SUZiQ上映
先日、Linda RonstadtのThe Sound Of My Voiceを見た
新宿のシネマカリテ
同じシリーズとして、5月6日から、Suzi Quatroのドキュメンタリー映画
SUZiQ
期間限定上映とのことで、5月8日(日)
見に行ってきました。
自分が洋楽を聴き始めた1973年
Can The Canで大ブレイクしてきた人
当時の音楽雑誌gutsでの特集記事では・・・
皮のジャンプスーツの下は何も着ていない・・・
ベースを弾いているのは、2本の脚の間()にj響くから・・・
さらに露骨な歌詞・・・
当時中1の自分としては、かなり刺激が強い人と思っていましたが・・・
翌年、初来日、コンサートには行っていませんが
ミュージック・ライフ等の載った写真とかを見て、想像していたイメージより・・・
ずっと親しみを感じる人、そう思いました。
さてこの映画、やはりLinda Ronstadt同様、伝記のような内容ですが・・・
大きな違いは、この製作当時のSuzi自身が多く登場
彼女自身が語っている・・・そんなところでしょう。
デトロイトで、Linda Ronstadt同様、音楽一家に育つのですが・・・
10代前半で、姉Pattiらと、The Pleasure Seekersを結成
60年代に既にレコード・デビュー、ライヴも・・・
自分は、Suziが、若い頃から姉妹でバンドをやっていたとは聞いていましたが、せいぜいアマチュア・バンドの領域と思っていました。(苦笑)
ベースを弾いていたのもこの頃からです。
その後、一人だけRAK Recordsの創始者 Mickey Mostに見出され英国へ・・・
最初は苦労しますが、後に結婚するLen Tuckeyたち男性3人とのバンドとなり・・・
Can The Canのヒットで大ブレイク、全英No.1
そう、これが前述の1973年ですね。
尚、彼女とLenの曲もありますが、最大のヒットとなる Devil Gate Drive等
ヒット曲は、たいてい・・・Mike Chapman、Nickey Chinnの作品
全英、欧州諸国、豪州で大ヒットを続けますが・・・彼女の故郷、全米では・・・
Alice Cooper等のツアーで話題にはなりますが、今1つ・・・
一方、日本では大手レコード会社から出ていたこともあり大人気に
出す曲、出す曲、それなりの人気曲に・・・
そして、Len Tuckeyとの結婚ですが・・・
こちらは日本でも披露宴が行われました。
またお酒のCMでお茶の間でも馴染まれていました。
但し世界的にはヒットが途絶えていき、そんな時にT.V.シリーズ Happy Days
Leather TuscaderoというまさにSuziそのものの役で出演し人気に
全米で最大のヒットとなった Stumblin' Inもその頃(1978年)です。
’80年代になり、Mike Chapmanのレコード会社 Dreamlandと契約・・・
Rock Hardをリリース、思うように売れず、その後もヒットからは遠ざかり・・・
一方で、Len Tuckeyとの間に、2人の子供を設けるものの・・・
ロックから離れ、役者稼業中心となったことで、Lenは、Suziの下を離れていきます。・・・
2000年代に入り、コンスタントな活動を・・・
そして2019年には息子のRichard Tuckeyとアルバムを作っています。
・・・
Linda Ronstadtの映画同様、ここでも多くのミュージシャン等のインタビューが登場・・・
姉のPatti、元夫のLen Tuckey、Mike Chapman、作詞家のTim Rice・・・
ロック・ミュージシャンとしては、彼女に最も影響を受けたJoan Jett、Cherie Currie、Deborah Harry、Alice Cooper等・・・
共通して言っていることは、女性ロッカーの先駆者だった、ということと、出てくる時代が早過ぎたとのこと・・・
全米で今1つでしたが、Tim Riceが言っていた
「Can The Canは、MTVの時代なら、全米No.1になっていただろう・・・」
まさに・・・事実、彼女のフォロワーともいえる Joan Jettは同じようなスタイルで・・・1982年に I Love Rock 'n' RollをNo.1ヒットに
奇しくもこの曲のオリジナルのArrowsは、SuziをバックアップしていたMike Chapmanがプロデュースしていた・・・何とも皮肉に思います。
Pat Benatarと同じ時代に登場したら・・・また違っていたのでしょう。・・・
映画の後半、自分の故郷を訪ねるところがあり・・・
Suzi自身、自分が故郷を離れてから、母親、父親が亡くなってしまったことを悔やんでいて・・・もしそこに当時の自分がいたら・・・
「もう少しそこにいてあげて・・・」と言いたい、と、その場面にはジーンと来るものがありました。
映画は最後、ライヴでCherie Currieが歌う、Suziへのトリビュート・ソングで締められます。
そして、そのステージには、ベースを抱えたSuziも登場するのでした。
全米ヒット・チャート上では、やや不運だったかもしれませんが・・・
ここに登場した人たちが口を揃えて言っているように、当時として新しい女性ロッカーのスタイルを確立した、その功績は偉大であると思っております。
事実、Joan Jettは勿論、この映画にも少し登場した Chrissie HyndeもSuzi Quatroのスタイルから、Pretendersを結成したと言えるでしょう。
さて前述の通り、近年は息子さんとも音楽活動を行っているSuzi
70歳になってしまいましたが、まだまだお元気なようで・・・
もう少し落ち着いたら、また日本に来てくれないか
・・・そのように思っている次第です。