1981年のアルバム(その47 Breakin' Away / Al Jarreau)
1981年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位 No.9ということで、次に登場するのは・・・
Al Jarreau
そう、ジャズ・シンガーとして日本でもよく知られ、来日公演も行っている
あのAl Jarreau
1976年にリリースされたGlowは、日本でも「輝き」の邦題で大人気
当時、FMをよく聴いていた自分は、レコードこそ購入していませんでしたが・・・
オンエアーが多いので耳馴染みになっていました。
そんなAl Jarreauが、ポップス界へ・・・
’80年代に入り、なんとあのJay Graydonをプロデュースに・・・
さジャズ・フュージョン系ではなく、ウエスト・コースト系のミュージシャンをバックに
アルバム This Timeをリリース
ジャズのチャートでも勿論、これまでにない成功をおさめました。・・・
続いて、Jay Graydonプロデュースによる第2弾が・・・
Breakin' Away
このアルバムに拍車をかけるべく、今度はここからのシングル
We're In This Love Togetherもヒット・チャートを急上昇してきたのでした。
レコーディングは、1981年
カリフォルニア州、サン・フェルナンド Dawnbreaker Studiosにて・・・
Al Jarreauリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、リズム・アレンジメント他
参加ミュージシャンは・・・
Jay Graydonエレクトリック・ギター、リズム・アレンジメント他
Tom Canningキーボード🎹、シンセサイザー、リズム・アレンジメント他
David Fosterアコースティック・ピアノ🎹、フェンダー・ローズ、シンセサイザー他
Michael Boddickerシンセサイザー、Abraham Laborielベース
Steve Gaddドラムス、Frank DeCaroコントラクター
その他、楽曲ごとに豪華ミュージシャンが参加しています。
エンジニアリングは、Joe Bogan
セカンド・エンジニアリングは、Debbie Thompson
ストリングス・レコーディングは、カリフォルニア州、ハリウッド Sunset Soundにて
コンダクターは、Humberto Gatica
オーバーダビング、ミキシングは、カルフォルニア州、スタジオ・シティ
Garden Rake Studiosにて、ミキシングは、Jay Graydon
マスタリングは、カリフォルニア州、ハリウッド A&M Studiosにて
Bernie Grundman
アソシエイト・プロデューサーは、Tom Canning
プロデュースは、Jay Graydonです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクション、デザインは、Christine Sauers
写真撮影は、奥様の Susan Jarreauです。
ほぼ全曲、Tom Canning、Jay Graydon、Al Jarreauの作品です。
A面1曲目、軽快なギターとキーボード🎹、Alが軽いタッチで歌い始め・・・
Closer To Your Love、Alの多重コーラスで心地よく響くナンバー
ストリングスとともに効果的に入るホーンは、Tom Scottです。
英国では、シングル・リリースされています。
2曲目、美しくピアノ🎹が奏でられ、そこに入ってくるAlの歌
My Old Friend、Steve George、John Lang、Richard Pageの作品
Richard PageとSteve Georgeは、当時はPages、その後、Mr. Mister
ここではバッキング・ヴォーカルも、ギターは、Steve Lukather
心地よく響くフェンダー・ローズ🎹、アコースティック・ピアノ🎹、シンセサイザー・・・キーボード類🎹は、David Foster、フリューゲルホーンは、Jerry Hey
豪華メンバーによるバックアップ、邦題は「心の友へ」です。
3曲目、心地よいギターとフェンダー・ローズ🎹が、マッチして、ソフトにAl
We're In This Love Together、Roger Murrah、Keith Stegallの作品
最初は、Larsen-Feiten Bandに書かれたナンバーとのことですが・・・
シングル曲が欲しかった AlとJay Graydonに回ってきたとのこと
体が動き出すような軽快で心地よいリズム、歌は、Alの多重録音
ここでのシンセサイザー、フェンダー・ローズ🎹は、Michael Omartian
アルト・サックス🎷は、Lon Price、ギターは、Steve Lukather
歌とコーラスのリフレイン、キーボード類🎹も加わってフェイドアウトしていきます。
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米No.15、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.6、全米R&Bチャート No.6、カナダ No.42、カナダAC No.1、ニュージーランド No.24、そして全英 No.55、世界中で大ヒット
日本でも当時、大人気、邦題は「奏でる愛」です。
4曲目、Alの得意とする器楽的唱法から・・・少しアップ・テンポとなって・・・
Easy、ノリよく歌われます。効果的なシンセサイザーは、J. Peter Robinson
ソロの部分は、Larry Williams、パーカッション🥁は、Bob Zimmitti
間奏部で再び器楽的唱法、邦題はなんと「愛は世界をめぐり」です。
5曲目、David Fosterのアコースティック・ピアノ🎹から、静かにAlが歌う・・・
Our Love、バッキング・ヴォーカルは、Richard Page、Steve George
徐々に盛り上げていき、ドラマチックにストリングスが挿入されます。
キーボード類🎹は勿論、ストリングス・アレンジメントは、David Foster
ストリングス・コントラクターは、Frank DeCaro
