1980年のアルバム(その23 InTheHeatOfTheNight/PatBenatar)
1980年のアルバム・シリーズ
'80年代を象徴する女性ロッカー
この人が遂に登場
Pat Benatar
まさに'80年代幕明けと同時に日本にも紹介された・・・
そんな感じで登場
勢いよく登場したその曲とは・・・
Heartbreaker
このストレートでハード、さらに女性であるセクシーな部分も
よく記しているように、1980年の春ごろ、自分は精神的に病んでいる時期・・・
そんな時に聴いたこの曲は、何か色々吹き飛ばしてくれるようで・・・
気持ちよく思ったものです。
日本では、大手レコード会社から出たので、ラジオ等でのオンエアーも多く
ハードで力強い歌、その一方で特別美人ではないけど、人を惹きつける容姿
ちょうど同じレコード会社から出ていた当時大人気のBlondie
そのDeborah Harryとはまた違った魅力で、あっという間に話題は広まっていきました。・・・
Heartbreakerをフィーチャーしたファースト・アルバム
、タイトルは・・・
In The Heat Of The Night
よく使われるタイトルですが、イメージには合っていると思われます。
「真夜中の恋人達」の邦題で、日本発売となりました。
アルバムのレコーディングは、1979年6月~7月
カリフォルニア州、グレンデール MCA Whitney Studiosにて・・・
メンバーは・・・
Pat Benatarリード・アンド・バッキング・ヴォーカル
Neil Giraldリード・ギター
、キーボード🎹、スライド・ギター、バッキング・ヴォーカル
Scott St. Clair Sheetsリズム・ギター
Roger Cappsベース、バッキング・ヴォーカル
Glen Alexander Hamiltonドラムス
Pat BenatarとパートナーのNeil Girald
(当時はまだ結婚していない・・・)
この2人を中心とした5人編成のバンドの形体です。
マスタリングは、Steve Hall
プロデュースは、曲によって、Peter Coleman、Mike Chapman
です。
A面1曲目、パワフルにドラムスが響いて、ギター
、そして・・・
Heartbreakerでスタート
、いきなりパワフルに熱唱する Pat
オリジナルのように思われていますが、1978年に英国の女性シンガー
Jenny Darrenが、アルバム Queen Of Fools
に収録していたナンバー
Geoff Gill、Cliff Wade
の作品
"You're The Right Kind Of Sinner~"の部分はハイトーンで
彼女の音域の広さを感じ・・・
"Heartbreaker, Dream Maker, Love Taker~"とサビの部分はインパクトが強く
彼女の歌だけになるところも・・・
後半は、SpiderことNeil Giraldo
のギター
がフィーチャー
そのギターを中心にパワフルにドラマチックにエンディング
前述の通り、アルバムからのシングルとして、全米 No.23
、カナダ No.18
、ニュージーランド No.14
、オーストラリア No,95
、全世界でスマッシュ・ヒット
1980年の全米年間チャート No.83、プロデュースは、Peter Coleman
永遠のハード・ロック・スタンダードとなっています。
2曲目、ポップな曲調のギターのイントロから・・・
I Need A Lover、そう、勿論、John Mellencamp
の作品
当時、Johnny Cougarと名乗っていて、アルバム John Cougar
収録
彼自身もシングルとしてもリリース(1978年、全米 No.28
)
ここでは、オリジナルに忠実ですが、途中、かなりシャウト気味にも歌い・・・
後半は、Neilのギター
の速弾きも
・・・プロデュースは、Mike Chapman
シングルとしてリリースされた国もあり、ベルギー No.28、オランダ No.31
尚、Johnも Pat
もこの後、'80年代を代表するスーパースターに
何か因縁を感じますね。
3曲目、ギターのカッティングから、Patが静かに歌い始める・・・
If You Think You Know How To Love Me
そう、Smokieのヒット曲として、日本でもお馴染み
、邦題は「明日の恋」
(1975年、全英 No.3、全米 No.96
、アルバム Changing All The Time
収録)
Mike Chapman、Nicky Chin
の作品
オリジナルに忠実ですが、Patはかなりハードにパワフルに歌い・・・
Neilは、かなり繊細なギター・ソロも・・・プロデュースは、Mike Chapman
オリジナルと同じことになりますね。
実は、これが、最初のシングル・リリース(デビュー・シングル)だったのですが・・・
チャート・インしませんでした。・・・
4曲目、ドラムス、ベースが、スローなビートを刻み・・・
In The Heat Of The Night、アルバム
のタイトル曲
、「真夜中の恋人達」
リズムに合わせて、静かに歌い始める Pat
オリジナル曲かと思いきや、オリジナルは、こちらも Smokie
