1977年のアルバム(その52 Songs From The Wood/Jethro Tull)
Yesが登場したところで・・・リーダーが同じ姓(Anderson)ということで・・・
Jethro Tull
兎に角、いつも、Ian Andersonが大好きと言っておきながら、自分のこのシリーズにTullが登場するのは、War Child以来・・・
1975年のMinstrel In The Galleryと、M.U. - The Best Of Jethro Tullは、ちょうど自分が洋楽を断っている時のリリース・・・ゆえに馴染みも薄く・・・
1976年の、Too Old To Rock'n'Roll: Too Young To Dieは、所持していますが、この年のアルバム・シリーズ
最後の方で考えていたものの、100枚セレクトということで、選に漏れてしまいました。・・・
さて、このSongs From The Wood
トラディショナル・フォーク色の強い作品とのこと
前作Too Old To Rock'n'Roll~が、ロック・ミュージシャンを主人公としたミュージカル仕立てのコンセプト・アルバムだったのですが、一転・・・
Ian Andersonはユーモアのセンスの塊のような方ゆえ、前作のイメージも合っている人ですが・・・
やはり、多くはこのトラディショナル・フォーク・ロックのJethro Tullを望んでいたでしょう。
日本発売に際し、邦題は「神秘の森」
「神秘の森~ピブロック組曲」とサブタイトルも付いていたこともありました。・・・
Chrysalisレコード最大のスターである、Jethro Tullの10枚目のスタジオ・アルバム
レコーディングは、1976年9月~11月、ロンドンのMorgan Studiosにて
メンバーは・・・
Ian Andersonヴォーカル、フルート、アコースティック・ギター、マンドリン、ホイッスル他
Martin Barreエレクトリック・ギター、リュート
John Evanピアノ、オルガン、シンセサイザー
Barriemore Barlowドラムス、マリンバ、グロッケンシュピール、ベル、パーカッション
前作から加わった、John Glascockベース、バッキング・ヴォーカル
そしてアルバムにいつも参加しているDavid Palmerピアノ、シンセサイザー、オルガン
彼も正式メンバーとクレジットされ、6人
ツイン・キーボードとなり、分厚い音作りに
サウンド・エンジニアは、Robin Black
アシスタント・エンジニアとして、Thing Moss、Trevor White
アレンジメントは、Jethro Tull
プロデュースは、Ian Andesron
作詞作曲は全曲、Ian Andersonです。
A面・・・Let Me Bring You Songs From The Wood~
いきなり、Ian Andersonの歌
そしてアカペラ・コーラス、タイトル曲、Songs From The Woodでスタート
ここでの邦題は「大いなる森」
トラディショナル・フォーク調のバックが入り、変則的なリズム
勿論、フルートも入り、Ianの物語が組曲として展開されて行き・・・
Songs From The Wood Make You Feel Much Better~とのメッセージで、この物語は幕を閉じます。・・・
2曲目、フルートから始まり、アコースティック・ギターのカッティングによる力強いフォーク・ロック、Jack-In-The-Green、「緑のジャック」
ここでは、全ての楽器をIan1人でプレイ
因みにIanはステージでは、フルートを持っていない時はギターを抱えていますよね。
3曲目、アコースティック・ギターとフルートのイントロから軽快にIanが歌う、Cup Of Wonder、邦題は「カップ一杯の不思議~クリムゾン・ワンダー」
途中のインストゥルメンタル・パートはキーボード奏者が2人いることで多彩なサウンドになっています。
4曲目、オルガンの音からフルート、ギターとのかけ合い
Hunting Girl「女狩人」
Martinのハードなギターをバックに、Ianが歌う、アップ・テンポのナンバー
最後はコーラスで締められます。・・・
5曲目、Ring Out, Solstice Bells、「至高の鐘」、
手拍子も入り、明るく楽しげにIanが歌うお祝いの歌
英国では、シングル・リリースされていました。・・・
B面、クラシカルなキーボード音にフルート、その他が加わり・・・
Velvet Green、「優しい緑」
やはり曲調が変化して、優しく語るように歌うIan
三拍子のリズムで、物語が展開していきます。・・・
2曲目、The Whistler、「森の笛吹き」
フォーク調のメロディアスなナンバー、サビの部分で転調するポップなナンバー
タイトルからしても、Ianのテーマ曲のよう、勿論、フルートもフィーチャーされます。
全米ではシングル・カットされ、No.59となっています。・・・
3曲目、Martinのエフェクターを効かせたハードなギターがフィーチャーされ・・・
フルートも絡んで、静かにIanの歌が入ってくる・・・
Pibroch (Cap In Hand)、「ピブロック組曲」
邦題の通り組曲で、静かになったところで、再びハードなギターとフルート
曲調は軽快なフォーク調に、リード・パートはフルート
そして、Ianの歌がもう1度入ってきて、バックにはハードなギター
そしてフェイドアウト・・・日本ではサブタイトルになるほど、8分を超える大作です。
4曲目、Fire At Midnight、邦題は「真夜中の灯」
アルバムの中ではシンプルなフォーク・ロック調のナンバー
ここでもフルートはフィーチャーされ、アルバムは幕を閉じます。・・・
CDの時代になり、2003年のリマスター盤には、Beltane、Velvet Green (Live)が、ボーナス・トラックとして収録
また2017年には、40th Anniversary The Country Set Deluxe Editionとして、1977年のライヴを含む、CD3枚、DVD2枚の5枚組豪華盤がリリースされています。
兎に角、全米チャートでは、好成績を残しているJethro Tullですが、同作品は全米No.8と、Mintrel In The Gallery以来のTOP10入りを果たしました。
一方、全英チャートでも、No.13と、Thick As A Brick以来の好セールスとなったようです。・・・
Too Old To Rock'n'Roll~のキャラクターのイメージとしては、Ianと合っているとはいっても、やはりファンはこのSongs From The WoodのJethro Tullを望んでいたことは間違いないでしょう。
そしてここから三作、この路線が続くことになるのです。・・・
ちょうどこの当時、Ian Andersonがプロモーションで来日、この当時のパンク・ムーブメントについて聞かれて、「自分たちも10年前はパンクだったよ・・・」と言ったことが印象に残っています。
そして、Ianの人柄も表しているように思いました。
奇しくも、1977年の全米で最高位No.8のアルバムとして、Yesと続けて登場となりましたが、意外なことに全米チャート上では、このアルバムくらいまでは、Yesより、ずっと好成績だったのでした。・・・
(1975年のアルバム その62 War Childに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12354392466.html
(2013年4月 Ian Andesron来日公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-11514385892.html