1979年のアルバム(その58 Dionne / Dionne Warwick)
1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位 No.12ということで・・・次は、大御所が初登場
Dionne Warwick
'60年代は、Burt Bacharach、Hal David
の作品を立て続けにヒットさせていた Dionne
ですが・・・
1974年に、The Spinnersとの共演で、Then Came You
が、全米No.1
それ以外は大きなヒットは途絶え、正直、’60年代の人といったイメージであることは否めませんでした。(失礼)
そんな中、再起をかけてというか、Aristaレコードに移籍
Aristaといえば、1番のスター
は、そう・・・
Barry Manilow
その Barry Manilowプロデュースの下、レコーディング
アルバム・タイトルは、ズバリ・・・
Dionne
1972年、Warner Brothers時代にも同タイトル
のアルバム
をリリースしていますが、Arista
で心機一転というところなのでしょう。
そして、同時にシングル I'll Never Love This Way Againがチャートを上昇
上記の Then Came You以来の大ヒットに
「涙の別れ道」の邦題で、日本でもリリースされました。
レコーディングは、1978年~1979年
カリフォルニア州、ハリウッド United Western Studiosにて・・・
Barry Manilowの One Voice
と同じです。
Dionne Warwickリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
Barry Manilowアコースティック・ピアノ、バッキング・ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
Bill Maysキーボード、Mitch Holder
ギター、Will Lee
ベース、Rick Shlosser
ドラムス、Alan Estes
パーカッション
そして Ron Damteバッキング・ヴォーカル
Barry Manilowのアルバム
とほぼ同じメンバー
コンサート・マスターは、Sid Sharp、コントラクターは、Shaun Harris
オーケストレーションは、One Voiceと同じく Artie Butler
Greg Mathieson、Gene Page
、Jimmy Haskell
豪華メンバーです。
エンジニアリングは、Michael DeLugg
アシスタント・エンジニアリングは、Peter Darmi
プロダクション・アシスタントは、Paul Brownstein
そして、プロデュースは、Barry Manilowです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Donn Davenport
写真撮影は、Harry Langdon
その他の写真は、Jay Thompson、ヘアー・スタイリストは、Clifford Peterson
そのようにクレジットされています。・・・
A面1曲目、ギターのカッティングから、コーラスで盛り上がって・・・
Who, What, When, Where, Whyでスタート
、Rupert Holmes
の作品
疑問詞を並べたなんというタイトル(笑)・・・
邦題は「あなたがわからない」、こちらも笑えますが・・・
曲はキャッチーなサウンドで、若々しくノリよく歌う Dionne、そして Barry
オーケストレーションは、当時、売り出し中のキーボード🎹奏者でもある・・・
Greg Mathieson、オープニングに相応しいナンバーです。
2曲目、クラシカルなムードで、ピアノ中心のイントロから・・・
After You、Doug Frank
、Doug James
の作品
Barryのピアノ🎹をバックに、Dionne
ならではバラード
オーケストレーションは、Gene Page
ストリングス、ホーンも効果的に、サビの部分は熱唱
アルバムから第3弾シングルで、1980年になって、全米 No.65
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.10
、全米R&Bチャート No.33
、カナダ No.85
・・・といったヒットとなりました。・・・
3曲目、ベース音が響き、ホーンも・・・ピアノ、ギター、そしてコーラス
The Letter、そう「あの娘のレター」
The Box Topsの1967年の全米No.1
、Wayne Carson Thompson
の作品
Joe Cockerのカバー・ヒット
(1970年、全米 No.7
)でも、お馴染み
Dionneは、ノリよく歌い、そしてサビの部分では、ロック色濃く
パワフルに熱唱、オーケストレーションは、Artie Butler
4曲目、Barryのピアノ🎹に、ストリングスが入り、静かにDionne
の歌
I'll Never Love This Way Again、ここでの邦題は「涙の別れ道」
Mandy等、Barry
のヒット曲でお馴染みのソングライター Richard Kerr
そして、Will Jenningsの作品
Richard Kerr自身も前年に発表していますが、Cheryl Ladd
等、多くのアーティストもレコーディングしています。・・・
但し、Richard Kerr、Barry Manilow
、Dionne Warwick
とまさに
スタンダード・ナンバーの方程式のよう
オーケストレーションは、Artie Butler
