1978年のアルバム(その92 This Years Model/Elvis Costello)
1978年のアルバム・シリーズ、続いても・・・
Elvis Costello
何といっても、大手レコード会社の傘下のRadar レコードに移籍
そして、同じく Nick Loweのプロデュースの元、リリースしたのが・・・
This Year's Model
このアルバムからは大いに注目され・・・
そして日本でも、「超大物登場」といった感じで、大プッシュされていました。
そして、前作では、アメリカのウェスト・コーストのロック・バンド Cloverがバックを務めていましたが・・・
バック・バンドとして、The Attractionsを結成
勢力的に、ライヴも行われていました。
そんな中、自分は、当時としては数少ない、洋楽を放送するテレビ番組(確か「ミュージック・イン・USA」)で、そのElvis Costello & The Attractionsの映像を見ました。・・・
この時見たのは・・・
Pump It Upと(I Don't Want To Go To) Chelsea
ともに真っ白のセットの中でメンバー4人がプレイしているもの
ベース音が強調されたパワフルな前者、そしてややレゲエ風でメロディアスな後者、この2曲にノックアウト
Elvis Costelloは凄い
そう思いましたが・・・すぐにレコードを買うに至りませんでした。(苦笑)
この ThisYear's Model
アルバム・ジャケットのカメラを構えているElvis Costelloの写真もお馴染みとなりましたが、このアートワークは、担当カメラマン Chris Gabrinとのフォト・セッションで生まれたとのこと
尚、英国盤、米国盤等、世界各国で、ジャケット写真、内ジャケット写真等、違っていたようです。・・・
アルバムのレコーディングは、1977年~1978年
ロンドンの Eden Studiosにて・・・
Elvis Costelloギター、ヴォーカル
The Attractionsメンバーは・・・
Steve Nieveピアノ、オルガン
Bruce Thomasベース
Pete Thomasドラムス
プロデュースは、勿論、Nick Lowe
全曲、Elvis Costelloの作品です。
A面1曲目、"I Don't Want To Kiss You; I Don't Want To Touch~"といきなり・・・
No Actionでスタート
今回もシンプルでハードなロック・ナンバー、メンバーのコーラスもキマッています。
2曲目、ドラムスが力強く刻むビートで・・・
This Year's Girl、Elvis Costelloの歌に、キーボードの音が心地よくバックアップ、Rolling StonesのAftermath収録のStupid Girlにインスパイアされたナンバーとのこと、ドラムスは終始パワフルにビートを刻んでいます。・・・
尚、後にアメリカのテレビ・ドラマThe Deuceのテーマ曲にもなりました。・・・
3曲目、軽快なイントロから、ポップなメロディへ・・・
The Beat、タイトル通り、ビートの効いたポップ・ロック
オルガンの音が、Elvis Costelloの歌に色付け・・・
メンバーのコーラスもパワフルにバックアップしています。・・・
4曲目、ドラムスが響いて、ベースが効いて、そこへオルガン、そして・・・
Pump It Up、パワフルに早口で語るように歌うElvis Costello
卑猥な内容と、ダブル・ミーニングのようです。(笑)ち
アルバムから第2弾シングルで、全英No.24 、オーストラリアでは、No.55
また全米のオルタナティブ・チャートでは、No.47 となりました。
5曲目、勢いよく続いたところで、スロー・ダウン・・・ピアノから・・・
Little Triggers、スロー・ナンバーですが、ロック・バラード
Elvis Costelloはパワフルに熱唱、ピアノ、オルガンが効果的
邦題はそのまま「小さな引き金」でした。
6曲目、ギターのイントロから、'60年代のブリティッシュ・ロックを思わせる・・・
You Belong To Me、オルガンもギターも軽快にノリのいいナンバー
邦題は「オレのお前」でした。・・・
B面1曲目、エフェクターをかけたエンジンのような音、そしてエフェクターをかけた歌声からアップ・テンポに・・・
Hand In Hand、曲は一転して、ポップなロックに
コーラスもキマッています。