歌とコーラスのリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
邦題は「明日に漂う」、こちらも英国のみ、シングル・リリースされています。
B面1曲目、ドラムスからホーンも入り、そして軽快に、Alが歌う・・・
Breakin' Away、タイトル曲、このナンバーのみレコーディングは・・・
カリフォルニア州、ハリウッド The Pasha Music Houseにて、Larry Brown
セカンド・エンジニアリングは、Mikey Davis、Csaba Petocz
効果的に入るホーン、トランペット🎺は、Jerry Hey、Chuck Findley
トロンボーンは、Bill Reichenbach Jr.、アレンジメントは、Jerry Hey
またパワフルなドラムスは、Jeff Porcaro、ベースは、Neil Stubenhaus
キーボード類🎹は、David Foster、超豪華メンバーです。
アルバムから第2弾シングルで、全米No.43、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.30、全米R&Bチャート No.25、カナダAC No.20・・・
We're~に続き、当時の時代を象徴したナンバーとなっています。
2曲目、軽快なビートに合わせて、語るように始める Al
Roof Garden、George Dukeの奏でるフェンダー・ローズ🎹に合わせて・・・
先ずはハミングのように・・・そしてホーンも入り、パワフルに
躍動感のあるそのホーン、トランペット🎺は、Jerry Hey、Chuck Findley
トロンボーンは、Bill Reichenbach Jr.、アレンジメントは、Jerry Hey
バッキング・ヴォーカルは、Richard Page、Steve George、そしてもう1人
なんと Bill Champlin、徐々にバックアップ、後半はホーンとかけ合い
Alの歌を中心に、賑やかな世界となっていきます。・・・
国によってシングル・リリースされ、ベルギー No.4、オランダ No.3・・・です。
3曲目、ピアノ🎹とかけ合うように、スピーディーに歌い始める Al
(Round, Round, Round) Blue Rondo a la Turk、Dave Brubeckの作品
Dave Brubeck Quintetが1959年に発表したジャズのスタンダード・ナンバー
ここでのアコースティック・ピアノ🎹、リズム・アレンジメントは、Micho Leviev
ヴォーカル・アレンジメントは、Al Jarreau、Jay Graydon
Alの即興唱法とでもいうべき歌、前衛ジャズ的に盛り上げていきます。
この曲で第24回グラミー賞で、Best Male Jazz Vocal Perfomanceを受賞
邦題は「トルコ風ブルー・ロンド」です。
4曲目、一転して優しいコーラスから、静かに始まる・・・
Teach Me Tonight、Sammy Cahn、Gene De Paulの作品
1953年に最初に発表され、その後多くがカバーしているスタンダード・ナンバー
Alは、じっくり聴かせ、途中、ムードも変えて熱唱
ストリングス・アレンジメントBilly Byers、コントラクターは、Frank DeCaro
エレクトリック・ギターは、Dean Parks、アルト・サックス🎷は、Lon Price
最後は、サックス🎷とコーラスのかけ合いでフェイドアウトしていきます。
アルバムから第3弾シングルで、全米No.70、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.19、全米R&Bチャート No.51、邦題は「今夜教えて」です。
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.9、全米R&Bアルバム・チャート No.1、全米ジャズ・アルバム・チャート No.23、全米で、プラチナ・ディスク獲得、1982年の全米年間アルバム・チャート No.21、年間R&Bアルバム・チャート No.13、年間ジャズ・アルバム・チャートNo.1・・・その他では・・・
オランダ No.3、ゴールド・ディスク獲得、オーストラリア No.80、ニュージーランド No.36、ノルウェー No.9、フィンランド No.7、全英No.60
We're In This Love Togetherの世界的ヒットの影響もありますが・・・
ジャンルを超越して、世界中で、ビッグ・セールスとなりました。
Al Jarreau、このBreakin' Awayで・・・
1982年の第24回グラミー賞で、Best Male Pop Vocal Perfomanceを受賞
また、Album Of The Yearにもノミネートされていました。
(John Lennon Yoko OnoのDouble Fantasyが受賞・・・)
驚異の声域、さらには自分の歌声をまるで楽器のように操る・・・
そんなジャズ・シンガーとしても地位をなしている Al Jarreauですが・・・
この年の We're In This Love Togetherの世界的大ヒット
そして本作 Breakin' Awayのビッグ・セールスによって・・・
新進のAORシンガー
日本だけでなく、世界中でそのようにも思われた・・・
それは否定できないでしょう。
しかし、それによって、Al Jarreauという名前が一気にポピュラーになり・・・
この約4年後の、あのオール・スター・キャストのチャリティ・ソングにも参加
一部、ソロも歌う・・・それにも繋がったのでしょう。
日本にもよく来ていて、そのライヴでは、このヒット作品も勿論のこと・・・
シンガーとして、色々な唱法も楽しませてくれたことでしょう。
ただなかなか行く機会に恵まれず、そんな中、2017年2月・・・
結局、1度もライヴに接することはできませんでした。・・・
兎に角、Al Jarreauの最大のヒット・アルバムである Breakin' Away
ヒット曲 We're In This Love Togetherとともに時代を象徴する作品
そうであることは、間違いないでしょう。