1982年のアルバム(その10 I Love Rock'N Roll / Joan Jett~)
1982年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.1から、全米最高位No.2へ・・・先ず登場するのが・・・
Joan Jett & The Blackhearts
日本でもお馴染みの Joan Jett
勿論、The Runawaysのメンバーとして、その名を知られていたわけですが・・・
Cherie Currie脱退後は、リード・ヴォーカルも担当していたものの・・・
バンドは解散・・・その後、Sex PistolsのSteve Jones、Paul Cookとトリオで活動したりしていましたが・・・
Joan Jett & The Blackheartsを結成
そう、彼女が慕っている Suzi Quatroと同じく男性3人を従えた編成です。
1982年の初頭、FENで、やたらとかかってきた曲、それが・・・
I Love Rock'n Roll
勿論、Joan Jett & The Blackhearts、ドライヴ感のあるシンプルなギター
Joan Jettのやや投げやりな歌い方、サビの部分のコーラスのリフレイン
一度聴いたら、覚えてしまうようなナンバー
オリジナル曲と思われていますが、1975年のThe Arrowsのナンバー
(作者は、そのメンバーで日本でもお馴染みのAlan MerrillとJake Hooker)
その勢いで、全米チャートを急上昇してきました。
そして、Joan Jett~にとっても2枚目となるアルバムも同名で・・・
I Love Rock'n Roll
こちらもチャートを急上昇
自分は、直輸入盤LPレコードで購入しました。
日本でもよく知られたJoan Jettですが、レコード会社の契約の関係で・・・
日本ではすぐに発売されなかったのですよね。
レコーディングは、1981年6月~9月、ニュー・ヨーク、ロング・アイランド
Kingdom Sound Studios、Soundworks Studiosにて・・・
メンバーは・・・
Joan Jettリード・ヴォーカル、リズム・ギター
Ricky Byrdリード・ギター、バッキング・ヴォーカル
Gary Ryanベース、バッキング・ヴォーカル
Lee Crystalドラムスバッキング・ヴォーカル
その他・・・
Kenny Lagunaキーボード🎹、パーカッション🥁、バッキング・ヴォーカル
エンジニアリングは、Gerry Gabinel、Glen Kolotkin
マスタリングは、Stew Romain
プロデュースは、Kenny Laguna、Ritchie Cordell、Glen Kolotkinです。
アルバム・ジャケット、写真撮影は、ロック・ファンにはお馴染み Mick Rockです。
A面1曲目、ドラムスが打ち鳴らされ、ギターにカッティングに手拍子
I Love Rock'n Rollでスタート、Alan Merrill、Jake Hookerの作品
やや低音で熱唱するJoan、"I Love Rock'n Roll~" コーラスもバックアップ
3分弱の中にギター・ソロ、アカペラ・コーラスあり・・・シンプルながら・・・
よく出来たナンバー、コーラスのリフレイン、最後はパワフルにキマリます。
第1弾シングルで、全米No.1、全米ダンス・チャート No.31、全米メイン・ストリーム・ロック No.1、プラチナ・ディスク獲得、1982年の全米年間シングル・チャート No.3、オールタイム・チャート No.72、カナダ No.1、プラチナ・ディスク獲得、1982年年間 No.1、オーストラリア No.1、プラチナ・ディスク獲得、1982年年間 No.7、ニュージーランド No.1、1982年年間No.7、フランス No.4、シルバー・ディスク獲得、西ドイツ No.6、1982年年間No.34、オランダ No.1、1982年年間 No.22、ベルギー No.2、1982年年間 No.26、南アフリカ No.1、1982年年間 No.7、その他、スウェーデン No.1、フィンランド No.8、オーストリア No.4、スイス No.3、アイルランド No.2、そして全英 No.4、シルバー・ディスク獲得、世界中で特大ヒット、Joan Jettによって、すっかりロック・スタンダードになりました。
2曲目、軽快なギターのカッティングからノリのいいロックン・ロール
(I'm Gonna) Run Away、Joan Jett、Kenny Lagunaの作品
Joanも終始ストレートに歌うナンバー、邦題は短縮で「ランナウェイ」です。
3曲目、エフェクターを効かせたギターが響き、ややスローに歌うJoan
Love Is Pain、Joan Jettの作品、ヘヴィな中、コーラス部分はポップ
ギターに合わせて入る鞭の音も楽曲をよりパワーアップさせています。
4曲目、いきなり Joanが歌い始め、Beach Boys風のコーラス
Nag、Arthur Crierの作品、邦題は「煮え切らない女」
途中入る男性の声も効果的、ロックン・ロール・ギターで盛り上がります。
5曲目、"Ah~"とJoan、そこからヘヴィなロック・ナンバーに・・・
Crimson And Clover、Tommy James、Peter Lucia Jr.の作品
そう、Tommy James And The Shondells、1969年の全米No.1ヒット曲
バック・コーラスもややスローに歌うJoanをバックアップ
アップ・テンポに変わるところは痛快、ハードなリフレインでフィナーレです。
第2弾シングルで、全米No.7、全米メイン・ストリーム・ロック No.6、1982年の全米年間シングル・チャート No.78、カナダNo.4、1982年年間 No.57、オーストラリア No.6、1982年年間 No.75、ニュージーランド No.11、オーストリア No.12、スイス No.8、西ドイツ No.15、そして全英No.60・・・
Joan Jett & The Blackheartsとしても世界的大ヒット曲となっています。
B面1曲目、ドラムスに合わせてギターがかき鳴らされ・・・
