1980年のアルバム(その19 Hydra / TOTO)
1980年のアルバム・シリーズ
Airplayが登場したところで、そこにもメンバー4人が参加している・・・
TOTO
何せファースト・アルバムが、大人気に
さすがスタジオ・ワークで培われた人たちの集まりだけに完成度も高い
最初から名盤と言える作品でした。
・・・ということで、勿論、次の作品への期待が高まるのですが・・・
1年以上の時を経て、1979年年末、まさに70年代最後の最後に遂に登場
タイトルは・・・
Hydra
「ハイドラ」というのは、「ギリシャ神話」に登場する9つの首をもつ怪物のこと・・・
・・・ということで、テーマもプログレッシヴ・ロックのバンドみたい・・・
それからも大いに期待されたのでした。
そして、タイトル曲をはじめ、発売が近づくにつれ、ラジオ番組等で紹介され始め・・・とにかく、カッコいい
単純にそう思い始めていました。
そして日本発売・・・
「待ちに待った・・・」といった多くの音楽ファンが飛びついたことは言うまでもないでしょう。・・・
尚、本作品、1979年か、1980年か迷ったのですが・・・
1980年になって、99が大ヒットそれを機に売れ始め・・・
ロング・セラーとなったので、1980年のアルバムとさせていただきました。
アルバム・ジャケットは、TOTOのトレードマーク「剣」を持った男性
アート・ディレクションは、Jim Hagopian、Tony Lane、そして Jeff Porcaro
デザインは、Phillip Garris、写真撮影は、Jim Hagopian
タイトル文字は、Mike Manoogian
そのようにクレジットされています。
レコーディングは、1979年1月、カリフォルニア州、ロスアンゼルス
Sunset Sound、Reggie Fisher Recordingにて・・・
TOTOメンバーは・・・
Bobby Kimballヴォーカル
Steve Lukatherギター、ヴォーカル
David Paichピアノ🎹、キーボード、ヴォーカル
David Hungateベース、ギター
Steve Porcaroキーボード、シンセサイザー・プログラミング
Jeff Porcaroドラムス、パーカッション🥁
以上、前作と同じ6人
その他参加ミュージシャンは・・・
Lenny Castroパーカッション🥁
Michael Boddickerキーボード、シンセサイザー
Roger Linnシンセサイザー
そして、David Paichの父親、Marty Paichストリング・アレンジメント
マネージメントは、The Fitzgerald Hartley Co.
マスタリングは、David Donnelly
エンジニアリング、ミキシングは、Tom Knox、Dana Latham
アシスタント・エンジニアリングは、Stephen McManus
そしてプロデュースは、Tom Knox、Reggie Fisher、TOTOです。
A面1曲目、機材のスイッチが入れられたというところでしょうか・・・
シンバル音とともにピアノ🎹がフェイドイン、徐々にハードなサウンドに・・・
Hydra、アルバム・タイトル曲でスタート
David Hungate、Bobby Kimball、Steve Lukather、David Paich、Steve Porcaro、Jeff Porcaro、メンバー6人全員での共作
リード・ヴォーカルは、David Paich、パワフルなリズムをバックに・・・
曲のテーマ通り、ストーリーを語るように歌います。
そして力強いギターのフレーズ、そのリフレイン
メンバーのコーラス、効果的に入るシンセサイザー・サウンド・・・
この神話のテーマをパワフルに盛り上げていきます。・・・
後半、Steve Kukatherのギター・ソロ、これは圧巻
最後は静かにフェイドアウト・・・1曲目から大作です。
2曲目、ピアノ🎹が力強く連打され、ベース、ドラムスが入り・・・
St. George And The Dragon、David Paichの作品
リード・ヴォーカルは、Bobby Kimball、前曲に続くような内容・・・
ギター、ドラムスの入り方、キマッて、パワフルなロックに
メンバーのコーラスが、Bobby の歌をバックアップします。
シングル・リリースされた国も多く、日本では、来日記念シングルとして発売
因みにラジオ番組の新譜紹介で1番最初に聴いたのがこの曲でした。・・・
3曲目、一転して流れるような美しいピアノ🎹から・・・
99、David Paichの作品、リード・ヴォーカルは、Steve Lukather
優しく悲し気に歌われ、途中入るシンセサイザー音が効果的
後半は、硬質のギターが、フィーチャーされ、静かにエンディング・・・
アルバムから、第1弾シングル(日本では、St.George~が第1弾・・・)
全米 No.26、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.26、カナダ No.17
オーストラリア No.97、ニュージーランド No.11・・・日本でも大ヒット・・・
とまでは、行きませんが、初来日公演でもプレイされ、またPVが、オーディオ機器のCMに使われたこともあって、大人気曲に
尚、元々は、George Likasのフィルム THX1138にインスパイアされたもので・・・
"99"とは女性名、Steve Lukatherは、この当時ならMarie Currieさんを思って歌っていたのでしょうか。・・・
