1978年のアルバム(その86 Player)
1978年、その幕開けを飾ったというべき、大ヒット曲
Baby Come Back / Player
ちょうど、Bee Gees旋風が吹き荒れようとしている頃に登場
そして、このミディアム・テンポのメロディアスなナンバー
歌い方が、Barry Gibbソックリ
(声は違いますが・・・)
そして美しいコーラス・ハーモニーもBee Geesを彷彿
中心人物のPeter Beckettも、Bee Gees大好きで、その影響を認めていたようでした。
そして、3週連続全米No.1
奇しくも、Bee Gees独走状態の合間に入った・・・
そんな感じだったのですが、この曲自体も前述の通り、Bee Geesにインスパイアされた曲で、さらにアメリカでは、同じRSOレコードから出ていたのでした。
これがデビュー・シングルであり、デビュー・アルバムも登場
Player
セルフ・タイトルのデビュー作
この自分の1976年のアルバム・シリーズでは、86枚目にようやく登場です。
日本では、「ベイビー・カム・バック/プレイヤー」として発売されました。
Player
デビュー・アルバムとはいえ、メンバーは、かなりキャリアの持ち主
Peter Beckettギター、ヴォーカル
J.C. Crowleyギター、ヴォーカル、キーボード、シンセサイザー
Ronn Mossベース、ヴォーカル
John Friesenドラムス、パーカッション
そして、アルバム・ジャケットには写っていませんが・・・
元Steppenwolfの Wayne Cookキーボード、シンセサイザー
この5人のメンバー
あともう1人、Reed Kailing
メンバー中、3人がリード・ヴォーカルを取ることが、Playerの強みです。
その他、参加ミュージシャンは・・・
Jim Hornサックス、フルート
Michael Omartianシンセサイザー
Jay Lewisエレクトリック・ギター、スティール・ギター、サウンド・エフェクト
Gary Colemanパーカッション
Jack Whiteドラムス、パーカッション
Maria Newmanストリングス・アレンジメント
George Buddサウンド・エフェクト
この豪華メンバーが、彼らが単なる新人バンドでないことを示しています。
レコーディングは、1977年
ハリウッドの Western Recorders、Saound Labsにて・・・
マスタリングは、Allen Zentz Masterlingにて、Brian Gardner
エンジニアリングは、Joe Sidore、Matt Hyde
レコーディング&リミックス・エンジニアリングは、Jay Lewis
プロデュースは、Dennis Lambert、Brian Porter
当時売れっ子のプロデュース・チームです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Susan Herr
写真撮影は、Bamie Nagler
前述の通り、撮影時には正式に加入していなかったので・・・
Wayne Cookは写っていません。・・・
A面1曲目、色々なキーボード音から、ベースを強調したリズム
Come On Outでスタート、J.C. Crowleyの作品
リード・ヴォーカルもJ.C.、Steely DanのDirty Workを思わせるナンバーでrすが・・・サビの部分のメンバーのコーラス・ハーモニー
これが、Playerならではでしょう。・・・
2曲目、ドラムスとベースに、エレクトリック・ピアノ、そしてギターのイントロが入り・・・
どことなく Hall & OatesのShe's Goneを思わせる中・・・
Peterが優しく歌い始める・・・そう・・・
Baby Come Back、Peter Beckett、J.C. Crowleyの作品
Peterの歌に、あのコーラス、ギターも印象的に重なります。
曲調が変わる前に入るシンセサイザー、これが隠し味と言えそう
前述の通り、第1弾シングルで、3週間全米No.1、カナダでNo.1、全英No.32
全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.20、全米R&Bチャート No.10
まさに1978年を象徴するヒット曲
尚、アルバム・ヴァージョンは、少し長めで、最後はギター・ソロがフィーチャーされ、フェイドアウトしていきます。・・・
3曲目、ギターからポップで軽快なイントロ・・・
Goodbye (That's All I Ever Heard)、J.C. Crowleyの作品
J.C.が軽快に歌い始め、メンバーのコーラス、キーボード音も印象的
途中、アコースティック・ギターもフィーチャーされます。
邦題は「さよならは別れの言葉」、ポップなナンバーゆえ、シングル・カットしたら良かったと思います。
4曲目、ややドラマチックなギターのイントロから、一転、軽快なリズムに・・・
Melanie、Peter Beckettの作品
歌は、Peter、ノリよく歌い、そこへ Jim Hornのサックスが入ってきます。
