1975年のアルバム(その78 So What / Joe Walsh)
1975年春、Led Zeppelinによって、ハード・ロックへの興味がさらに強くなっていった頃・・・
話題のアーティストの新譜が登場しました。
「アメリカ最後のハード・ロック野郎・・・」
そんな宣伝文句
その人の名前はJoe Walsh
James Gangというハード・ロック・バンドの中心人物だった人ということで、興味を抱きました。
そしてその頃はちょうど日本でも大手レコード会社から出ていたということで、Turn To Stoneという曲がよくオンエアされていて・・・
カッコイイ
ただそう思っていました。・・・
アルバム・タイトルはSo What
日本の解説には「だから、どうだっていうんだい・・・」
そんな意味のように書かれていて、後で思えば、Joe Walshらしいタイトルと思います。・・・
尚、1975年初頭はまだEaglesのメンバーでもなかったし、今回はあくまでこの時点でのJoe Walshとして、記させていただきます。・・・
Joe WalshはJames Gang脱退後、トリオ編成のバンド、Barnstormを結成しますが、それから数えて3枚目となるアルバム
但し、ギターとヴォーカルは勿論、その他キーボード類、ベース等、Joe Walshがマルチ・プレイヤーぶりを発揮
ドラムスは殆どの曲が、Barnstormの盟友Joe Vitale
キーボードはTom Stephenson
曲ごとに多才なメンバーがゲスト参加しています。
プロデュースは、Joe Walsh自身と、John Stronach
1曲だけBill Szymczykが担当しています。・・・
A面、ハードなギターのイントロから、パワフルなビート
Welcome To The Clubでスタート
ベース、Kenny Passarelli、ドラムス、Joe Vitale
そう、Barnstormによるレコーディング
あの歌声、そしてギター・ソロ
Joe Walshそのものといったナンバー
尚、この後、KennyはElton John Bandに参加します。・・・
2曲目は一転して、アコースティック・ギターによるメロディアスなFalling Down
このコーラス、EaglesのDon Henley
彼との共作ナンバー
奇しくもちょうど同じ頃に、Don Henleyが歌うThe Best Of My Loveが全米No.1になったのでした。
・・・で、なんと続いてが、Maurice RavelのPavanne For The Sleeping Beauty
Joeによるシンセサイザー
但しJoe自身、このようなクラシックといえるナンバーを挿入することもよくあるようです。
再びハード・ロック路線に・・・Time Out
ライヴでもよくプレイされるナンバー
Joeの歌とギターの音色は唯一無二のもの
ここではDon LenleyとJ.D. Southerがコーラスで参加しています。
そしてアコースティック・ギターのイントロから・・・
All Night Laundry Mat Blues
お遊びと言えるナンバーで、Dan Fogelbergが参加
ちょうど彼のアルバムSouvenirsをJoeがプロデュース
同時期ではと思います。・・・
B面、Turn To Stone
Barnstormでリリースしているので、セルフ・カバーといえるのでしょうか。・・・
なんと、Don Henley、 Glenn Frey、Randy MeisnerとEaglesがバック・コーラスに参加
前記の通り、シングル・カットもされましたが、あまりヒットしませんでした。・・・
それでも彼の代表曲と言えるでしょう。
続いてはアコースティックなナンバー、Help Me Thru The Night
「無事な夜を過ごして」と邦題がついていて、こちらにもDon Henley、 Glenn Frey、Randy Meisnerの3人が参加
後で思えば、この曲などそのままEaglesのOne Of These Nightsに収録されていても違和感がないでしょう。(苦笑)
そして、やはりハードなナンバー、County Fair
Joe Vitaleのパワフルなドラムスをバックに、Joeがギターを聴かせます。
そしてアルバム最後は、ピアノから始まって、壮大なストリングスもバックに・・・
Song For Emma
この曲だけ、プロデュースはBill Szymczyk
ドラムスはRuss Kunkel、ストリングス・アレンジメントはJimmie Haskell
Joeは優しい歌声で歌っています。・・・
実はEmmaというのは、前年、3歳で交通事故で亡くなった彼の娘さんのこと・・・
これは鎮魂歌だったのでした。・・・
このアルバムも全米チャートの11位まで上昇
コピー文句の通り、「アメリカ最後のハード・ロック野郎」として、Joe Walshの名前も定着、またこの当時、色々なフェスに出たり、ライヴ活動も多く行なっていました。・・・
それが・・・Eaglesへ参加
実はそのニュース、自分が洋楽を断っていた時期のことでした。・・・
それでもそんな大きなニュースだけに、耳に入ってきたのです。
後で思うと、このアルバムでの何曲か、それにBill Szymczyk、あとプロダクション等、共通点があり、納得がいくところでしょうが・・・
このSo Whatの時点では、Eaglesの個々のメンバーより、Joe Walshの方がずっとネーム・バリューのある人でした。
もし、One Of These NightsでEaglesがあれほどまでビッグにならなければ・・・
Joe Walsh & Eaglesというクレジットになっていたかもしれません。(苦笑)
Eaglesでは、3番手となりながらも活動を続け、またソロとしても
コンスタントに活動を続けるJoe Walsh
実はもう一つ、期待していることが・・・
彼はRingo Starrの義理の弟に当たり、All-Starr Bandにいたこともあるし、Ringoのアルバム製作も勿論、色々と仲が良いようです。
またPaul McCartyneyのレコーディングにも参加して重要なプレイを聴かせています。・・・
そんなこともあって、PaulとRingoが近い将来、リユニオンを果たして、その時にはJoe Walshにも重要な役を果たして欲しい
そのようなことも夢見ている次第です。・・・