4曲目、続いてややアップ・テンポのピアノ🎹から、静かに始まる・・・
Lorraine、David Paichの作品で、リード・ヴォーカルもDavid Paich
サビの部分は、ハードな展開に、ストリングスがダイナミックに加わり
Bobby Kimballが、パワフルにコーラスでバックアップ
後半は、パワフルなプレイに歌が絡んで、そのリフレイン・・・
盛り上がってフェイドアウトしていきます。・・・
尚、このA面を聴き終えて、これは大作と思いました。
B面1曲目、ドラムスの一撃から、ピアノ🎹、ギター、パワー全開で・・・
All Us Boys、David Paichの作品
アップ・テンポで最初から飛ばしているナンバー
リード・ヴォーカルは、David Paich、Bobby Kimballがバックアップ
サビの部分で少しスローになるところなど、よくできたナンバー
メンバーのコーラスに続いて、Steve Lukatherのギター・ソロ
この速弾き、多くのギター少年を感動させました。
大いに盛り上がり、最後はやはり、Jeff Porcaroのドラムスで決まります。
アルバムから、シングル・リリースされましたが・・・
チャートには登場しませんでした。・・・
2曲目、一転して、シンセサイザー音もフィーチャー、俗に言うAOR風イントロから・・・
Mama、David Paich、Bobby Kimballの作品
リード・ヴォーカルは、Bobby Kimball、ソウルフルに熱唱
間奏部分では、ピアノ🎹から、ギターも入り、かけ合いに・・・
後半は、Bobbyの歌も入り、そのリフレインでフェイドアウトしていきます。
3曲目、ノリのいいピアノ🎹が響き、ハードなロック・サウンドへ
White Sister、David Paich、Bobby Kimballの作品
リード・ヴォーカルは、Bobby Kimball、今度はパワフルにノッて歌い・・・
ハードなサウンドの中、ピアノ🎹をブリッジに・・・やはり、Steve Lukather
ギター・ソロ、最後にもう1度登場
Jeff Porcaroのドラムスに合わせてフェイドアウトしていきます。・・・
4曲目、静まったところへシンセサイザー音、それからピアノ🎹・・・
A Secret Love、David Paich、Bobby Kimball、Steve Porcaroの作品
リード・ヴォーカルは、Bobby Kimball、ピアノ🎹をバックに熱唱
シンセサイザー等、効果的に入り、ドラマチックに・・・
アルバムは、最後は静かにエンディングとなりました。・・・
全米アルバム・チャート最高位 No.37
予想外といった感じで、最初は振るわなかったのですが・・・
前述の通り、1980年になって、99がヒットしたこともあり、ロング・セラーに
全米でゴールド・ディスク獲得
1980年の全米年間アルバム・チャート No.67にランクされました。
その他の国では、ノルウェーで No.1、フランス No.4、カナダ No.10
スウェーデン No.15、オランダ No.21、フィンランド No.23、ニュージーランド No.29、西ドイツ No.38、オーストラリア No.41、スイス No.52・・・
世界各国でヒット・アルバムとなりました。
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.28
初来日公演決定
そしてまさに「ミュージシャンズ・ミュージシャン」といった感じで、音楽関係者まで注目しているTOTOの待望のアルバムということを示しているでしょう。
そのTOTOの初来日公演
1980年2月~3月、日本全国を縦断といった感じで行われました。
尚、この時期、よく記しているように、自分は精神的に病んでいる時期で、コンサートどころではありませんでしたが・・・
Hydraから始まったそのライヴ、メンバーは若いものの、スタジオ・ミュージシャンとして百戦錬磨の人たちが、揃っているだけに、さすがと言えるものだったようです。
当時、平日の夕刻18時くらいからライヴを放送している、オーディオ会社がスポンサーの番組があり、そこでTOTO来日公演が、毎日15分くらい、1週間(5日間)放送され、それを見ることができたのでした。
ライヴでのメンバーのパワーを感じる Hydra から、Bobby がソウルフルに熱唱する Mama、人気曲 99は、Steve Lukatherがじっくり聴かせ、Hold TheLineの時、受話器☎を持っておどけていたDavid Paichの姿が印象に残っています。5日間の最終日は、圧巻のAll Us Boysでした。・・・
さてこのHydra
これほどまでの力作にも関わらず、全米チャート上は、前作ほど売れなかった・・・
それが理由かどうかはわかりませんが、TOTOのメンバーは、バンド活動に専念することなく、日本公演を終えた辺りから、メンバーは、再びスタジオ・ミュージシャンとしての活動も並行して行うようになりました。
・・・で、先ず話題となったのは、Boz Scaggsの新作 Middle Man(このシリーズにも近日登場予定・・・)でしょう。
そして、Jeff Porcaro、Steve Lukatherは、この年のBoz Scaggsの全米ツアー・メンバーとしても同行することになったのでした。・・・
・・・
今回は、この当時のことを中心に記していますが、いずれにしろ、TOTOとしての活動もさておいても、彼らが80年代音楽シーンにおいて如何に影響力の存在であったかは紛れもないことでしょう。