1982年のアルバム(その13 Eye Of The Tiger / Survivor)
1982年のアルバム・シリーズ
全米最高位 No.2のアルバムを続けていて・・・このシリーズ初登場
Survivor
1981年に、Poor Man's Sonが、少しヒット(全米No.32)
Styx、Journeyを思わせるナンバー、新進ロック・バンドと思いきや・・・
’60年代から、The Ides Of Marchのメンバーとして、またソングライターとして・・・
Chase等に楽曲を提供していた Jim Peterik
Chaseにも最後に参加したJimが、Bill Chase亡き後のChaseのメンバーと結成したのが Survivor、その名の通り「生き残りメンバー」ということです。
Scotti Brothersという新進レコード会社(社長さんがいつも東京音楽祭の審査員で来られていた・・・)からレコード・デビュー
日本でも発売されていて、前述のPoor Man's Sonが収録されたPremonition
「予戒」という邦題で日本で日本発売されていました。・・・
1982年春頃、そんな Survivorの新曲が、凄い勢いでチャートに登場
Eye Of The Tiger
これには驚かされましたが・・・映画 Rocky IIIのテーマ曲とのこと
こちらは、Sylvester Stallone自らの依頼とのこと
映画Rockyシリーズは、お馴染みのテーマ曲 Gonna Fly Nowは全米No.1
(1作目のサントラ盤に、You Take My Heart Awayという曲はありますが・・・)
特に「歌モノ」のヒット曲はなく、これは大ヒットを約束されたようなもの
まさに「棚からぼたもち」、Survivorはビッグ・チャンスを手に入れました。
そして、アルバムの方も、この曲をフィーチャーして・・・
Eye Of The Tiger
こちらも、テーマ曲に便乗して、チャートを急上昇
この当時の Survivorのメンバー、他には、Jimとほとんどの曲を書き・・・
音楽的バンド・リーダーであるギターのFrankie Sullivan
いつもベレー帽を被っている長身のシンガー Dave Bickler等、5人編成
アルバムの方は、少し後になって、日本盤で購入しました。
(Rocky IIIのサントラ盤は、すぐに購入しました。)
レコーディングは、1981年冬、ロスアンゼルス Rumbo Recordersにて・・・
Dave Blicklerリード・ヴォーカル
Jim Peterikグランド・ピアノ🎹、ハモンドB3オルガン🎹、エレクトリック・ギター、アコースティック12弦ギター、バッキング・ヴォーカル
Frankie Sullivanリード・ギター、リズム・ギター、アコースティック12弦ギター、バッキング・ヴォーカル
Stephan Ellisベース、Mac Droubayドラムス
その他の参加ミュージシャンは・・・Captain &Tennilleの・・・
Daryl Dragonキーボード🎹、シンセサイザー他・・・
その後、TOTOのメンバーに加わる・・・
Fergie Frederiksenバッキング・ヴォーカル
エンジニアリングは、Phil Bonanno、Muke Clink
アシスタント・エンジニアリングは、Hill Brin Swimmer
マスタリングは、The Mastering Lab、Customatrixにて、Doug Sax
プロデュース、アレンジメントは、Jim Peterik、Frankie Sullivanです。
アルバム・ジャケット、写真撮影は、Glen Christianson
全曲、Jim Peterik、Frankie Sullivanの作品です。
A面1曲目、ギターの小刻みなカッティングから、パワフルなロック・サウンドへ
Eye Of The Tigerでスタート、アルバム・タイトル曲、そして・・・
映画 Rocky IIIのテーマ曲、ミディアム・テンポですが、パワフルに歌われ
ピアノ🎹も効果的に加わって、突進するような重量感のあるナンバーに
"Rival"、”Survival"と韻を踏んだ歌詞もより楽曲を力強いものに
"The Eyes Of The Tiger~"、リフレインでフェイドアウトしていきます。
シングルで、全米No.1(6週間)、全米ダンス・チャート No.59、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.27、全米メインストリーム・ロック No.1、ダブル・プラチナ・ディスク獲得、1982年の全米年間シングル・チャート No.2(Cash Boxでは、1982年年間 No.1)、オールタイム・チャート No.26・・・
その他では、カナダ No.1、1982年年間 No.2、ダブル・プラチナ・ディスク獲得、オーストラリア No.1、1982年年間 No.1、プラチナ・ディスク獲得、ニュージーランド No.4、1982年年間 No.30、ベルギー No.3、1982年年間 No.28、オランダNo.2、1982年年間 No.27、オーストリア No.2、1982年年間 No.18、スイス No.6、西ドイツ No.13、フランス No.3、1983年年年間 No.11、ゴールド・ディスク獲得、イタリア ダブル・プラチナ・ディスク獲得、デンマーク No.8、ダブル・プラチナ・ディスク獲得、フィンランド No.1、ノルウェー No.1、スウェーデン No.5、ポーランド No.54、ハンガリー No.8、スロベニア No.28、スペイン No.5、メキシコ ゴールド・ディスク獲得、南アフリカ No.1、1982年年間 No.2、アイルランド No.1、そして全英 No.1、1982年年間 No.3、トリプル・プラチナ・ディスク獲得、世界各国で、No.1に輝いています。
さらに日本でも、オリコン・チャート No.10、洋楽チャート No.1、ゴールド・ディスク獲得、映画Roocky III人気も勿論、当時は大ヒットでした。
尚、イントロ部分は、当時から、Stevie NicksのEdge Of Seventeenのイントロに似ている・・・と言われていました。・・・
2曲目、一転して、ドラムスから、スピード感あふれるビート
Feels Like Love、ギターのハードなカッティングに合わせてノリよく・・・
