1981年のアルバム(その18 Escape / Journey)
1981年のアルバム・シリーズ
遂に全米 No.1を獲得した
Journey
1980年10月、2度目の来日公演を見ることができて、明けて1981年
ライヴ・アルバム Capturedがリリースされ
日本公演でも新曲としてプレイされた Dixie Highway
さらにはニュー・シングル The Party Is Over (Hopelessly In Love)も収録
2枚組の聴き応えのあるアルバムなのですが・・・
その前にオリジナル・メンバーのGregg Rolieが脱退
Journeyとしては、Babysとして来日経験もある Jonathan Cain
彼を加え、新たに動き出したのでした。
そして Capturedから、約半年後、ニュー・アルバムリリース、それが・・・
Escape
タイトルは、以前の姿から、脱皮という意味もあるのでしょうか・・・
そして、ニュー・シングルは、Who's Crying Now
やや泣きのメロディのポップなミディアム・テンポのナンバー
これは、ヒット狙い
そのようにも思いました。
1981年の春くらいから、自分は名古屋在だったのですが・・・
ちょうど、このEscapeが出た時、名古屋の近隣のレコード店で・・・
ちょっと桑名正博さんに似たバンドもやっているという店員のお兄さん
「Journey、これ最高、絶対No.1になりますよ・・・」
そう言って、ちょうどその日に発売された Escapeを自分に薦めて・・・
自分は、新生Journeyについては、まだ半信半疑だったのですが・・・
このお兄さんの言葉を信じて、購入したのでした。
そのアルバム・ジャケット、トレード・マークの黄金虫が描かれていますが・・・
アートワーク、写真撮影は、Jim Welch
イラストレーションは、今回もStanley Mouseとのことです。
レコーディングは、1981年4月~6月、バークレー Fantasy Studiosにて・・・
Journeyメンバーは・・・
Steve Perryリード・ヴォーカル
Neal Schonリード・ギター、バッキング・ヴォーカル
Ross Valoryベース、バッキング・ヴォーカル
Steve Smithドラムス、パーカッション🥁
そして新加入の ・・・
Jonathan Cainキーボード🎹、リズム・ギター、バッキング・ヴォーカル
エンジニアリング、ミキシングは、Mike Stone、Kevin Elson
アシスタント・エンジニアリングは、Wally Buck
マスタリングは、Masterdisk、Customatrixにて、Bob Ludwig
マネージメントは、Herbie Herbert、ロード・マネージャーは、Pat Morrow
プロデュースは、Mike Stone、Kevin Elson
ほぼ全曲、Steve Perry、Jonathan Cain、Neal Schon、3人の作品です。
A面1曲目、ピアノ🎹のイントロから、Steve Perryが歌い始める・・・
Don't Stop Believin'でスタート、Neal Schonのギターが入り・・・
そして盛り上がっていき、Steveの熱唱に続き、Nealのギター
そしてリフレインでフェイドアウト・・・彼らの意気込みを感じさせるナンバーです。
アルバムから第2弾シングルで、全米 No.9、全米メインストリーム・ロック No.8、1982年の全米年間シングル・チャート No.72、カナダ No.9、オーストラリア No.100、オランダ No.50、全英 No.62・・・邦題は最初「愛に狂って」
・・・でしたが、日本でもシングル発売時に「ドント・ストップ・ビリーヴィン」に
尚、後の時代になっても世界中でヒットを続け、全米ではトータル700万枚の売り上げ、日本でもCMに使われたりしています。
なんと言っても決定打は、T.V.番組glee、テーマ曲となり、glee Castによるシングルは、2009年、全米No.4、新たな世代の人たちにもポピュラーとなった
永遠のスタンダード・ナンバーでしょう。
2曲目、力強いギターのリフに、Steveが合わせて歌い始める・・・
Stone In Love、邦題は「お前に夢中」、ノリのいいパワフルなナンバー
途中、静まって、Nealのギターで再度盛り上がっていきます。
ライヴでは、定番、Jonathanもギター、後半、Steveがキーボード🎹
そんな姿が印象に残っています。
3曲目、ピアノ🎹のイントロから、ベースとともに最初静かに歌う Steve
Who's Crying Now、Steve Perry、Jonathan Cainの作品
ドラムスに合わせて、やや悲し気に盛り上がっていくメロディアスなナンバー
後半、Steveの歌からバトンを受けたNealのギター
ソロ、そしてリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米No.4、全米メインストリーム・ロック No.4、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.14、シングルでゴールド・ディスク獲得、1981年の全米年間シングル・チャート No.56、その他、カナダ No.3、オーストラリア No.65、ルクセンブルク No.29、そして全英 No.46・・・世界中でそれまでとは桁違いの大ヒットとなっています。
邦題は短縮で「クライング・ナウ」となっています。
4曲目、ハードなギターのカッティングからアップ・テンポに・・・
Keep On Runnin'、勢いよくノって、Steveが歌い・・・
他のメンバーがコーラスでバックアップ、そしてNealのギター
理屈抜きにストレートなロックン・ロールです。
5曲目、やや静まったところで、Steveがギターとともに優しく歌い始める・・・
Still They Ride、邦題は「時の流れに」、ピアノ🎹も心地よく入るバラード
そして、Nealのギターもフィーチャー、最後は静かにエンディング・・・