Victim Of Circumstance、Joan Jett、Kenny Lagunaの作品
シャウト気味に歌うJoan、コーラス、ドラムスのロールがバックアップ
ロックン・ロール・ギターでストレートに盛り上げていきます。
邦題は、「こんな私に誰がした!!」です。
2曲目、ドラムスが力強く響き、ギターに合わせてコーラスから・・・
Bits And Pieces、Dave Clark、Mike Smithの作品
そう、The Dave Clark Fiveの1964年の大ヒット曲(全英No.2、全米No.4)
Joanの歌とバック・コーラスのかけ合いで盛り上げていきます。
彼女が影響を受けているSuzi Quatroに近いものも感じるナンバーです。
3曲目、ドラムスが打ち鳴らされ、ギターのカッティング・・・
Be Straight、Joan Jett、Greg Kihn、Kenny Lagunaの作品
Bo Diddley風のリズムで、Joanの歌を、バックのかけ声も盛り上げ・・・
ここでもロックン・ロール・ギターがフィーチャーされます。
4曲目、イントロから、スピード感溢れるロックン・ロール・・・
You're Too Possessive、Joan Jettの作品、邦題は「しつこいアイツ」
ノリノリで歌うJoanをコーラスがバックアップ
エフェクターを効かせたギターも盛り上げていきます。
5曲目、ドラムス、かけ声、そしてギターのカッティング・・・
Oh Woe Is Me、Joan Jettの作品、邦題は「嘆きのロ㏍ン・ロール」
Joanの熱唱をかけ声、歪んだギターが盛り上げていき・・・
最後はロックン・ロール・ギターで締められます。
CDの時代になり、ボーナス・トラックとして、1992年のリマスター盤には・・・
10曲目 Little Drummer Boy、11曲目 Oh Woe Is Me、12曲目 Louie Louie、13曲目 You Don't Know What You Got (Live)が追加収録
1998年のリマスター盤にはさらに・・・
14曲目 Summer Time Blues、15曲目 Nag (The Coasters共演の未発表ヴァージョン)が追加収録されています。
またAnniversary EditionのDisc Oneは、オリジナル・アルバムで、10曲目が、Steve Jonesの作品、Black Leatherに
Disc Twoには、1981年のNew YorkでのLiveが収録されています。
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.2
プラチナ・ディスク獲得、1982年全米年間アルバム・チャート No.22
カナダ No.1、ダブル・プラチナ・ディスク獲得、1982年年間 No.6
オーストラリア No.2、プラチナ・ディスク獲得、ニュージーランド No.1、ゴールド・ディスク獲得、1982年年間 No.23、その他、オランダ No.7、オーストリア No.14、西ドイツ No.31、フィンランド No.13、ノルウェー No.38、スウェーデン No.4、そして全英No.25、世界中でビッグ・セールス
日本では、発売の遅れが居たかったかもしれません。・・・
この少し前にブレイクしたのが、このシリーズにも登場した The Go-Go's
シングルでは、Joan Jett~に、Go-Go'sが抑えられましたが・・・
アルバム・チャートでは、本作I Love Rock'n Rollは、Go-Go'sのBeauty And The Beatを追い抜くことはできず、前述の通り全米最高位No.2
奇しくもJoan Jett自身も、ガールズ・バンド The Runaways出身
ちょうど同時期、まさにライバルといった感じに
この時代の音楽界において、相乗効果となっていたと思います。
尚、この年、ファースト・アルバムBad Reputationが、新装リリース
本来なら、I Love Rock'n Rollから、3枚目のシングルといったところへ・・・
リリースされたのが、ファースト・アルバムからのカッティングで・・・
Do You Wanna Touch Me (Oh Yeah)
こちらもカバーで、Gary Glitterの1973年のヒット曲(全英No,2)
Joan Jett~の方も、ミュージック・ビデオでも人気が出て・・・
全米No.20のヒットとなりました。
1982年の最後に、Joan Jett & The Blackhearts来日決定
自分は、12月4日、NHKホール公演に行きました。・・・
Bad Reputationで始まった同公演
メンバー4人とシンプルな編成ながら、本アルバムI Love Rock'n Roll中心に
パワフルなプレイを楽しませていただきました。
そしてこの日、I Love Rock'n Rollも勿論、それ以上に盛り上がったのが・・・
Do You Wanna Touch Me (Oh Yeah)
そう、ビデオも勿論のこと、当時、最新曲として、多くかかっていたのですね。
アンコールでは、StonesのStar Star、David BowieのRebel Rebel
そのような人気曲が続きました。
これで終わりと思ったところにもう一度登場・・・で歌ったのは・・・
Chery Bomb
これには大盛り上がり・・・と同時に驚き・・・そしてフィナーレ・・・
The Runawaysとの確執は・・・それも気になるところでした。・・・
兎に角、それまでになく多くの来日アーティストの公演を見に行った1982年・・・
Joan Jett & The Blackheartsでこの年の幕を閉じたのでした。・・・
Joan Jett & The Blackheartsがブレイクした時代背景・・・
Pat Benatarが作り出した・・・
そのように言える部分もあるかもしれませんが・・・
結局、Joanが崇めていた Suzi Quatroは、アメリカでは今一つ・・・
そう思えば、彼女は登場が早過ぎたんだ・・・そのように思って」しまうのでした。
尚、Joan Jett & The Blackhearts
2023年時点でも元気に活動しているとのこと・・・
是非、そのライヴをどこかで・・・そう思う次第です。・・・