1980年のアルバム(その3 Glass Houses / Billy Joel)
1980年のアルバム・シリーズ
'70年代後期から、'80年代へ
そんな時代のスーパー・スターと言えば、この人
Billy Joel
1978年、1979年と、同シリーズのトップ・バッター
1980年も3番手として登場です。
その Billy Joel、ニュー・アルバムのタイトルは・・・
Glass Houses
ちょうど日本で発売前に、FMで紹介されていた番組を聴きました。
番組名は忘れましたが、いつもBilly Joelのアルバムの解説を書いておられる鈴木道子さんが出演されていて、この新作についても解説されていて・・・
今回は、ニュー・ウェイヴ・シーンに対抗すべく()シンプルなロック・ナンバーが中心となっている・・・
Billyといえば、兎に角、"Piano Man"
そして特に日本では、Just The Way You Are、Honestyが大人気ですが・・・
自分自身、この人は、ロッカーと思っているので、このアルバム
嬉しく思いました。
日本では「グラス・ハウス」のタイトルで発売
タイトル通り、ガラスの家に、Billyが石を投げようとしているジャケット写真
これも話題になりましたが、撮影は、Jim Houghtonとのことです。
レコーディングは、1979年、ニュー・ヨーク・シティ A&R Recordingにて・・・
Billy Joelヴォーカル、ピアノ🎹、シンセサイザー、ハーモニカ、アコーディオン・・・
バンド・メンバーは・・・
Richie Cannataオルガン、サックス🎷、フルート
David Brownリード・ギター、アコースティック・ギター
Russell Javorsリズム・ギター、アコースティック・ギター
Doug Stegmeyerベース
Liberty DeVittoドラムス、パーカッション
今回は、このメンバーだけでのレコーディングです。
エンジニアリングは、Jim Boyer
アシスタント・エンジニアは、Bradshaw Leigh
マスタリングは、Sterling Soundにて、Ted Jensen
プロダクト・マネージャーは、Jeff Schock
アシスタント・プロデューサーは、Michele Slagter
そして、プロデュースは、勿論、Phil Ramone
全曲、Billy Joelの作品です。・・・
A面1曲目、ガラスの割れる音から・・・ギター中心のロック・サウンドへ・・・
You May Be Rightでスタート
前作のBig Shot同様、パワフルなナンバー
歌詞にも出てくる通り、バイク🏍好きのBillyらしいノリで歌います。
そして、ギター、サックス🎷のソロ・・・
最後はコーラスのリフレインにハーモニカも加わります。・・・
邦題は「ガラスのニューヨーク」
アルバム・タイトルと、最初のガラスの割れる音から取られたのでしょう。(笑)
アルバムから第1弾シングルで、全米 No.7、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.48、1980年の全米年間チャートでは、No.75
全米では、シングルで、ゴールド・ディスクに輝いています。
カナダ No.6、オーストラリア No.28、ニュージーランド No.23、南アフリカ No.14・・・世界中で大ヒット
そして日本、オリコン・チャート No.60
CMにも使われ、Billyを代表する1曲となっています。
2曲目、プッシュホンの音から、続いてもハードなロック・サウンドへ・・・
Sometimes A Fantasy、パワフルに熱唱する Billy
電話でのシチュエーションということで、邦題は「真夜中のラブコール」
終始、パワフルなロックで最後はギターがフィーチャーされフェイドアウト・・・
アルバムから第4弾シングルで、全米 No.36、カナダ No.21
尚、その際、作られたBillyが電話をかけているPV、当時よく放映されていましたし、シングル・ヴァージョンの方が長くなっていました。・・・
3曲目、軽快にアコースティック・ギターが響き・・・
Don't Ask Me Why、軽快に歌うBilly
元々アコースティック・ギターをフィーチャーしたナンバーも色々ありましたが・・・
ここでは、ややラテン・フレイバー
間奏部の手拍子と合わせてのラテン風のピアノ🎹は聴きものです。
アルバムから第3弾シングルで、全米 No.19
そして全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、堂々No.1
その他、カナダ No.4、カナダAC No.1、オランダ No.42、フランス No.42
地味ながら世界中で大ヒット
Billyのライヴでは、ステージ上にローディが登場して・・・
いつも手拍子を行なっています。
4曲目、軽快にシンプルなビートが響き・・・
It's Still Rock And Roll To Me、そう、シンプルな演奏をバックに・・・
Billyが思いを込めて力強く歌うロックン・ロール・ナンバー
サックス・ソロ🎷は聴きもの、軽快なドラムスキマっています。
邦題は「ロックンロールが最高さ」
"Everybody's Talkin' 'Bout The New Sound Funny, But It's Still Rock And Roll To Me~"、まさにその通りでしょう。
アルバムから第2弾シングルで、全米 No.1
そう、Billy Joelとして初の全米No.1に輝いたナンバーです。
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.45
