Sparks@東京キネマ倶楽部
Sparks待望の来日公演
2017年10月25日(水)
鶯谷の東京キネマ倶楽部にて・・・
ビルの6階、勿論、初めてです。
洋楽を聴き始めて間もない1974年
確かアイランド・レコードの広告に、Bad Companyと並んで・・・
「キモノ・マイ・ハウス」
なんじゃこれは
・・・
ロンとラッセルのメイル兄弟によるSparksというバンドとのこと
そして、ラジオで聴いた
Amateur Hour
この中性的なヴォーカルで、お洒落なフレンチ・ポップスとも、ロック・オペラとも言える楽曲
いやぁ・・・これはまだ無知な中学生にとっては、あまりにも強烈でした。・・・
そしてSparksの次のアルバムProbaganda
日本で「恋の自己顕示」という邦題ですぐにリリース
「家へは帰れない」と邦題が着いたNever Turn Your Back On Mother Earth
もラジオ等でオンエアされ、こちらも短いながらドラマチックな構成
Sparksにハマっていきました。・・・
・・・が、しかし・・・イギリスではそこそこ人気があるにも関わらず、本国アメリカでは売れず・・・バンドのメンバーも離れ、兄弟2人だけに・・・
BeatlesのI Want To Hold Your Hand
をスローにしたカバーをシングルで出したりしていましたが・・・
自分の衝撃は薄れていきました。・・・
’77年だったか、映画「ジェット・ローラーコースター」で遊園地で演奏しているバンド役で出ていて・・・
(勿論、そのことは話題にならず・・・(苦笑))
こんなに落ち目なのかな・・・と思ったくらいです。
それが・・・
1979年、ディスコ・ブームの中、時の第一人者、Giorgio Moroder
彼のプロデュースでリリースしたNo.1 In Heavenで再び注目を浴びることに
以降、根強いファンも抱えています。
・・・そんなSparksですが、2001年のClub Quattro
での日本公演
見に行きました。
Ron Mael、Russell Mael
の兄弟に、ドラムスだけというシンプルな編成ですが、とにかく無表情でコミカルな動きをするRon
が可笑しくて、可笑しくて・・・
ヒット曲はしっかりやってくれて楽しいライヴでした。
以降、Fuji Rock~等で日本にも来ているようですが、自分としては16年ぶりに足を運ぶことに
ところでSparksですが、今年リリースしたニュー・アルバムHippopotamus
「カバ」のジャケットのこの新作がなんとProbaganda
以来43年ぶりにイギリスのアルバム・チャートでTOP10入り
健在ぶりを示しました。
・・・
雨の中、会場へ・・・
この日はオープニング・アクトとしてKimonosという日本の2人組が登場
19時より約30分プレイしました。・・・
さていよいよSparksですが・・・
なかなか始まらず、その間にこのオール・スタンディングの会場はお客さんでいっぱいになってきました。・・・
20時をさらに5分ばかり回ったころでしょうか、ようやくライトダウン
バンド・メンバー5人が登場
ギター2人、ベース、キーボード、ドラムス
揃いの横しまのTシャツを着ています。
そして・・・
Ron Mael
Russell Mael
この2人が登場
場内大歓声
Ronは横しまのジャケットとネクタイ
Russellは横しまの長袖シャツでステージ中央に
ステージ向かって右側の小型のエレクトリック・ピアノに着いたRon無表情で鍵盤を奏でてスタート
1曲目は、新作Hippopotamusから、What The Hell Is It This Time
もう70歳に近い、Russellのドラマチックな歌は健在
ステージ狭しと動き回って、曲の途中、ブレイクがあり再スタートです。
2曲目にPropaganda
古くからのファンは歓喜
アルバム同様、At Home, At Work, At Playが続きます。
「ドーモアリガトー、トーキョー」
リズムが個性的なGood Morning
続く、When Do I Get To Sing ”My Way"では熱狂的なファンがノッていました。・・・
「ニュー・アルバムHippopotamusから・・・言うことは・・・多分、ないよ・・・(笑)」
Russellの言葉通り、新作からのProbably Nothing
ピアノをバックに短く、続いて・・・
Missionary Positions
これが名曲Russell
の歌も素晴らしく、Sparks
健在ぶりを示しています。
続いてタイトル曲Hippopotamus
こちらはゆっくりとした感じでその通り「カバ」のイメージ、童謡にもいいかもしれません。
一転して、Nicotina
ドラムスもパワフル
ピアノで軽快に、新作からのScandinavian Design
こちらも上質なポップ・ナンバーです。
ピアノだけで始まって、オペラ風になるDick Around
ライヴも中盤で、新作から、Edith Piaf (Said It Better Than Me)
この曲の人形劇のPVも印象的
それだけ力が入っているのでしょう。
盛り上がってきたところで、お馴染みのピアノのイントロ・・・
Never Turn Your Back On Mother Earth
場内絶叫
Russellの熱唱に聴き入り、短いギター・ソロに感動
続いて、再び新作から、I Wish You Were Fun
これもポップなナンバー
’70年代ならヒットしたのでは
同じ歌詞が繰り返されるMy Baby's Taking Me Homeの後は・・・
ピアノのイントロで再び場内絶叫
This Town Ain't Big Enough For Both Of Us
そう、この曲でSparksはスターダムに
44年経ってもパワーは健在です。
ライヴも終盤・・・
そういったところで、打ち込みの音が・・・
場内もノリノリといった感じになって・・・
The Number One Song In Heaven
オールスタンディングの会場ですが、最高潮に・・・
そして、そんな時・・・
Ron Mael
静かに無表情でずっとピアノを弾いていた彼が、動き出し
ステージ中央へ
そこでジャケットを脱ぎ、ネクタイを外し・・・
そしてダンスを
このことを知っている人は、待ってましたとばかり・・・
この夜最高の盛り上がりとなりました。
Ronはピアノに戻り、静まり返り・・・
新作のラストに入っているLife With The Macbeths
Russell1人の歌ですが、ドラマチックに聴かせ、ここでエンディング
「3か月に渡ったHippopotamus Tourの最終日だったんだよ・・・」
Russellはそう言って、メンバー紹介
ギターは、Taylor Locke
ベースは、Zach Bawes
もう1人のギターは、Evan Weiss
キーボードは、Tyler Parkford
ドラムスは、Steven Nistor
ここでいったん終了となりました。・・・
アンコールに登場
何とHospitality On Parade
Russellのオペラ風の歌
まさに威風堂々といった感じ
続いて、コラボバンドFFSとしての、Johnny Delusional
ピアノから始まってハードな演奏に
そして・・・あのイントロ
Amateur Hour
場内、最後の絶叫
そう、この曲を聴いた時の衝撃は
43年経っても、誰も忘れていないでしょう。
最高潮のエンディングとなりました。・・・
最後にステージにRonとRussell
が残り・・・
「歓迎してくれて有難う、また来ます・・・」
と、Russellが言って、Ron
にマイク
を・・・
「マタアイマショウ」
このRonの日本語でこの素晴らしいライヴ
は幕を閉じました。・・・
「キモノ・マイ・ハウス」から43年
2001年に見て以来、なかなか予定が合わず行けなかったSparksの来日公演
しかも今回はフル・バンド
大いに満足しました。
兄のRon Mael
見かけは滑稽な人ですが(笑)凄い才能の持ち主
彼らの楽曲はほとんどRonのピアノが中心になっているわけですし、今年もHippopotamus
という傑作が世に出たのでしょう。
今年72歳のRon、69歳のRussell
ですが・・・
「マタアイマショウ」
この言葉を信じて、次回も期待したいと思っています。