1977年のアルバム(その3 A Star Is Born)
1976年のアルバム・シリーズ・・・
Wings Over Americaで少し長めのものになり過ぎてしまいましたが・・・
まだまだ続きます。・・・
・・・で、今回登場するのが、A Star Is Born
そう、映画「スター誕生」のサウンドトラック・アルバム
です。
1976年版で、3回目のリメイク
主演は、Barbra StreisandとKris Kristofferson
サントラというより、この2人のデュオ・アルバム
とも言えそうです。
奇しくも2018年、Bradley Cooper監督のもと、彼とLady Gagaの主演で4度目の映画化
世界中で大ヒット
そして日本でも「アリー/スター誕生」のタイトルで大ヒット
そして、主題曲であるShallow(邦題「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた」
)も大ヒット
第91回アカデミー賞歌曲賞をはじめ多くのアワードを受賞
Lady Gagaもスーパースターとして、さらなる飛躍を遂げたと思います。
そのように、 A Star Is Bornはハリウッド映画において永遠のスタンダードなのですね。
・・・ということですが、今回は1977年に、EaglesのHotel California
を抜いて、全米No.1となったアルバム
の方のことについて投稿します。
前述の通り、サウンドトラックというよりは・・・
Barbra Streisand And Kris Kristofferson
2人のデュオ・アルバム
レコーディングは、1975年~1976年
LAのA&M Studiosにて・・・
あとライヴ(擬似ライヴ
)の方は・・・
アリゾナ州、TempeのThe Handlebar And Sun Devil Stadium
そして、Grady Gammage Auditoriumにて行われています。・・・
参加ミュージシャンは、Barbra Streisand演じるEsther Hoffman
のグループThe Oreosとして、劇中にも出演している・・・
Venetta FieldsとClydie King
あと、Kris Kristofferson演じるJohn Norman Howard
彼のバックバンド、The Speedwayのパフォーマーということで・・・
Art Munson、Bobby Shew
、Booker T. Jones
、Charles Owens
、Dean Hagen
、Donnie Fritts
、Jack Redmond
、Jerry McGee
、Mike Utley
、Sammy Creason
、Stephen Bruton
、Terry Paul
凄いメンバーが参加
ジャケット写真は表側が、Francesco Scavullo、裏側が、Steve Schapiro
アルバムプロデュースは、Barbra Streisand
そしてエンジニアも兼ねて、Phil Ramoneがクレジットされています。
LPレコードA面・・・臨場感溢れるライヴの光景
Kris演じるJohn Norman Howard
のWatch Closely Now
Kenny AscherとPaul Williams
の共作、邦題「俺をみつめているか」
オープニングに相応しいパワフルなロック・ナンバー
John Normanのヒット曲ということで、劇中何度か登場します。
一転して、クラブの光景へ・・・
Barbra演じるEsther
が女性3人組、The Oreos
が歌う、Queen Bee
Rupert Holmesの作品で、やや怪しげなメロディ・ラインでヒット曲の要素を含んでいます。
続いてもThe Oreosとして歌う、Everything
Rupert HolmesとPaul Williams
の共作、邦題は「すべてが欲しいの」
Barbra Streisandならではの極上のバラード
因みに劇中ではこの曲で、John NormanはEsther
に惹かれるのですよね。
そして、スタジオへ・・・Lost Inside Of You
Barbra StreisandとLeon Russell
の共作、邦題「愛に迷って」
Leon Russellだけに、A Song For You
を思わせる、美しいナンバーで、Barbra Streisand
とKris Kristofferson
のデュエット
そう、劇中では、Estherが弾いていたピアノに合わせて、John Norman
が歌う・・・2人が結ばれる時の歌です。・・・
そして最後の方で、John Normanが死ぬ前に猛スピードで車を運転していたシーンにも使われていました。・・・
劇中の順では前後してしまいますが、John Normanのライヴ会場
へ・・・
Hellacious Acres
Paul Williams、Kenny Ascher
