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高をくくる



知り合いの大学の学園祭を訪ねた。僕とその彼女の関係はなんだかよく分からないものだったが、同志とか、元同僚とか、そんなかんじだった。彼女自身が発表することはなかったが、それでも自分と同等、それ以上に熱心なその人に久しぶりに会ってみたい気持ちもあった。

後輩ふたりを隣に、神戸の町を歩いた。秋だというのが、10月だというのが、信じられない暑さである。学園祭の時期は寒いということを体は記憶しているはずなのに、とんだ記憶違いだ。




4回生として、パフォーマンスを行う同期。そして、その後輩の発表。静かに見守った。

交流部屋なる場所で、3時間ほど話し込んだ。ささやかだが、楽しかった。この時間があっただけでも、来てよかったと思える。

卒業間近に企画をたてるか、たてまいか、そんな話をした。思えば1回生の頃、「上と下を繋げる交流会」に最後まで参加していたのは僕と彼女だった。正確には僕はコミュニケーション不全で途中で帰ったけれども……。

だからこそ、同じ機会を与えたいという。生真面目で、良い話だった。実現を願う。




その後、後輩の誕生日おめでとうの名目で、ファミレスでささやかに食事会をした。後輩たいの意欲は、自分がかき消えてしまうほどに、嫉妬してしまうほどに、素晴らしかった。

会議に向かう。
会議場に用いているお店はリニューアルオープンしていた。オシャレである。

団体そのものも、長い歴史がある。このリニューアルを記念に、静かに写真を撮影した。



決断を迫られて、
僕は選んだ。

正直自分の選んだことが
まっとうだとは思わないが、
完全に嘘ではないのだから。

これでよかったんだと思った。


この日、久しぶりにしゃぶしゃぶを食べた。やはり自分には焼き肉ではなく、しゃぶしゃぶがあっている。

2000円台前半で、米・肉・野菜・カレー・アイスなど食べ放題。流石、地元周辺で1番評判がいいだけのことはある。

おなかが満杯になる。
しばらくは食べられない。

祭りの季節だったようで、
カランカランと、
だんじりが走っていた。





自分に価値を見出だすのって
大変だなぁ

年を重ねるにつれて
昔やっていたような妄想が少なくなり、自分の妄想の世界はどんどん薄れていった。夢にまでみた妄想世界は消え、現実が夢を侵食した。

年を重ねるといっても、まだ20代だ。

夢の中でも僕は自分の団体のことを考えていた。
筋金入りだ。

そこまで考えられるものと出会えて、
幸せじゃないか。

そうして起きた僕は1分と経たない間にパソコンを起動して、団体の為に動く。

夢の中でも、現実でもしていることは同じ。でも、夢の中の方が、少しだけ孤独感が薄かったりする。

 

どっちかというと

普段の自分はビジュアルとかを気にする傾向が強く、

たまに「デザインの勉強をしている」

と勘違いされることも多かった。

もちろんそんな本格的なことを全くしていないが、

やはり何にでも見栄えが良いことを求めているのは事実だった。

手話を学んでからはよりいっそう、イメージに関して

意識する機会も増えてきた。

 

単に文章を挙げるだけなのと

写真がくっついているだけけのものならば

僕は写真があるほうが好きだったりする。

小説だとその限りでもないが、

表紙があるとなんだか嬉しいし、

タイトルと合った表紙に惹かれて買うこともある。

 

たまに記事本体にも写真をくっつけていることもある。

特に見られることを意識したいわけでもなかったが、

なんとなく写真がくっついているほうがかっこいいと考えた。

 

世の中には便利なフリー素材というものがある。

高校時代に沢山お世話になったことを最近思い出した。

ハイクオリティ。

いいね。


オリジナリティを求めることが多いけれど

特に何の目的があるわけでもないこのブログには

ちょうどいいんじゃないか。

 

 

以前、母親から本を渡された。

渡されたといっても棚の上にそれは置かれていたのだが。

 

「お前は馬鹿だからそれを読め」

 

日常的にそういうマイナス評価を受けていると

もはや少しくらいのことならなんとも思わなくなる。

 

その本は「言わないほうがいい言葉」のようなタイトルだった。

あまり内容は入ってこなかったが、

自分が似たようなことを考えているので

妙にそんな本が出版されていること自体は印象に残った。

 

【どうでもいい】

【知らん】

【関係ない】

 

侮辱的な言葉はもちろんだが、

僕はこういった言葉をあえて言わないようにしていた。

つい口に出してしまいそうな言葉であるのだけれど。

 

特に【どうでもいい】という興味なさげな言葉を

昔はよく言っていた気がする。

 

それはニヒルだか、クールだかを演出するために

わざと自分から閉じたような言葉を言い放っていただけだった。

 

これらの言葉に共通しているのが「非干渉」。

コミュニケーションの断絶である。

 

これをすれば議論は終わる。

僕はもう議論を終わらせたくなかったし、

出来るなら非干渉でいたくなかった。

 

干渉したいし、ずっと話していたい。

 

そんな思いから言葉を抑えるように努力しようとしている。

 

そんなことどうでもいいんだけど。

それで全て片付けていいのか、と自分に問う。

それでまた関係を切り捨てて、ずっと孤独に生きるのかと。

 

