心のスロー・バラード
Raspberriesといえば、ポップなロックン・ロールのイメージ
Eric Carmenは、音楽教育を受けた人、キーボード🎹もプレイしていましたが・・・
元RaspberriesのEric Carmen・・・
それから、自分にも判明したわけですが・・・全米第2位
(Cash BoxではNo.1)、彼の経歴の中で、最大のヒット
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」が挿入されていたことも話題に
日本でもシングル発売され、彼の名も知れ渡りました。
続いてBeach BoysのGod Only Knowsを思わせる・・・
Never Gonna Fall In Love Again、こちらはラフマニノフの「交響曲第2番」
それに基づいたメロディ・・・続いて、シングル・カットされ、全米No.11
「恋にノータッチ」の邦題で日本でも人気曲に
さらに、日本でのタイトル曲 Sunriseもシングル・リリース
日本では、なんとアルバムから4曲、シングル・カットされたのでした。
さて Eric Carmenが、凄いソング・ライターでもあることは、知れ渡り・・・
2枚目のアルバムが、期待されたのですが・・・なかなか登場しません。・・・
1977年、Shaun Cassidyが、That's Rock 'N Rollを大ヒットさせますが・・・
やはり期待したいのは、Eric Carmenの新作
Fleetwood MacのRumoursがチャートを独走していた1977年秋ごろ・・・
遂に、Eric Carmenの新曲 She Did Itが登場
Beach Boys風のコーラスが入る、上質なポップ・ロック・ナンバー
全米チャートも勿論、「愛をくれたあの娘」の邦題で日本でも人気に
そして、その少し後に・・・2枚目のアルバムは登場しました。
Boats Against The Current
ピアノ🎹で静かに始まり、ドラマチックに盛り上げていくタイトル曲
シングルのShe Did It等、全8曲、完成度の高い作品が収録
邦題は「雄々しき翼」、自分が、LPレコードで購入したには少し後ですが・・・
思わず姿勢を正して聴く気分となる・・・そんな大傑作と思いました。
・・・が、しかし、She Did Itは、少しヒットしたものの・・・
アルバムは、さほどビッグ・セールスは記録しませんでした。
タイトル曲もシングル・リリースされましたが、ヒットせず・・・
ただこれ程の名曲ゆえ、Olivia Newton-John、Frankie Valli等がカバー
特にOliviaに関しては、この曲が収録されている Totally Hot
久々の大ヒット・アルバムとなったこともあり、Oliviaでこの曲を知った
そのような人も結構いたようでした。・・・
1978年、今度は約1年後に、シングル Change Of Heart
そして同名アルバムもリリース、前作が大作揃いなのに今一つ・・・
それでか、どうかは知りませんが、Shaun Cassidyに書いた Hey Deanie
そのセルフカバーを含め、ポップ・ロック・チューンで占められ・・・
前作より軽い感じ、いやそこは Eric Carmen、短くても良質のナンバー揃い
ただ、Change Of Heartは少しヒットしたものの・・・
アルバムの方は、こちらも今一つのセールスでした。・・・
1979年、Eric Carmenが単独で初来日
「世界歌謡祭」のゲストして、レコード・セールスは今一つとは言え・・・
日本でも熱心なファンを得ていた彼だけにこちらは本当に嬉しいニュース
これには、行けませんでしたが・・・何と単独での初来日公演が決定
1980年1月から2月にかけての全国ツアー
但し、この時期、色々諸問題があり、自分はコンサート等に行ける状況ではなく・・・
同時期のFleetwood Mac同様、断念です。
・・・で、同時期に4枚目のアルバム Tonight You're Mineがリリース
タイミング的に「来日記念盤」として日本で発売
シングル第1弾 It Hurts Too Much、こちらは、力強いロック・ナンバー
Rod Stewart Bandでお馴染みCarmine Appiceが力強いドラムス
来日で盛り上がったこともあって、何と「悲しみTOO MUCH」という邦題に
当時は結構、ラジオ等でオン・エアーされていました。
でもこのアルバムから、日本で人気が出たのは、Foolin' Myself
All By Myselfにも共通する美しいバラード
日本独自でシングル発売もされました。・・・
尚、このアルバムは、輸入盤で購入したのですが・・・
前述のIt Hurts Too Much、Lost In The Shuffleといったナンバーと・・・
一方で、この大作 Foolin’Myselfや、All For Love・・・
Eric Carmenはロッカーであり、メロディ・メイカー、改めて認識したのでした。・・・
1982年3月、Rod Stewartのバンドを抜けた Carmine Appice
Rock Super Sessionと題し、Carmine Appice & Friendsとして活動
そこに何と Eric Carmen、ギター、キーボード🎹、ヴォーカルで参加
アルバム Tonight You're Mineに参加してくれたお返しということかもしれません。
彼以外は、Rick Derringerギター、Cheap Trickを脱退中の12弦ベースの
Tom Petersson、キーボード🎹の Duane Hitchings、そしてCarmineの5人
日本武道館で行われた来日公演に行きました。
あくまで Carmine Appice中心ゆえ、Eric Carmenのヴォーカル曲は、3曲
(It Hurts Too Much、That's Rock 'N Roll、All By Myself)
All By Myselfで、ピアノ🎹に着いた時、1階東スタンド席の自分は見・・・・・・
何たる悲劇、それでもEric Carmenのライヴを初めて見れたのでした。
それから、あまりニュースを聞かなくなっていて・・・
そんな中、映画 Footlooseのサウンド・トラックの中のAlmost Paradise...