2曲目、ドラムスから、マイナーなコード進行のギターのカッティング・・・
(I Don't Want To Go To) Chelsea
Elvis Costello、レゲエ風のリズム、印象的なキーボード音をバックに熱唱
前述の通り、アルバムからの第1弾シングルで、全英No.16
オーストラリアでは、No.93、邦題はただの「チェルシー」でした。・・・
3曲目、一転して今度はメジャーなコード進行で、アップ・テンポに・・・
Lip Service、こちらはノリがよく、バック・コーラスもElvis Costelloを盛り上げます。
4曲目、少しスローになって、ポップなリズムに・・・
Living In Paradise、タイトル通り、明るい曲調のナンバー
こちらも良質のポップ・ロック、邦題は「天国の生活」でした。・・・
5曲目、Peteのドラム・ソロから、アップ・テンポに・・・
Lipstick Vogue、ツー・ビートのリズムに合わせて、早口で歌う Elvis Costello
列車の走行を表しているよう・・・途中、スピード・ダウンでもう一度アップ・テンポに
邦題は「流行のリップスティック」でした。・・・
6曲目、日本盤では、シングルでリリースされたWatching The Detectives
・・・ですが、英国オリジナル盤では・・・
Night Rally、ドラムスとギターが刻むリズムにベースが加わり・・・
そして Elvis Costelloが割と静かに歌い、錆の部分で曲調も変わる・・・
このナンバーでエンディング・・・
一方、アメリカ盤では、この位置に当時の最新シングル
Radio Radio
こちらはイントロから飛ばしている、ノリのいいナンバー
シンプルなバックで、Elvis Costelloも熱唱
シングルでは、全英No.29、オーストラリアでNo,93のヒットとなりました。
尚、英国盤には、最初、7インチ。シングルが付いていて・・・
A面が、デビュー・アルバムのアウトテイク、Stranger In The House
B面が、ライヴ・ヴァージョンで、The Damnedのカバー、Neat Neat Neat
・・・でした。・・・
CDの時代となり、1993年盤には、ボーナス・トラックとして、英国オリジナル盤の12曲に加えて、前述の Radio Radio、シングル Pump It UpのB面で、The ClashのMick Jonesが参加した Big Tears、Crawling To The USA、Running Out Of Angels (Demo)、次作 Armed Forcesに収録される Green Shirt (Demo)、Big Boys (Demo)、以上6曲が追加収録
2002年のRhino盤では、デモ・ヴァージョン等を収録したボーナス・ディスクとの2枚組
そして、2008年の Deluxe Edition
こちらは本編にさらにボーナス・トラックが加わって全23曲、そしてもう1枚
Live At The Warner Theatre, Washington, DC, 28 February 1978
この豪華2枚組CDがリリースされています。
アメリカ、そして日本も含めて世界中で、Elvis Costelloがブレイクした、この・・・
This Year's Model
全米アルバム・チャート最高位 No.30、オーストラリアでは、No.26
そして全英No.4、全米、全英ともに、ゴールド・ディスクを獲得しました。
Elvis Costello & The Attractionsとしての活動も本格的に始動したのでした。
そして・・・
Elvis Costello & The Attractions
この年の11月に早くも初来日
そして、なんと
日本の学生服姿で、東京で路上ライヴ(トラックの上)を行ったのでした。
当時、センセーショナルな出来事でしたが・・・
まだまだ Elvis Costelloの名前がロック・ファン以外には浸透していなかったので
あまり大きなニュースにまでは、なりませんでした。・・・
世界的なヒットということでは、その後さらに大きな存在になる Elvis Costello
ですが・・・1978年のこの大ブレイク
彼の登場は、音楽シーンにおいて衝撃的な出来事だった
これは絶対に忘れられないでしょう。
(1978年のアルバム その91 My Aim Is Trueに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12629742686.html