 

雨が朝から降っていた。

止んだと思い、ちょうどいいから今出かけようとすると

また雨は降り始めた。

 

先週の雨の日にバイクと衝突して以来

雨の日に自転車をこぐことが少しばかり怖くなっている。

手は大体治りかけていた。

 

この日は午後3時から会議が始まった。

午後10時まで居たメンバーはきっとかなり苦労したことだろう。

全く量の多いこと、この上ない。

参加者としてはこれを知ってどういう思いなのだろうか。

運営となった僕はもうこれについて思うことは特に無かった。

 

途中で大学に行ってコミュニケーション講座を受けようとしたのだが

どうも考えてみれば、希望のメールを送った後に

返ってきていないことに気付いた。

部屋も分からない。

仕方なく部室に行って、会議で消耗した電池を

貯めることにした。

 

部室には4回生が集まっていた。

女性たちだが。

相変わらず僕には入れない世界だった。

 

彼女たちが出ていき、少しばかり

日曜日の全体練習に向けて動こうとすると、

後輩の1人がやってきていた。

ドアの向こうの暗がりに顔を覗かせていた巨漢の後輩は

なかなかに衝撃的でホラーだった。

 

どうにも暗い雰囲気を漂わせていた。

この団体の先について考えている彼はもうどうやら限界が近いようだ。

代表時代の僕について彼は少しだけ言及した。

 

「ずっと真面目でしたよ」

「面白い人ではなくて、頭のおかしい人でしたよ」

 

頭のおかしい人。

本当に頭のおかしい人なんだろうか。

 

何の個性も持たない人が、

もし何らかの特殊性を自ら発揮したいと考えた時、

あるいは周囲から心配されたい、注目されたいと願った時、

頭がおかしく振る舞ったり、感情的になったりする。

 

特技もなく、蓄積のない人間はそうする他ない。

自分にもそのきらいがあったと思う。

「頭のおかしい人」を演じたかったのか。

「頭のおかしい人」なのか。

実際には自分はどっちなんだろう。

 

会議終了。

終電で地元の駅に戻ってきた。

帰り道はいつだって真っ暗な駅だ。

その割には駅前の広場を抜けると

街頭や、信号や、コンビニの灯りが

気持ち悪いほどに光っているので、目が痛かった。

流石に午前1時を回りそうになっているのだから、純粋に目が痛いというのもあるが……。

 

寂しいな。

最近、無性に寂しい、虚しい。



僕の髪の毛は天然パーマ。
重度天然パーマだ。

就職活動では時折笑い飛ばされたあげく落とされたり、矯正したりと大忙しだった。

オーガニックの矯正がとても良いことを知った僕は、学園祭発表でなんとか良い感じになりたいと時期を見計らっていた。

しかしなから雨の日の天然パーマは酷い。どう考えてもおしゃれ扱いされないような天然パーマ。ぐるぐるチリチリ。

本当にもうどうしようもない。

雨が嫌いになった。

出掛けることになってからこういう状態に気づいたのだ。いや、出掛けた時点ではこうではなかったのだ。恐ろしや。

 

かねてから予定されていた(といっても一週間だが)

2分間スピーチが終了してしまった。

結果からいえば、失敗した。

 

まさか機械のチェックまで直前に行ったのに

いぜ本番に動かしてみると反応していなかった。

どんな構造をしているのか、かねてから謎だったが

本当にどういうシステムになっているのだろう。

 

教室のみなさんからのチェックシートを読む。

全員が最高評価をくれていたことが驚きだったが、

正直自分としては納得がいかない消化不良のまま終わってしまった。

 

僕の次にスピーチをした子は

老けたわけにまさかの1回生だった。

落ち込んだ。

 

2分間スピーチ。

やり方は人それぞれだと思うが、

なにか、コツのようなものを考えている人は居るのだろうか。

 

情報処理の授業に出席。

次回からAccessを学ぶ。

どうやらAccessが使えることはIT企業でも

充分に評価されることらしい。

この授業を取って正解だったな。

 

4回生発表の練習をしようとしても

一部の男子が帰りたい帰りたいと嘆く。

なんて統率が取れない集団なのだろうか。

先行きが不安になってくる。

 

そうこうしているうちに

別の団体の反省文が回ってきた。

9月の企画は正直ダメ過ぎる醜態を晒してしまっていた。

それが強く映し出された反省文である。

穴が大量にあった。

反省会が憂鬱で仕方ない。

その分重要なんだけれども。

 

大学生になってから毎年

秋というのは学園祭練習に向けて

夜遅くまで練習を続けるということが恒例化している。

僕もこの練習期間を風物詩のように思うようになった。

 

庭で叫ぶ他の学生団体と

おとなしく練習する自分の団体のコントラストが

妙に慣れ親しんだようなものに思えた。

 

去年の1回生達は殆ど男子と接していた。

そして彼らは自分がメインとなって進行している学園祭成功のための

大きなファクターであり、頼もしさの対象だった。

 

それとうってかわって今年の1回生達は殆ど女子である。

学園祭主催という立場も消え、

努力する彼女たちの姿を微力ながら応援する立場にたっている。

4回生から見る1回生は随分可愛らしい。

頑張れ後輩達。

そう思うばかりである。