そしてここでも、あのコーラス、ギター、サックス、交互に絡んで、歌を盛り上げていきます。
5曲目、シンセサイザー音による軽快なイントロ・・・
Every Which Way、Peter Beckett、J.C. Crowleyの作品
歌は、Peter、心地よく歌われますが、このリズム、そう・・・
Doobie Brothersというか、Michael McDonaldサウンド
但し、Doobie~が、What A Fool Believesをヒットさせる1年前のこと
・・・むしろ Michaelの方が影響・・・
互いに刺激になっていたことは確かでしょう。・・・
コーラスもキマって、シンセサイザーも効果的に挿入され、本当に心地よいナンバーです。
B面1曲目、キーボードの軽快な音から静かにJ.C. Crowleyが歌い始める・・・
This Time I'm In It For Love
Steve Pippen、Larry Keithの作品で、1975年のRockyのヒットでお馴染みのAustin Robertsが1976年にリリースしたナンバー
1977年には、Cyndi Greccoもリリース・・・ということで、カバー曲
J.C.と、Peterで歌い、サビの部分は美しいコーラスが響きます。
第2弾シングルとなり、少し時間がかかりましたが、全米No.10とTOP10入り
カナダでもNo.12、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.20
日本でも前曲に続き人気で、邦題は「今こそ愛のとき」でした。・・・
2曲目、ギターのややファンキーなカッティングから・・・ハイトーンの歌
Love Is Where You Find It、J.C. Crowley、Peter Beckett、そしてもう1人のギタリスト Reed Kailingの作品
ファルセット・ヴォイスも含め、Peter、J.C.が交互に歌います。・・・
ギターのリフが印象的、そこへ、Jim Hornのサックスも入ってきます。・・・
邦題は「愛はどこにでも・・・」でした。・・・
3曲目、続いても軽快なギターなイントロから・・・
Movin' Up、Peter Beckett、Reed Kailing、そしてかつて Peterとも活動をしていて、後の時代にソングライターとして多くのヒット曲を世に送り出すあの・・・Steve Kipnerの作品
歌はPeter、ギターも軽快にタイトル通り、体も動きだしそうなノリのいいナンバーです。
4曲目、これもギターをフィーチャーしたロック・ナンバー
Cancellation、前曲同様、Peter Beckett、Reed Kailing、Steve Kipnerの作品
歌は、Peter、アルバムの中で1番ハードなロック・ナンバーですが、Peterの熱唱をメンバーのコーラスがバックアップ
ギターも、シンセサイザーもパワフルに盛り上げていきます。
5曲目、一転して、アコースティック・ギター・サウンドから・・・
Trying To Write A Hit Song、邦題は「ヒット・ソング」
カナダのソングライター Ron L. Mahoninの作品
歌うは、ベースのRonn Moss、アルバム唯一の彼のリード・ヴォーカル
俳優を目指していたという人ですが、それだけに歌でも優しい二枚目ぶり
コーラスも勿論、スティール・ギター、キーボード等も効果的に入り・・・
最後はギターがフィーチャーされ、フェイドアウトしていきます。・・・
さてここで登場ということでご察しの通り、全米アルバム・チャート最高位No.26
全米R&Bアルバム・チャートでは、No.32
正直、もっと上位に行くと思いましたが・・・
それでも 第2弾シングル This Time I'm In It For Loveもヒットして、トータルではロング・セラーになったようです。
Baby Come Backは日本でも大人気に
そしてこの年の後半、Playerは、早くもセカンド・アルバムをリリース
タイトルは、Danger Zone
シングルも、Prisoner Of Your Loveをリリース
全米No.27、カナダではNo.32
日本でも「恋のプリズナー」の邦題で発売
ラジオの洋楽番組等でもオンエアされ、それなりに人気に
アルバム Danger Zoneも「恋のプリズナー/プレイヤーII」の邦題でリリースされましたが・・・
その後、中心人物の1人 J.C. Crowleyが脱退
Playerも大きな話題からは遠退いてしまうようになるのでした。・・・
その後、かなりの時を経て、Peter Beckettは、再びRonn Mossと組んで、Playerとして活動
2013年にはなんと18年ぶりにPlayer名義のアルバム Too Many Reasonsをリリースしました。
現在も活動しているようなので、機会があれば、Playerとして日本に来てくれないかな・・・そう思っています。
Baby Come Back
1978年という時代を象徴する曲であり、AORを代表する永遠のスタンダード・ナンバーでもあり続けることでしょう。