の共作、邦題は「悪魔の遊園地」
、John Norman
が「地獄へ行け
」と歌い始めるミディアム・テンポのホーンもフィーチャーしたロック・ナンバー
劇中では、John Normanとバンド・メンバー全員がモンスターのマスクを被っているのですが・・・
日本のMAN WITH A MISSIONの30年以上前にこのようなことをやっていたのですね。
(笑)
そして・・・A面最後は、Evergreen (Love Theme From "A Star Is Born")
「スター誕生の愛のテーマ」
Barbra Streisand、Paul Williams
の共作、何の説明もいらないでしょう。・・・
3週連続全米No.1、第49回
アカデミー賞歌曲賞をはじめ、グラミー賞、ゴールデングローブ賞も受賞
永遠のスタンダード・ナンバーです。
レコードはB面へ・・・
再びライヴ、John Norman
が数々のトラブルの代償としてやらされたインディアン救済のチャリティコンサート会場
そして、ここでEstherをステージに
歌うは、The Woman In The Moon
Paul Williams、Kenny Ascher
の共作、邦題「月に住む女」
最初は、緊張して躊躇いがちな歌い方・・・そして盛り上がってきて・・・
コーラスで、The Oreosの2人が参加
Esther(Barbra
)は感動
その様子をステージ傍で見て、優しい顔で笑っているJohn Norman(Kris
)
これが本当の男の優しさ
この映画の一番重要な場面
まさに「スター誕生」です。
尚、Estherはこの曲で、グラミー賞を受賞したことになっていました。
Estherの曲は続き、ノリのいい、I Believe In Love
Kenny Logginsと映画音楽ではお馴染みの、Alan And Marilyn Bergman
の共作、邦題は「愛を信じて」
Kenny Loggins自身、この年にリリースしたソロ・デビュー・アルバムCelebrate Me Home
でセルフ・カバーしています。
曲は一転、Crippled Crow
女性シンガーソングライター、Donna Weissの作品で、Kris
の歌
またこのアルバムの中で、1番、Kris Kristoffersonらしい歌
曲のイメージはまさに、劇中のJohn Normanのよう・・・
尚、John NormanとEsther
が新居のために土地を耕しているシーンに流れ・・・その時、Esther
役のBarbra
がSupermanのTシャツを着ていたのですが、それはまさに次のアルバムのジャケット写真
これは暗示だったのでしょうか・・・それとも
・・・
ここで時は流れたことになり・・・John Norman亡き後のEsther
のステージへ・・・
Esther Hoffman Howardと紹介され・・・
With One More Look At You
John Normanが最後に書いていた曲、それを録音していたカセットをEsther
が見つけて・・・
涙ながらに熱唱
そして曲は、John Normanのヒット曲、Watch Closely Now
へ・・・
静かに歌い始めて、途中からアップ・テンポに、パワフルに
John Normanの魂が乗り移ったよう・・・
2曲とも、Paul WilliamsとKenny Ascher
の共作で、ここでは邦題は「もう一目、あなたに・・・」 / 「わたしを見つめていて」
力強くフィナーレ
LPレコード裏ジャケット写真と同じポーズのストップ・モーションに
再び、Evergreen Reprise (Love Theme From "A Star Is Born")
「スター誕生の愛のテーマ(リプライズ)」
今度はEsther(Barbra
)とJohn Norman
(Kris
)のデュエット
この2人のデュエットは映画では途中に出てきて、そして最後はキッス
LPレコードではこちらを最後に持ってきて、良かったと思っています。
尚、CD化され、ラストには、Evergreen (Love Theme From "A Star Is Born") (Spanish Version)
「スター誕生の愛のテーマ(スペイン語ヴァージョン)」が収録されていました。・・・
何度も言うようですが、このアルバム
サウンドトラックというより、Barbra Streisand & Kris Kristoffersonのアルバム
として最高です。
また前述の通り、この時は3度目のリメイク
2018年の、Lady Gaga、Bradley Cooper
も良かったですが、自分にとっては、この1976年の、A Star Is Born
が特別
今、この投稿を書いていても、そのシーンを思い出して、目頭が熱くなってきています。
尚、この年、ゴールデングローブ賞を独占
但しアカデミー賞は、歌曲賞のみで、主要部門は、Rockyが受賞
これも何かこの時代を象徴していると思っています。