Daveの歌を、メンバーのコーラスがバックアップ、盛り上げていき・・・
左右のギターをフィーチャー、歌とのかけ合いでフェイドアウトしていきます。
3曲目、ドラムスから、ドライヴ感溢れるギター、ミディアム・テンポで・・・
Hesitation Dance、ギターのリフに合わせるように熱唱するDave
途中、ギター・ソロも・・・ハードでポップなナンバーです。
4曲目、ベース音が刻まれたハードなイントロに合わせて、Daveが歌い始める・・・
The One That Really Matters、この曲のみ、Jim Peterikの単独作品
サビの部分は、バック・コーラスとのかけ合いでポップに盛り上がります。
アルバムから第3弾シングルで、全米 No.74にランクされています。
5曲目、ピアノ🎹が奏でる悲し気なメロディ、静かに歌い始める Dave
I'm Not That Man Anymore、ハードなギターが入り、盛り上がっていき・・・
ドライヴ感溢れるポップな曲調は、Foreigner等を思わせるところも・・・
後半、泣きのギター・ソロ、そして独壇場に、最後はフェイドアウトしていきます。
邦題は、「アイム・ノット・ザット・マン」と短縮形になっています。
B面1曲目、アコースティック・ギター音のピッキング、一転してハードに・・・
Children Of The Night、アップ・テンポでハードなロック・ナンバー
Daveの歌を、コーラス、ハードなギターが盛り上げていき・・・
後半はコーラスのかけ合い、さらにハードに、そして ギター・ソロ
最後は、Daveの歌とギター、パワフルにフィナーレです。
2曲目、美しいピアノ🎹のイントロから、優しく歌い始める Dave・・・
Ever Since The World Began、ドラムス等が入り、徐々にパワフルに・・・
メロディ・ラインの美しいロック・バラード、ガン闘病の人たちに捧げたナンバー
最後は、ピアノ🎹とDaveの歌で静かにフィナーレ・・・
邦題は短縮形で、「ザ・ワールド・ビガン」、もう少し後の時代なら・・・
恐らくシングル・カットされ、ヒットしたように思います。
それを示すかのように、StyxのTommy Shawが1987年のソロ・アルバム Ambitionで取り上げ、シングルとしてもリリース(全米 No.75)されました。
(こちらは短縮形でも「エヴァー・シンス・ザ・ワールド」という邦題でした。)
尚、1989年、映画 Lock Upの主題歌として、次のシンガー Jimi Jamisonの歌でも再レコーディング、彼らの代表曲の1つとなっていると言えるでしょう。・・・
3曲目、シンセサイザー音がフェイドイン、イントロが刻まれ・・・
American Heartbeat、力強いビートで、パワフルに歌うDave
コーラスもパワフル、Eye Of The Tigerをアップ・テンポにしたような感じ
その通り、Rocky IIIに書かれたナンバー、最後はフェイドアウトしていきます。
アルバムからの第2弾シングルで、全米 No.17、西ドイツ No.55・・・
尚、映画のサウンドトラックとしては、使われませんでした。・・・
4曲目、ドラマチックなエレクトリック・ギターのイントロから・・・
Silver Girl、力強いポップなロック・ナンバー、コーラスもキマっています。
途中、終わったと思いきや・・・ピアノ🎹をブリッジにギター・・・
パワフルなドラムスで、ギター・ソロ、再び盛り上がっていって・・・
最後は、ギター中心にフェイドアウトしていきます。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.2
(Fleetwood MacのMirageに抑えられました。・・・)
プラチナ・ディスク獲得、1982年全米年間アルバム・チャート No.78
カナダ No.4、プラチナ・ディスク獲得、オーストラリア No.26、プラチナ・ディスク獲得、ニュージーランド No.23、オランダ No.29、オーストリア No.6、西ドイツ No.31、イタリア No.24、フィンランド No.10、ノルウェー No.3、スウェーデン No.13、香港 ゴールド・ディスク獲得
全英 No.12・・・世界各国でビッグ・セールス
そして日本、何とオリコン・アルバム・チャート No.17
尚、本アルバムが、これほどまでのビッグ・セールスとなったのは・・・
映画Rocky III、Eye Of The Tigerの大ヒットに起因するところが大きい
・・・それは否めないでしょう。
映画 Rocky IIIは、日本公開と同時に見に行きました。
1982年のアルバム・シリーズ で、Rocky IIIのサウンド・トラック盤も投稿予定なので、またその時に記す予定ですが・・・
最初のEye Of The Tigerが流れているところでは、Rockyより、挑戦者であるMr.T演じるClubber Langのトレーニング風景が印象的です。
また"Eye Of The Tiger"は、Apollo Creedが、Rockyに対して言う「君はあの時、虎の目(Eye Of The Tiger)をしていた・・・」から取られています。
映画も大ヒットとなり、大いに楽しめる作品でした。
ただ・・・あの多くの感動をもらったRockyが、0007のようなヒット作品のシリーズ化となってしまった・・・その感は、否めませんでした。・・・
Eye Of The Tigerは、翌年のアカデミー賞、Best Original Songにノミネート
但し、An Officer And A Gentleman (愛と青春の旅立ち)のUp Where We Belongが圧倒的に強く、受賞は逃しました。
一方、Survivorは、Eye Of The Tigerによって、翌年の第25回グラミー賞で・・・
Best Rock Performance By Duo Or Group With Vocalを受賞
また、Song Of The Yearにもノミネートされていましたが、こちらは受賞ならず・・・
Always On My Mindが受賞しました。
前述の通り、まさにStyx、Journeyのライバル
Survivorは、時代を象徴するロック・バンドとなった
この時は、誰もが疑う余地はなかったのでした。・・・