ドラマチックに唯一無二のDionneの熱唱で盛り上がります。
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米 No.5
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.5
、全米R&Bチャート No.18
、カナダ No.6
、カナダAC No.16
、全英 No.62
、オーストラリア No.35
、ニュージーランド No.24
、南アフリカ No.12
・・・全米でシングルで、ゴールド・ディスク
獲得
1979年の全米年間チャート No.32、そして1980年・・・
この楽曲で、第22回グラミー賞で、女性ベスト・ポップ・ヴォーカル賞受賞
Dionne Warwick、スーパースターとしての再スタートを切ったのでした。
5曲目、エレクトリック・ピアノが奏でるイントロに、ストリングス等が、絡んで・・・
Deja Vu、Isaac Hayes
、Adrienne Anderson
の作品
CSN&Yとは、同名異曲で、ここでの邦題は「恋にめぐり逢い」
オーケストレーションは、Gene Page
ミディアム・テンポで、当時のフュージョン風サウンドをバックに、Dionne
じっくり聴かせます。・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米 No.15
、全米R&Bチャート No.25
・・・ですが、なんと全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.1
カナダ No.34、カナダAC No.7
、オーストラリア No.69
、ニュージーランド No.24
・・・と、こちらも大ヒット
、1980年の全米年間チャートでは、 No.84
そしてこちらでは、第22回グラミー賞で、女性ベスト・R&B・ヴォーカル賞受賞
この年のグラミー賞で2冠達成
尚、この楽曲もスタンダード化、多くのアーティストがカバーしていますが・・・
自分としては、日本でのマリーンさんのものが印象に残っています。
B面1曲目、ピアノ🎹のイントロから、ここでも静かに歌う Dionne
Feeling Old Feelings、Danny Hice
、Chip Hardy
の作品
Burt Bacharachを思わせる作風、オーケストレーションは、Greg Mathieson
その壮大なストリングスでの Dionneの歌の盛り上げ
これは、Barryならではです。
邦題は「思い出に生きる」、日本独自でシングル発売
そう、1980年3月、日本武道館での第9回東京音楽祭世界大会
この曲でエントリー、見事、グランプリ
を獲得したのでした。
2曲目、ピアノと、シンセサイザー音のイントロから・・・
In Your Eyes、Barry Manilow
、Bruce Sussman
、Jack Feldman
そう、Copacabanaを書いた3人による作品
オーケストレーションは、Jimmie Haskell
シンプルなサウンドをバックに、Dionneはやや大人しく歌っています。・・・
邦題は、「いつわりの瞳」、Eagles
とは無関係です。(笑)
3曲目、こちらもピアノから、ストリングスが入り・・・
My Everlasting Love、Rick Sandler
、Jeanne FitzSimmons
、Con Cowan
の作品
、オーケストレーションは、Jimmie Haskell
ストリングスをバックに、静かに進行しますが、後半はドラマチックに盛り上げ・・・
Dionneは熱唱
、これがBarry
らしいところです。
4曲目、一転して、シンセサイザーによる軽快なイントロから・・・
Out Of My Hands
親戚にあたるCissy Houston、Alvin Fields
、Frank
の作品
オーケストレーションは、Gene Page
ストリングスも効果的に、Copacabanaも思わせるノリのいいナンバー
コーラスは、Dionneの多重録音のよう・・・
アルバム中、1番盛り上がるナンバーでしょう。
5曲目、Barry自らのピアノ🎹から、ストリングス・・・
All The Time、Barry Manilow
、Marty Panzer
の作品
そう、Barryのアルバム This One's For You
収録のナンバー
オーケストレーションは、Gene Page
ストリングス、コーラスをバックに、歌い上げる Dionne
最後は、やはり、Barry Manilowで締める
そのような感じなのでしょう。
尚、CDの時代になり・・・
国によっては、I'll Never Love This Way Againが、1曲目
そして、前半にヒット曲が集められた・・・
そのような曲順になっている盤もありました。
前述の通り、全米最高位 No.12、全米R&Bチャート No.10
オーストラリア No.35、カナダ No.30
、全米でプラチナ・ディスク
獲得
そして、1980年の全米年間アルバム・チャートでは、No.36
同じく全米 R&Bアルバム・チャートでは、No.27に輝いています。
Barry Manilowが、その後、ずっと関わっていたわけでは、ありませんが・・・
Dionne Warwickにとって、'60年代の Burt Bacharach
的存在となった
そのように言えるでしょう。
そして、'70年代最後に、このように再び甦った Dionne Warwick
1980年、グラミー賞2部門受賞、東京音楽祭グランプリ
獲得
'70年代から、'80年代への橋渡しといった時期に・・・
全米ヒット・チャートに再び常連として、戻ってきたのでした。