1979年のアルバム(その80 Secrets / Robert Palmer)
1979年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位に準じているので、続いては最高位No.19
そして80番目ということで、このシリーズ初登場
Robert Palmer
映画スターのような2枚目でダンディ
・・・にも関わらず、Paul Rodgersを思わせるソウルフルなロック・シンガー
そんなイメージですが・・・
元FreeのAndy Fraser作による Every Kinda Peopleが、本国英国より、全米で大ヒット、一躍一般人気に
そして、そのEvery~収録のDouble Funに続く新作が・・・
Secrets
アルバムからの先行シングル Bad Case Of Loving You (Doctor, Doctor)
この曲がチャートを急上昇
理屈抜きにストレートなロックン・ロール
Robert PalmerもPaul Rodgersのようにパワフルに熱唱
そんなノリもいいナンバーだけに、ラジオでもガンガン、オン・エアーされてきました。
日本でも人気が出てきて、この状況も然りだったのですが・・・
日本発売の際の邦題が、何と
「想い出のサマー・ナイト」
何とGreaseのJohn Travolta & Olivia Newton-Johnと同じようなタイトル
最初、某ラジオ番組の新譜紹介で聴いた時、タイトルを間違えられた・・・
そのようにも思いましたよ。(苦笑)
レコーディングは、バハマ、ニュー・プロヴィデンス Compass Point Studios
Robert Palmerヴォーカル
メンバーは・・・
Pierre Brockベース、Dony Wynnドラムス、Kenny Muzurギター
キーボード🎹は、Steve Robbins、Jack Waldman
マスタリングは、The Sound Clinicにて、John Dent
レコーディング、ミキシングは、Compass Point Studiosにて、Karl Pitterson
アシスタント~は、Benjamin Armbrister、Kendall Stubbs
プロデュースは、Robert Palmer
アルバム・ジャケット、アート・ディレクション、写真撮影は、Graham Hughes
カバー・コンセプト、デザインは、Susan Palmer
髭を剃っているポーズもダンディぶりを示しています。
A面1曲目、ドラムスからギター、ストレートなロックン・ロール
Bad Case Of Loving You (Doctor, Doctor)
Moon Martinの作品、ノリノリに熱唱、途中のギターもロックン・ロール
前述の通り、第1弾シングルで、全米 No.14、全英 No.61ですが・・・
なんとカナダでは、No.1、フランス No.9、オーストラリア No.13、ニュージーランド No.20、ベルギー No.19、オランダ No.27・・・世界中で大ヒット
それにしても歌詞に、"Hot Summer Night~"と出てくるからでしょうが、邦題が「想い出のサマー・ナイト」とは・・・(苦笑)
作者の Moon Martinのアルバム Shots From A Cold Nightmareに収録
当時、話題のロッカーでしたが・・・大ブレイクとまではいかなかったようです。・・・
2曲目、少しスローになって、レゲエのビート・・・
Too Good To Be True、Robert Palmerの作品、邦題は「翔んでる女」
歌は、(恐らく)多重録音ですが、ギターのレゲエ風カッティングをバックに熱唱です。
3曲目、ピアノとギターの力強いイントロから・・・
Can We Still Be Friends、そう、Tood Rundgrenの作品
彼のアルバム Hermit Of Mink Hollow収録で、シングルとしてもヒット(1978年、全米No.29)しています。
そのような名曲ですが、ここでは力強い楽曲に
そして、シンセサイザーも効果的に挿入されています。
このRobert Palmerのカバー・ヴァージョンも、第2弾シングルとしてリリースされ、全米 No.52、オランダ No.32・・・日本ではこちらの方がポピュラーかもしれません。・・・
尚、邦題は、オリジナルのTodd~その他のカバー等では、「友達でいさせて」ですが・・・ここでは「愛の絆」になっています。
4曲目、ギターから、レゲエ風のオルガンがフィーチャーされ・・・
In Walks Love Again、Robert Palmerの作品、邦題は「ラヴ・アゲイン」
リラックスしたムードで歌われ・・・
オルガン、その他のキーボード類が効果的に入ります。
5曲目、ベース音が響いて、それからレゲエのビートに・・・
Mean Ol' World、そう、こちらも Andy Fraserの作品
ややメロウな感じに歌われ、Andy~の作品だけにベース中心に・・・
ギターも効果的に挿入されます。
B面1曲目、エフェクターを効かせたギターから・・・
Love Stop、John Davidの作品
力強いミディアム・テンポのロック・ナンバー
ギター、ピアノ等、パワフルな歌をバック・アップしています。
2曲目、軽快なギターのカッティングから・・・
Jealous、Jo Allenの作品
シンプルなビートに合わせて、パワフルにノリのいいナンバー
サビの部分は熱唱、ギターは(この時から見ても)オールディーズ風です。
多くの国ではシングル・リリース、全米 No.106、カナダ No.31となっています。
3曲目、Stones風のギターのカッティングから・・・
Under Suspicion、Dennis Linde、Alan Rushの作品
全般的にギターが盛り上げ、熱唱途中のコーラスも印象的です。
4曲目、ギターその他がスピーディーにフェイドイン・・・
Woman You're Wonderful、Jo Allen、Robert Palmerの作品
スピード感溢れ、それだけに歌に緊迫感も
ギター、シンセサイザーもフィーチャー、ベース音も印象的です。
邦題は「ユー・アー・ワンダフル」です。
5曲目、一転して再びレゲエのビート・・・
What's It Take、Robert Palmer の作品
ややトロピカルなムードにも聴こえる音をバックに・・・ソウルフルに熱唱
歌は多重録音と思われます。・・・
尚、第1弾シングルとなった国もあり、フランス No.9、西ドイツ No.19、ベルギー No.21・・・といったヒットとなっています。
6曲目、エフェクターを効かせたノリのいいギターのイントロから・・・
Remember To Remember、Robert Palmerの作品
ノリよく歌われるポップとも言えるロック・ナンバー
ベースの弾むような音が楽曲を盛り上げ、最後はオルガン中心にフェイドアウト・・・
アルバムは幕を閉じます。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.19、全英 No.54
オーストラリア No.23、ニュージーランド No.39、オランダ No.42・・・
世界各国でベスト・セラーに
それまでのアルバムの中で最高のヒット作となりました。
バハマでレコーディングということもあってか、レゲエ風なサウンドも多く、心地よく聴こえるサウンドの中にも、Robert Palmer のソウルフルな歌に圧倒される・・・そんな傑作アルバムと思っています。
尚、日本でも、Robert Palmer のネーム・バリューは、かなり大きくなりました。
さてRobert Palmer は、'80年代にかけて、さらにヒットを続けると思われたのですが・・・
この Secretsを1つのピークとして、少し大人しい感じにはなってしまいますが・・・
まさか、'80年代半ばに、あのような形で大ブレイクしてくるとは
この時は想像もしなかったでしょう。・・・
そして、2003年、あんなに早く急に旅立ってしまうとも、思わなかったでしょう。・・・
1979年、'80年代以降のRobert Palmer の華やかなスタート地点は、実はここから・・・そんなアルバムが、この Secretsと言えるでしょう。