アルバムから第4弾シングルで、全米No.19、全米メインストリーム・ロック No.47、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.37となっています。
B面1曲目、ハードなギターのカッティングで、ハードなロック・ナンバー
Escape、タイトル曲、Steveの歌、コーラスも入り・・・
ロックン・ロール・ピアノ🎹も入り、ハードな音にマッチしています。
ギターも勿論、ドラムスもパワフルなナンバーです。
2曲目、歪ませたギターのイントロに、ドラムスが入ってきて・・・
Lay It Down、Steveが力強く歌うミディアム・テンポのロック
Nealは、速弾きのソロ等、随所で聴かせています。
3曲目、ドラムスから、ギターが入ることで、スピードアップ
Dead Or Alive、Nealのギターとかけ合うように歌うSteve
ピアノ🎹も軽快に、アルバム中、1番スピード感溢れるナンバー
そして、Nealが、しっかりギターで盛り上げます。
4曲目、一転してピアノ🎹とギターで静かに・・・
Mother, Father,、最初語るように歌い始めるSteve
Steve Perry、Jonathan Cain、Neal Schon、Matt Schonの作品
徐々に盛り上がっていき、ハードなロックに、Steveが熱唱
そして、Nealの泣きのギター、速弾きも聴かせます。・・・
後半、ドラムスが入るところで転調・・・最後は静かにエンディングです。・・・
5曲目、嵐の後の静寂といった感じでピアノ🎹、それに合わせてSteve
Open Arms、Steve Perry、Jonathan Cainの作品
優しく静かに歌われますが、徐々に盛り上げてロック・バラードに
Nealのギターも良い所に入り、最後は静かにフィナーレです。
アニメ―ション映画 Heavy Metalのサウンド・トラックに提供したナンバー
本作からも第3弾シングルとしてリリースされ、全米 No.2、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.7、全米メインストリーム・ロック No.35、シングルでゴールド・ディスク獲得、1982年の全米年間シングル・チャート No.34
カナダ No.2、1982年カナダ年間 No.21、ゴールド・ディスク獲得、オーストラリア No,43、ニュージーランド No.49・・・世界中で大ヒット
Journeyとして最大のヒット曲に、邦題は「翼をひろげて」でしたが・・・
こちらもシングル発売の際に「オープン・アームズ」と原題に・・・
日本でもポピュラーですが、2004年の映画「海猿」のテーマに使われたことでさらに知られるようになりました。
またMariah Carey(1996年、全英No.4)をはじめ、多くのアーティストがカバー
永遠のスタンダードと言えるでしょう。
尚、最初ヒットした当初は、プロモーション・ビデオがなく、「ベスト・ヒットUSA」等のテレビ番組では、映画Heavy Metalの映像が使われていました。・・・
CDの時代になり、2006年のリマスター盤には・・・
シングル Still They RideのB面 La Raza Del Sol
1981年の The Escape Tourのライヴ・ヴァージョン3曲
(Don't Stop Believin'、Who's Crying Now、Open Arms)
以上4曲が、ボーナス・トラックとして追加収録されています。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.1
レコード店のお兄さんの言葉通り、本当に遂にやりました。
全米年間シングル・チャート、1982年 No.6、1983年 No.34
全米でダイヤモンド・ディスク(1,000万枚突破)獲得
その他、カナダ No.6、トリプル・プラチナ・ディスク獲得、ニュージーランド No.36、西ドイツ No.59、全英 No.32・・・世界中でビッグ・セールス
そして、日本では、オリコン・アルバム・チャート No.26
Journeyが、スーパー・グループとして、その人気も定着したのでした。
このEscapeがリリースされた7月に、Journey、3度目の来日公演
前述の通り、当時は名古屋在だったのですが、直前になって、名古屋市公会堂での名古屋公演のチケットを入手
新生 Journeyのライヴを見ることができました。
Steve Smithのドラム・ソロから始まったライヴ
Steve Perryの登場から、大盛り上がり
Escapeからのナンバーは、4曲くらい、勿論日本初披露
最後のAnyway You Want Itまで、パワフルとなったJourneyを満喫しました。
前述のレコード屋のお兄さん、終演後に見かけました。
話しかけはしませんでしたが、大変感動した満足げな表情をされていました。
Joorney、ここで記しているようにEscapeがその後、ロング・セラーに
そして9ヶ月後の1982年4月、4度目の日本公演
今度は、初の日本武道館公演、この時は武道館2階スタンド席で見ましたが・・・
要するに、The Escape Tourは、最初と最後が日本だったということで・・・
この9ヶ月間でさらにビッグな存在となったJourneyを身をもって感じたのでした。
一方、このようなJourneyに対してよからぬ言葉も出てくるわけで・・・
渋谷陽一さんが、特に言っていた「産業ロック」という言葉・・・
要するに商業用の音楽ということで、「ロックとはそんなものではなかった・・・」
そういうことなのですが、このJourneyは、その最たるバンドに挙げられてしまいました。・・・
とはいえ、渋谷さんが好きだったREO Speedwagonも同じような人気でブレイクしたわけですし・・・
この当時、低迷していたKiss、Aerosmithも後になって、その路線でカムバックしてくるわけですから・・・
それも1つの時代の流れと言えるでしょう。
いずれにしろ、1981年に登場したJourneyのEscape
この時代を象徴する名盤であることは間違いないでしょう。