1977年のアルバム(その2 Wings Over America (Vol.1))
1976年5月・・・
アルバムWings At The Speed Of Soundの発売に合わせて大規模な全米ツアーを行った、Paul McCartney率いる、Wings
1975年9月にイギリスからスタートした、Paulにとって、Beatles以来となるワールド・ツアー
全米ツアーの最後の方には、Ringo Starrがステージに飛び入り出演した
それも大きな話題になっていました。
そして・・・
なんとその全米ツアーでのライヴ・アルバムが発売される・・・
そんな凄いニュースが・・・
The Beatlesはそれまで、日本武道館とかの海賊版は別として、公式なライヴ・アルバムはなし
さらには元Beatlesのメンバーの中で、唯一Paulだけ、公式の実況録音盤もなし
・・・ということで、まさにそれは夢が実現したようなもの
しかも3枚組
タイトルは、全米ツアーと同じく・・・
Wings Over America
そして1976年の年末、全米で発売され、日本にも入荷
自分は早速、輸入盤を購入
確か4,950円で、高校1年生にとっては正直キツかったですが・・・
まさにPaulからのクリスマス・プレゼントでした。
1976年5月7日から6月23日までの全米ツアーから収録
10月から11月にかけて、ロンドンのAbbey Road Studiosにて、オーヴァーダビングされています。
プロデュースは、勿論、Paul McCartneyです。
Wingsのメンバーは・・・
Paul McCartney
リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベース、アコースティック・ギター、ピアノ、キーボード他
Linda McCartney
ピアノ、キーボード、バッキング・ヴォーカル、パーカッション
Denny Laine
エレクトリック & アコースティック・ギター、ベース、バッキング・ヴォーカル、ピアノ、キーボード、パーカッション、ハーモニカ
そして数曲では、リード・ヴォーカル
Jimmy McCulloch
エレクトリック & アコースティック・ギター、ベース、バッキング・ヴォーカル
1曲のみリード・ヴォーカル
Joe English
ドラムス、パーカッション、バッキング・ヴォーカル
この5人と、ホーン・セクションとして
Tony Dorseyトロンボーン、パーカッション
Howie Caseyサックス、パーカッション
Steve Howardトランペット、フリューゲルホーン、パーカッション
Thaddeus Richardサックス、クラリネット、フルート、パーカッション
アルバムWings At The Speed Of Soundにも参加しているメンバーが同行しています。
1部を除き、ほぼ全曲Paul McCartney & Linda McCartneyの作品です。
このアルバム
1番最初聴いた時、部屋を暗くして聴きましたよ。
レコード1枚目A面・・・大歓声の中、ギターのアルペジオ音にシンセサイザーが加わって、Venus And Marsでスタート
まさに、Waiting For The Show To Begin~
徐々に盛り上がって、Joeのドラムスが炸裂
Rock Showへ、早くも最高潮へ
ギターを弾きまくるJimmy、ダブルネック・ギターを持ってコーラスをつけるDenny、パワフルに叩くJoe、控えめにキーボードを奏で、コーラスをつけるLinda
そして・・・柔道着のような衣装を着て、リッケンバッカーのベースを抱え、熱唱するPaul
その光景が浮かんできます。
最後の部分は、ドラムスがブリッジとなり、Jetへ・・・
ホーン・セクションでパワフルに、Paulはラフな感じで歌っています。・・・
「気分はどうだい・・・」
キーボード音に、ギターが加わり、Let Me Roll It
アルバムBand On The Runから、近年もセットリストに入っている、スローなロック・ナンバー、ライヴ向きでしょう。・・・
ムードは一転、Spirits Of Ancient Egypt
Venus And Marsから、邦題は「遥か昔のエジプト精神」
Dennyが歌い始め、そしてPaulへ・・・
当時のWingsを象徴するようなナンバー、Jimmyのギターもフィーチャー
そのJimmyが軽快にギターを奏で、やはりVenus And Mars収録の、Medicine Jar
Jimmy MuCullochとColin Allenの共作で、リード・ヴォーカルもJimmy
ここではPaulは完全にバックアップ側に回っています。