1980年の全米年間チャート No.9、オールタイム・チャート No.303
シングルでダブル・プラチナ・ディスク獲得
カナダ No.1、全英 No.14、アイルランド No.11、オーストラリア No.10、ニュージーランド No.21、フランス No.61・・・世界中で大ヒット
尚、ライヴでは、いつも本編の最後の方でプレイされますが、日本ではどうもいつも盛り上がりが今一つのような気がしています。(苦笑)
5曲目、ピアノ🎹の連打からノリのいいロック・サウンドへ・・・
All For Leyna、邦題は短縮形で「レイナ」
典型的な Billy Joelサウンドというべき、ノリのいいナンバー
途中のシャウト気味の歌もBilly Joelならでは
シンセサイザーも少しフィーチャーされます。
英国では、第1弾シングルで、全英No.40
日本その他の国でも、シングルとしてリリースされました。・・・
B面1曲目、ドラムス、パーカッション類が軽快に、レゲエ風・・・
I Don't Want To Be Alone、ややリラックスしたムードで歌うBilly
ピアノ🎹をバックに、サビの部分は、Billyならでは
サックス🎷のソロ・パートは心地よく響き・・・
最後はポップな曲調に・・・邦題は「孤独なマンハッタン」です。
2曲目、テレビ番組の放映が終わり、信号音に・・・そこからハードなロック
Sleeping With The Television On、アップ・テンポでパワフルに歌う Billy
ギターのカッティング音等、ニュー・ウェイヴといったサウンド・・・
"All Night Long~"のコーラス、後半はシンセサイザーも挿入されます。・・・
邦題は「チャンスに賭けろ」、歌詞の内容からそうなったのでしょう。・・・
因みにこの時代、1人の時はテレビをつけっ放しで寝ることもありました。(笑)
3曲目、アコースティック・ギター中心の静かなイントロから・・・
C'Etait Toi (You Were The One)、フランス語のタイトル
このアルバムの中では、少ないミディアム・テンポのバラード
アコーディオンも叙情的に入り、セカンド・ヴァースは、フランス語で歌われます。・・・
後半はエレクトリック・ピアノ🎹の中心で、フェイドアウトしていきます。
邦題は「愛の面影 (セテ・トワ)」
実は、日本では、これがシングル発売されると思っていました。・・・
4曲目、一転してドラムスから、再びハードなロック
Close To The Borderline、邦題は短縮で「ボーダーライン」
エレクトリック・ギターに合わせて、ノリよく歌うBilly
サビの部分はメロディアス、後半は、ギター・ソロもフィーチャーされます。
5曲目、ピアノ🎹と、アコースティック・ギターのイントロから・・・
Through The Long Night、三拍子に合わせて優しく歌うBilly
サビのコーラス部分は、Billyの多重録音のよう・・・
Paul McCartneyを思わせるとことも・・・最後は静かにエンディング・・・
子守歌のようにも聴こえるナンバー・・・
以降のBillyのアルバムは、このように静かなナンバーで終わることが多かったようです。・・・
ここに登場した通り、Bob Seger~のAgainst The Windに代わって・・・
全米アルバム・チャート 6週間連続 No.1、全米で、700万枚突破
1980年の全米年間アルバム・チャートでは、No.4 (1981年は、No.64)
全英 No.9、カナダ No.1、オーストラリア No.2、ニュージーランド No.6、フランス No.21、西ドイツ No.24、オーストリア No.4、スイス No.16、オランダ No.20、アイスランド No.1、ノルウェーNo.2、スウェーデン No.6、スペイン No.27、ジンバブエ No.3・・・
そして、我が日本、オリコン・アルバム・チャート No.6
さすが、Billy Joelといった感じです。
そして、1980年、第23回グラミー賞で、男性ロック・ヴォーカル部門で受賞
3年連続、グラミー賞受賞となりました。
尚、Album Of The Yearでもノミネートされていましたが・・・あの Christopher Crossが受賞、2年連続受賞とはなりませんでした。・・・
前にも投稿させていただきましたが、1980年の春ごろというのは、自分は精神的に病んでいた時期・・・
そのような時に登場したのが、この Glass Houses
ストレートなロックン・ロール中心のアルバムは、そんな時期の自分に新鮮に響き、特に It's Still Rock And Roll To Me
まさにその通りと大きな感銘を受けたナンバーとなりました。・・・
この少し後と思いますが、サザンオールスターズの桑田佳祐さん
「Billy Joelは、今、1番のスターじゃないか・・」と言っておられました。
「私はピアノ」の中に Billy Joelの名前は出てきますし・・・
特にこのGless Housesからの影響を多々感じる サザンオールスターズの楽曲も多いように思っています。・・・
自分自身、Billy Joelにどっぷりハマったのは、このGlass Housesからと思いますし、約1年後の1981年4月、日本武道館で初めて Billy Joelのライヴ参戦
そのスーパースターぶりを満喫しました。
The Stranger、52nd Street、Glass Houses
この3枚、向かうところ敵なしといった感じで、 Billy Joelの最初の王道
そのように思っています。