1982年のアルバム(その1 For Those About To Rock / AC/DC)
このアルバム・シリーズも1982年へ
多くのロック・バンドが台頭してきた’80年代
この1982年、最初に全米No.1に輝いたのは・・・
AC/DC
1980年のアルバム Back In Blackが記録的なロング・セラーに
1981年には、本国以外では未発表だったDirty Deeds Done Dirt Cheap
これが、全米No.3、その他でもベスト・セラーとなり・・・
AC/DCは、Led Zeppelinに変わって、ハード・ロックの王座に
そう言っても過言ではなかったっでしょう。
そんなAC/DCが、あまりにも大きな期待の中、1981年末、発表したのが・・・
For Those About To Rock (We Salute You)
まさにAC/DCらしいタイトル、大砲のジャケットもパワーが示されています。
そして、このタイトル曲を初めて聴いた時、スローに始まって、ヘヴィーに進行
これは、Phiysical Graffittiの時のLed Zeppelinみたい・・・
そして、後半、号砲が響き、そこからハードなロックン・ロールに
カッコいい、この1曲でハマってしまい、即、輸入盤を購入しました。
尚、日本でも人気急上昇のAC/DCだけに日本盤もすぐ出ましたが・・・
「悪魔の招待状」
確かにバンドとしては、そんなイメージもありますが・・・
この邦題、ちょっと違うんじゃないか・・・とも思いました。(苦笑)
レコーディングは、1981年5月~9月、パリ、H.I.S. Studio、パリ、Family Studio
Mobile Oneにて・・・
Brian Johnsonリード・ヴォーカル
Angus Youngリード・ギター
Malcolm Youngリズム・ギター、バッキング・ヴォーカル
Cliff Williamsベース、バッキング・ヴォーカル
Phil Ruddドラムス
レコーディング・エンジニアリングは、Mark Dearnley
アシスタント・エンジニアリングは、Andy Rose、Mark Haliday、Nigel Green
ミキシングは、Dave Thoener
マスタリングは、Masterdiskにて、Bob Ludwig
そしてプロデュースは、前作同様、Robert John "Mutt" Langeです。
全曲、Angus Young、Malcolm Young、Brian Johnsonの作品です。
A面1曲目、エレクトリック・ギターのピッキング音、そこから徐々に・・・
For Those About To Rock (We Salute You)、「悪魔の招待状」
ギターがヘヴィーに、ドラムスが入り、Brian Johnsonの雄叫び
ハードなギターのリフに合わせて歌うBrian、メンバーのコーラス
(恐らくギブソンSGによる)Angus Youngのソロ、そして砲撃音
そこから、アップ・テンポのハード・ロックンロールに、Angusは弾きまくり
砲撃音が続いて、パワフルにフィナーレ、シングル・リシースされた国もあり・・・
全英No.15、全米メイン・ストリーム・ロック No.4、傑出したナンバーです。
2曲目、ギターのカッティングに、Brianの歌が入り、先ずはシンプルなビート
Put The Finger On You、歌の進行に従って音が分厚くなるロックン・ロール
Brianをバックアップするコーラスもキマリ、ノリよくソロを聴かせるAngus
アップ・テンポながら重量感あり、邦題は短縮で「フィンガー・オン・ユー」です。
3曲目、ハードなギターのリフから、ミディアム・テンポに・・・
Let's Get It Up、ここでもギターに合わせたBrianの熱唱
メンバーのコーラスがバックアップ、そしてドライヴ感溢れるギター・ソロ
最後は、Brianの一声、邦題は短縮で、「ゲット・イット・アップ」
アルバムから第1弾シングルで、全米No.44、全米メイン・ストリーム・ロック No.9、本国オーストラリア No.73、カナダ No.9、西ドイツ No.33、スウェーデン No.18、そして全英 No.13・・・世界中でヒットしています。
4曲目、やはりハードなギターが響いてブレイク、ややスローにBrianの歌
InJect The Venom、ギターとかけ合うように無伴奏でBrianの歌
徐々に盛り上がりサビの部分では、コーラス、そして Angusのソロ
ギター・フレーズのリフレイン、そしてBrianのシャウトとともにフィナーレ・・・
邦題は「悪魔の一滴」、まさにそれを注入されたような気分になります。
5曲目、一転して、軽快でハードなギターのカッティングに、ドラムス
Snowballed、こちらはスピード感溢れるナンバー、ノリノリに歌うBrian
サビの部分は少しスピードダウンで、コーラス、そしてAngusの速弾きソロ
最後はパワフルに溜めてフィナーレ、邦題は「スノウボール」です。