Mike Reno & Ann Wilsonが歌うこの曲の作者に Eric Carmen
これには、ファンは嬉しく思いましたし、これは復活の予兆・・・
そう、この1984年、大物としか契約しないGeffen レコードから・・・
アルバムEric Carmen 、シングルI Wanna Hear It From Your Lipsをリリース
自分は日本盤発売日に購入しました。
少しBruce Springsteen のFireにも似た I Wanna Hear It From Your Lips
彼ならではのバラード I'm Through With Love,、Go All The Wayの続編・・・
You Took Me All The Wayと4年ぶりのEric Carmen を楽しんだのですが・・・
残念ながら、セールス的には今一つでした。・・・
ただブレイクは突然やって来るもの・・・
1987年、映画 Dirty Dancingのサウンド・トラックに収録されたHungry Eyes
映画人気もあって、これが何とヒット・ヒット・チャートを急上昇、全米 No.4
All By Myself以来、11年ぶりのTOP10入り、そして翌1988年・・・
The Best Of Eric Carmenに新曲として入っていた Make Me Lose Control
こちらが、何と全米No.3、この時期になって、Eric Carmen、時の人に
因みにその後、1988 Summer Olympics Album: One Moment In Time収録の・・・
Reason To Tryもシングル・リリースされましたが・・・こちらはイマイチでした。・・・
CDの時代になってからは、Eric Carmen のAristaでの4枚のアルバム
これらは新装リリースされる度に問答無用で購入しました。
時は流れて、1998年1月、日本先行で、アルバム Winter Dreamsをリリース
新曲も勿論、Almost Paradiseのセルフ・カバー、彼自身が敬愛する
Brian Wilsonの Caroline, Noも含まれ、「夢の面影」という邦題に・・・
そしてプロモーション来日
その時に新宿のHMVでCD購入者対象のトーク・イベントが行われ参加しました。
司会の女性と2人のインタビュー形式、最後に写真撮影サイン会も
勿論、自分も・・・Ericさんと少しお話できて感激でした。
尚、Ericの弟さんも一緒に来られていて、自分も待ち時間に少しお話・・・
「Boats Against The Currentが1番好きだ・・・」と言ったら・・・
「彼も1番好きな歌と言っている」とのこと・・・本当に嬉しく思いました。
尚、ライヴ演奏はありませんでした。・・・
因みに本作は、米国等では、I Was Born To Love Youのタイトルで・・・
2000年にリリースされました。・・・
2000年に、Ringo Starr & His All-Starr Bandに参加
残念ながら、日本公演はありませんでした。
また 2004年にはオリジナル・メンバーで、The Raspberries再結成
2005年にかけてツアーも・・・但しここでも日本公演はありませんでした。・・・
時は流れて2014年、アンソロジー的 The Essential Eric Carmenがリリース
2013年に配信でリリースした新曲 Brand New Year、再結成Raspberries
2005年のライヴ Ecstacyが収録され、またBruce Springsteen をはじめとして
多くのミュージシャンのコメントも入り、ただのコンピレーション・アルバムでない
多くのファンを喜ばせてくれました。
近年、あまりニュースを聞きませんでしたが・・・
Billboard Live辺りに来てくれないかな・・・そうしたら、高くてもいくのに・・・
そう思っていたのでした。・・・
色々思い出すと、悲しく・・・そして恐ろしいほど寂しさがこみ上げてきます。・・・
本人名義のアルバムは6枚・・・ヒット・シングルも多いとはいえませんが・・・
1曲1曲が、宝石のように輝いているものばかり・・・
Paul McCartney、Elton Johnに匹敵するメロディ・メイカー
多くの感動に深く感謝、それが1番の供養と思っています。・・・
ありがとう、Eric Carmen さん
Rest In Peace