1981年のアルバム(その97 Discipline / King Crimson)
1981年のロック界のセンセーショナルな話題
King Crimson奇蹟の復活
これは、特にプログレッシヴ・ロック・ファンにとっては、驚き、そして歓喜
実のところは、Robert Frippが、元King Crimsonのメンバー Bill Bruford
彼とDisciplineという音楽ユニットを始めたことで、それが、King Crimsonに
John Wettonはいませんが(恐らくこの時期はAsia始動直前・・・)・・・
恐らく Peter Gabriel関連で繋がった、John Lennonのレコーディングにも参加していたりしていたTony Levin
Fripp & Enoの関連での繋がりで、David Bowieと来日もしたAdrian Belew
この4人、アルバム・タイトルの方が・・・
Discipline
そう、「規律」という意味に当たる予定されていたバンド名の方になりました。
そして、話題の中、日本盤も発売、タイトルは・・・
「ディシプリン/キング・クリムゾンの復活」
何はともあれ、King Crimsonは蘇ったのでした。
レコーディングは、1981年5月~6月、ロンドン Islandにて・・・
Robert Frippエレクトリック・ギター、ギター・シンセサイザー、デバイス
Bill Brufordドラムス、スリット・ドラム、パーカッション🥁
Adrian Belewエレクトリック・ギター、ギター・シンセサイザー、リード・ヴォーカル
Tony Levinチャップマン・スティック、ベース、バッキング・ヴォーカル
アシスタント・エンジニアリングは、Nigel Mills
ギアー・テクニシャンは、Graham Davies
ストラテジック・マネージメントは、Paddy Spinks
プロデュースは、King Crimson、Rhett Davies
アルバム・ジャケット、グラフィック・デザインは、Peter Saville
全曲、作曲は、King Crimson、作詞は、Adrian Belewです。
A面1曲目、エレクトリック・サウンドがフェイドイン、そしてアフリカ音楽風リズム・・・
Elephant Talkでスタート、リズムに合わせて、歌い始めるAdrian Belew
"Talk, Talk~"と語るように、アクの強い歌、そしてギター・・・
そうまさに「象の泣き声」、途中、アコースティックなサウンドも・・・
後半、ギター・ソロもフィーチャー、Adrianの歌と消えるように・・・
当時、日本でも1番多く、オンエアーされていました。
2曲目、スピード感あふれるギターのピッキング・・・
Frame By Frame、少し静まったところで、Adrian熱唱
パワフルな歌で、Tonyがコーラスでバックアップしているよう・・・
後半、Robert 、Adrianの左右からの激しいピッキング
延々続くようですが、突然、ストップします。
3曲目、一転して、静かにギター音、一方で流れるようなピッキング・・・
Matte Kudasai、そう日本語で・・・、「待ってください」、美しいバラード
優しく叙情的に歌うAdrian、Robert Frippは、ギター・シンセサイザーを駆使
彼がよく使うリフが効果的に使われ、アルバムの中では、リラックス・ムード
アルバムから第1弾シングルで、全英No.76 となっていますが・・・
日本でもヒットすると思っていました。・・・
4曲目、ベースが響いて、パーカッション🥁が徐々に入り・・・
Indiscipline、ギターが入ることで、ハードな展開となっていきます。
ギターが収まったところで、Adrian、歌というよりナレーション・・・
タイトル通り、「不規律」について()・・・"I Did!"
"I Repeat Myself When Under Stress~"、ハードな演奏と交互に・・・
最後は、"I Like It!"と締められます。・・・
B面1曲目、やはりスピーディーなギターのピッキングから・・・
Thela Hun Ginjeet、リズムに合わせてコーラスから、力強く歌う Adrian
Robertならではの変則リズムが刻まれ、ここでもトーク・・・
緊迫感のあるプレイをバックに、危険なストーリー()が語られ・・・
後半、ギターがフィーチャー、最後はパワフルに幕を閉じます。・・・
アルバムから、第2弾シングルとしてリリースされました。・・・
2曲目、パーカッション🥁に合わせて、ギター、ベースも入って・・・
The Sheltering Sky、エフェクターを効かせたギターがメロディを奏でる・・・
インストゥルメンタル・ナンバー、リズムがしっかり刻まれる中・・・
左右2台のギターのかけ合いで、そう、「空」の変化が描かれているよう・・・
不思議な世界に誘われ、最後はフェイドアウト・・・パーカッション🥁が余韻を・・・
尚、タイトルは、1990年に映画化もされたPaul Bowlesの小説から取られています。
3曲目、パーカッション🥁に導かれ、左右からギターのピッキング・・・
Discipline、タイトル曲、こちらはインストゥルメンタル・ナンバー
ギターの後ろでは、Tonyのスティックが響いています。・・・
Billのドラムスが入るところから、盛り上がっていき・・・
左右のギターのリフレイン、最後はギター音だけで幕を閉じます。・・・
・・・
CDの時代になって、多くの編集盤もリリースされています。
その中で、2016年のExpanded Editionでは、ボーナス・トラックとして・・・
Matte Kudasai (Alternate Version)、The Terrifying Tale Of Thela Hun Ginjeet、Studio Sessionsが、追加収録されています。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.45
In The Wake Of Poseidon以来の全米TOP50入りとなっています。
カナダ No.18、ニュージーランド No.13、オランダ No.43、フランス No.17、スウェーデン No.37、そして、全英 No.41・・・世界中で好セールス
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.33
トータルとしては、In The Court Of The Crimson Kingが、1番セールスを記録していると思いますが、チャート上では最高位でしょう。
そして、この年の12月に、King Crimsonとしての初来日公演も決定
東京公演は、浅草国際劇場で複数回でしたが・・・
チケット発売後、即ソールドアウトとなりました。
そのKing Crimson、渋谷公会堂で追加公演が決定
こちらは、何とかチケットを購入でき、プログレ・ファンの先輩と行きました。
1981年12月9日、渋谷公会堂
シンプルなステージ・セット、但し機材は色々凝っているよう・・・
メンバー4人登場して、静かにDisciplieで始まり、Thela Hun Ginjeetでは、Adrian 熱唱、そして4曲目くらいに、Adrian が・・・
"Aka"と・・・そう、Red、場内歓喜
しかも、Robert Fripp、Bill Brufordでこのプレイを、感動です。
また Matte Kudasaiは、唯一、リラックス・ムードとなりました。
そして、最後奏でられた音は・・・Lark's Toungues In Aspic, Part Two
再び場内歓喜、静かなステージながら、オーディエンスの気分は絶頂
時間は90分くらいでしたが、感動の来日公演でした。・・・
終演後、一緒に行った先輩は、一言・・・
「King Crimsonを見てしまった・・・」
全てを表しているでしょう。
Robert Fripp、Bill Brufordは、いるものの・・・
フロントマンとなっているのは、Adrian Belew、John Wettonとは全く違い・・・
Tony Levinのスティックによる変則的リズム・・・
さらには、キーボード、ストリングス等のメンバーは居らず・・・
果たして King Crimson
正直、そう思ったことも否めないでしょう。・・・
ただ進化、変化も常に続けるのが、King Crimson
長い歴史の中でも、特に大きなムーブメントである一つが、このDisciplie
それは間違いないでしょう。
尚、この時のKing Crimsonは、その後、1984年まで、この形で活動を続けます。
1981年1番最後に行ったコンサートがこのKing Crimson来日公演でした。・・・