1975年のアルバム(その16 Wish You Were Here / Pink Floyd)
洋楽を聴き始めてまもない頃、購入した「狂気」
(The Dark Side Of The Moon)
これは中学生にとってはあまりにも衝撃が強すぎました。
・・・と、同時にその後、どうなってしまうのだろう・・・そんな好奇心も
新作が出たと思いきや、それは初期の2枚を合わせた再発盤A Nice Pair
Pink Floydの新譜は出ないまま、1975年に・・・
そして1975年の夏
レコード会社を移籍して、2年半振りにPink Floydの新譜が出る
タイトルはWish You Were Here
勿論、超話題に
ラジオ放送で少しだけ解禁になった時、初めてタイトル曲Wish You Were Hereを聴きました。
アコースティック・ギターで始まるイントロ・・・
そう思いましたが、歌が入ってきて・・・
David Gilmourの声
そう、これがTimeやMoneyの声だ・・・
このメロディアスなアコースティック・ナンバー
Pink Floydに描いていたイメージとは違いますが感動
新譜に対する期待が膨らみました。
Pink Floyd
その新作の邦題はズバリ
炎
サブタイトルとして「あなたがここにいてほしい」と原題の直訳
レコード会社を移籍したということもあって、音楽誌等には大々的広告
そしてその中に・・・このレコードを1日3回以上聴かないで下さい、このレコードをヘッドホンで聴かないで下さい・・・あなたが火を吹きます・・・
そんな記載がありました。(笑)
尚、LPレコードには、紺色のカバーが被せられていました。・・・
メンバーは、David Gilmour、Roger Waters、Nick Mason、Richard Wrightのお馴染みの4人
Dick Parryという人がサックス、Roy Harper等のゲスト参加もあります。・・・
尚、全曲作詞は今回もRoger Watersです。
A面に針を下ろすとシンセサイザーの音がだんだんフェイド・インしてきます。
Shine On You Crazy Diamond (Part 1- 5)
ギターの音が入ってきて・・・
そしてメロディが変わり、ドラムス等入ってきて、ハードな演奏に
一瞬、静まって、David Gilmourの歌
Roger Watersも歌います。
バックに女性コーラスも入り、重厚に
そしてDavid Gilmourの官能的ギター
後半、インストゥルメンタルとなり、サックスがフィーチャー
そしてフェイド・アウト・・・
と、同時に機械の動作の音・・・
Welcome To The Machine
Richard Wrightがあらゆるキーボードを奏で、まさに機械の社会
このテーマは、次のAnimals、The Wallにも通じるのでしょう。・・・
機械の止まる音で、ざわめきが・・・俗世界に戻ったということでしょう。・・・
B面に移ると、エフェクターの効いたギターのカッティングから、Have A Cigar
歌うは、ゲストのRoy Harper
Led Zeppelinがサード・アルバムで彼のことを歌っている通り、Jimmy Pageが敬愛するイギリスのシンガー・ソングライター
Pink Floydのメンバーとは長年の友人ということで参加
日本では後にシングル・カットされたように、アルバム中、1番普通の曲・・・と思いきや・・・
音が急に消えて、片側チャンネルだけの小さな音に・・・
ここでオーディオ機器の故障と思った人も多いでしょう。(笑)
そのまま小さな音で次の曲へ・・・
そこへアコースティック・ギターの綺麗な音が入り
Wish You Were Here
まさにそのまま、かつてのメンバー、Syd Barrettへの思いを、彼とは交代した形になっているDavid Gilmourが歌っています。
風の音の中をフェイドアウトして、次の曲が・・・
Shine On You Crazy Diamond (Part 6- 9)
ハードな演奏となり・・・
そしてA面での耳馴染みなメロディ・ラインへ・・・
David GilmourとRoger Watersの歌
今度はRichard Wrightのキーボードをフィーチャーしてややファンキーな音へ・・・
そして静まり返ったプレイで、最後は光が差したような明るいメロディ・ラインとなり・・・この大作はフィナーレです。・・・
このアルバム
レコーディング中に、あのSyd Barrettが変わり果てた姿で現れ、メンバーがショックを受けたというのは有名な話です。
~Crazy DiamondはSyd Barrettのこと
Roger Watersは彼一人のことではないとも言っていますが・・・
後になって、Roger Watersの来日公演でのこの曲の時にバックに撮されたSydの肖像が大きくなって行った時は、ただ感動
圧倒されました。
Pink Floydの1988年の来日公演の帰り道、熱狂的なファンの人が・・・
「何度も何度も、金字塔を打ち立てているから、凄いよね」
と言っていたのですが、まさにその通り、そしてこのWish You Were Here(炎(あなたがここにいてほしい))も勿論、そんな1枚
組曲~Crazy Diamondの挟まれた3曲の計4曲だけなのですが、David GilmourもRoger WatersもHave A Cigar以外は、大抵のコンサートでプレイしていて、このアルバムが如何に重要かを示しているでしょう。
そして、クレジットはありませんが、このアルバムには、5人目のメンバーとして、Syd Barrettが存在している
これは間違いないでしょう。
尚、このアルバム
出た当時は、中学生ゆえ、そんなにLPレコードを買うことはできません。
同じ中学の同級生が買ったものを借りました。
そして、カセット・デッキで録音させてもらい、楽しませていただきました。
尚、自分自身としては、その何年か後に、音がいい、ダイレクトカッティング、デジタル・リマスタリングのLPレコードが出た時に購入しました。
1975年のNo.1アルバムということで、ここに挙げさせていただきましたが、勿論、これは時代を超越した永遠の名盤です。