B面1曲目、ドラマチックにハードなギターが響き、そこから軽快に・・・
Evil Walks、その通り、ここではステップを踏むように軽快に歌う Brian
メンバーのコーラスがヘヴィにバックアップ、そしてAngusのギター・ソロ
途中、ブレイクの部分も・・・ドライヴ感溢れるナンバーです。
2曲目、シンプルなギターとドラムスが刻むビート、そこへ Brianの歌
C.O.D.、"Care Of The Devil"の略、コーラスとかけ合うように歌うBrian
ノリのいいヘヴィーなナンバー、勿論、Angusのギターもノリよく入ります。
「悪魔の招待状」はむしろこちらのタイトルに相応しく思います。(苦笑)
3曲目、ギターがパワフルに響いて、そこへAngus、そして Brianの歌
Braking The Rules、邦題は「無法地帯」、ギターのリフに合わせて・・・
Brianが軽快に歌う、ミディアム・テンポのハード・ロック
Angusは、ここではタイトな音を奏で、フェイドアウトしていきます。
4曲目、続いてもハードにギターが響き、一転してリズミカルなノリに・・・
Night Of The Long Knives、邦題は「長いナイフの夜」
ギターのフレーズは印象的、サビの部分のコーラスは、Brianをバックアップ
そしてAngusのソロ、AC/DCとしては割とポップなナンバーです。
5曲目、ギターのリフにシンバル、そこから徐々にハードに・・・
Spellbound、邦題は「殺しの呪文」、ベースが響き、そこへBrianの歌
サビの部分では、コーラスがパワフルに、そしてAngusのソロ
途中、ベースを中心に静まって、そこからさらにパワーアップ
後半は、Brianの熱唱とかけ合うように、弾きまくるAngus
最後はパワフルにフィナーレとなります。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.1
初の快挙、全米で、400万枚突破、1982年の全米年間チャート No.43
本国オーストラリアでは、No.3、35万枚突破、1982年年間チャート No.20
その他の国では、オーストリア No.7、スイス No.10、プラチナ・ディスク獲得、西ドイツ No.2、年間チャート No.30、プラチナ・ディスク獲得、フランス No.1、プラチナ・ディスク獲得、カナダNo.4、イタリア No.5、ゴールド・ディスク獲得、スペイン No.75、ゴールド・ディスク獲得、ニュージーランド No.6、オランダ No.22、ノルウェー No.6、スウェーデン No.9、フィンランド No.19、そして全英 No.3、ゴールド・ディスク獲得・・・世界中でビッグ・セールスを記録
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.48
人気の急上昇ぶりを示しています。
亡くなった Bon Scottは、その後も人気はありましたが・・・
英国人のBrian Johnsonの参加
それによって、AC/DCは、ワールドワイドにグローバル存在になった
それが重要なことでしょう。
1982年6月に、AC/DCの来日公演決定
まさにグッド・タイミングな来日
しかも前回の来日から1年半くらいで、会場は日本青年館から日本武道館へ
自分は、この時は即座にチケットを購入しました。
1982年6月10日、日本武道館、Hells Bellsでスタートしたライヴは、ライティングが華やかな中、Back In Black等、パワフルに続き、中頃には、Angusは、The Jackで服を脱ぎ始め、お尻を出すというポーズ・・・
代表曲、アルバム Back In Blackの曲中心でしたが、新譜 For Those About To Rock~からは、Let's Get It Up1曲だけ・・・
最後にプレイされると思われたタイトル曲は、恐らく当時、武道館では火気厳禁ということで、その演出ができなかったのでしょう。・・・
それでもこの1~2年の間に、世界のTOPバンドとして巨大化したAC/DC
その怒涛のライヴを満喫することができたのでした。
初の全米No.1で、幸先よく1982年をスタートさせたAC/DC
For Those About To Rock~は、彼らの最高傑作といえるナンバー
ただトータルとしては、Back In Blackほどのセールスではありませんが・・・
このアルバムで、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルの頂点に躍り出た・・・
それは間違いないでしょう。
HR/HMの最高峰となったAC/DC
とはいえ、その後、彼らが歩んでいくのは、HR/HMの王道
・・・というよりは、The Rolling Stonesに近い存在として・・・
そのスタート地点となったのが、Back In Blackと・・・
この For Those About To Rock We Salute Youと言えるでしょう。