それにしても、ドラッグの悲劇を歌った歌なのに・・・Jimmy自身、ドラッグによってこの約3年後に命を落とすとは・・・なんとも皮肉です。・・・
レコードB面へ・・・Paulはピアノに着いて・・・
Maybe I'm Amazed
そう、アルバムMcCartney収録の、傑作の誉れが高いナンバー
この曲はPaul McCartney単独の作品
ここではJimmyのギターもフィーチャー
尚、最初は「恋することのもどかしさ」という変な邦題(苦笑)がついていましたが、ここからシングル・カットされた際、「ハートのささやき」という邦題に
全米ではTOP10入りをする大ヒットとなりました。
尚、’90年代の日本公演ではなぜかプレイされませんでしたが、近年のライヴではLindaさんに捧げる曲として、すっかり定番となっています。・・・
続いて、ホーン・セクションもフィーチャーして、Call Me Back Again
アルバムVenus And Marsから、ソウル・ミュージックにインスパイアされた曲というだけあって、ダイナミックに歌うPaul
他のメンバーもコーラスでバックアップしています。
ここでまた一転・・・
ピアノについたPaulが軽快に・・・Lady Madonna
Beatlesナンバー登場に場内絶叫
メンバーのコーラス、そしてサックス・ソロも入り、ほぼオリジナルに忠実です。
続いて、The Long And Winding Road
Let It BeでのストリングスのアレンジをPaulが気に入っていないことは有名ですが、それだけに余計に取り上げたのでしょう。・・・
但し曲調はBeatlesのものと同じ、ロック・バラードとしているようです。
そして・・・
Live And Let Die
勿論、「007死ぬのは奴らだ」
静かに始まって、途中盛り上がり
当時から、映像を使ったり、それなりに派手な演出がされていましたが・・・
それは年々エスカレートして(笑)今に至っているのでしょう。
そう、今では、Paulのコンサートのクライマックスです。
レコード2枚目A面(C面)・・・アコースティック・ギターで、Picasso's Last Words (Drink To Me)でスタート
アルバムBand On The Runから邦題はそのまま「ピカソの遺言」
Dennyが歌い始めて、Paulへ・・・
そしてアルバムと同じく、トークの部分が入りますが、短く・・・
曲は、Richard Coryへ・・・
そう、これはPaul Simon作の、Simon & Garfunkelのナンバー
アコースティック・ギターで歌うは、Denny
歌詞をJohn Denverと変えて歌って場内歓声
この時代を示しています。・・・
この部分は今で言う、アンプラグドといえるのでしょう。・・・
Paulが奏でるアコースティック・ギターのカッティングから、Bluebird
Band On The Runから、1975年の来日公演が中止になった際、この曲を歌ってPaulが日本にお詫びのメッセージを送ってきた印象はあまりにも強く残っています。・・・ここではサックスが叙情的に響いています。
そして、ギターを軽快にカッティングして・・・
I've Just Seen A Face
Beatlesナンバーはやはり特別
邦題は「夢の人」、オリジナルよりシンプルなアレンジに
Lindaさんがタンバリンを持ってコーラスをつけている姿も目に浮かんできます。
続いて、Blackbird
こちらはPaulがいつもアコースティック・ギター1本で歌うのでお馴染み・・・
ですが、近年は「人権問題」の歌ということを強調しています。・・・
最初はただの黒い小鳥の歌と思っていました。・・・
そして、一瞬フェイントをかけた感じで・・・
Yesterday
世界中のファンはお待ちかね
この頃は短く終わってしまったようです。・・・
そう、このツアーの頃は、Beatlesナンバーはここまでの5曲のみでした。・・・
(以降、後半へ続きます・・・)
(1976年のアルバム その8 Wings At The Apeed Of soundに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12378051077.html
(1975年のアルバム その11 Venus And Marsに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12316209614.html
(1974年のアルバム その20 Band On The Runに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12310090369.html