1977年の彼らのアルバム Bright Lights & Back Alleys収録
Mike Chapman、Nicky Chin
の作品
、プロデュースは、Mike Chapman
Patの熱唱
に続いて、スライド・ギター・ソロ
約5分30秒と、アルバム最長のストーリー性のあるナンバーです。
5曲目、ピアノ🎹の美しいイントロから、優しくPatが歌う・・・
My Clone Sleeps Alone、一転してアップ・テンポに
バンドのベーシストの Roger Capps、Pat Benatar
の作品
'60年代を思わせるポップなナンバー、ここでも熱唱で盛り上げます。
プロデュースは、Peter Colemanです。
B面1曲目、ドラムスの一撃から、キーボード🎹、ギターによるイントロ・・・
We Live For Love、Spider
こと Neil Giraldo
の作品
Blondieの Heart Of Glass
を思わせるノリのいいナンバー
Patも軽快に歌い、サビの部分は、ハイトーン
・・・
アルバムから、Heartbreaker
に続いて、シングル・リリース
全米 No.27、カナダ No.8
、ニュージーランド No.26
、オーストラリア No.28
、フランス No.35
・・・世界中で大ヒット
、邦題は「愛にまかせて」
です。
2曲目、ハードなギターのイントロで始まる軽快なナンバー
Rated X、Nick Gilder
のデビュー・アルバム You Know Who You Are
収録
Nick Gilder、James McCulloch
の作品
Stonesを思わせるところもある軽快なポップなロック・ナンバー
シングル・リリースされた国もあり、フランスでは、No.28
尚、Nick Gilderは、同じレコード会社(Chrysalis)でした。・・・
3曲目、一転して静まったところで、ギターのピッキングをバックに歌う・・・
Don't Let It Show、なんと The Alan Parsons Project
のナンバー
1977年のアルバム I Robotに収録
、邦題は同じく「何も見たくない」
Alan Parsons、Eric Woolfson
の作品
叙情的なムードからパワフルな展開に、後半ではギター
もフィーチャー
Alan Parsonsといえば、どちらかと言えば、プログレッシヴ・ロック
それを自分の歌にしているPatの歌
はインパクトがあります。
4曲目、再びハードなギターのイントロから・・・
No You Don't、Sweet
のナンバー
、彼らのセカンド・アルバム
Sweet Fanny Adamsに収録
、Mike Chapman
、Nicky Chin
の作品
Heartbreakerに次ぐハードなナンバー
、ドラムス
もパワフルに・・・
そのような中、Patは熱唱
後半、速弾きのギター・ソロもフィーチャーされます。
5曲目、ギターのカッティング音に、キーボード・・・
So Sincere、Roger Capps
、Pat Benatar
の作品
ここではPat、ギターに合わせて、珍しく甘い声
で歌います。
途中からアップ・テンポに・・・コーラスは、Patの多重録音・・・
ここでも、Spiderのギター・ソロ
が、フィーチャー
最後は、彼のギターとともにエンディングとなります。
尚、B面5曲、プロデュースは、Peter Colemanです。
全米アルバム・チャート最高位 No.12
これだけでも、デビュー・アルバムとしては、なかなかの好成績ですが・・・
ロング・セラーとなり・・・
1980年の全米年間アルバム・チャート No.7
なんとウィークリー・チャートを上回り、プラチナ・ディスク獲得
その他、カナダ No.3、ニュージーランド No.8
、オーストラリア No.25
、フランス No.20
、全英 No.98
・・・早くも世界中でブレイクの兆しです。
本デビュー・アルバム
全10曲中、オリジナル曲は、たった3曲
残り7曲はカバー曲、しかもかなり有名どころのものばかりなのですが・・・
それでも、ここに聴かれるのは、オリジナリティーを感じさせるPat Benatar
それだけ、彼女のインパクトの強さを物語っているでしょう。
Heartbreaker、We Live For Love
は、もっとチャートの上位に上がった
・・・
そんな気もしているのですが・・・(笑)
それは、その後、'80年代のロックの女王として君臨する Pat Benatar
その代表曲として、定着したからでしょう。・・・
ビジュアル的にも受けがいいPat Benatarは、引っ張りだこに
そして次に彼女が話題となるのは映画 Roadieのサウンド・トラック
にも使われた The Young Rascals
のカバー You Better Run
で・・・となるでしょう。
1980年、まさにロック界の女王、Pat Benatarにとって元年
そんな時代だったように思い出されます。・・・
ロック界きってのおしどり夫婦と言える・・・
Pat Benatar、Neil Giraldo
現在もご活躍中ですが・・・
日本公演は、過去1回しかありません。・・・
この状況が落ちついたら、是非、また来てくれないかな・・・
そんな期待も抱いている次第です。