一月に入ってから最初の土日の過ごし方は
ある大学のスクーリングの手話通訳に出かけるというものだった。
スクーリングとは、普段通信教育式で授業を受けている人たちが
ある機会に大学に来て集中講義を受けるというものらしい。
その際に聴覚障害を持った受講者に対して
大学側が設置するのが手話通訳であるようだ。
これが大学の中で処理しきれず、僕にお鉢が回ってきたのが、
この一月の土日である。
この大学がかなり遠い。
何度か足を運んだことはあるものの、
まだ通いなれるといったようなことはなく、
僕は3時間以上前に家を出た。
電車を乗り継ぎ、バスに乗ってやっとの思いで辿り着く。
実はスクーリング通訳に来るのはこれで二度目である。
今回の授業内容は「情報化する社会」。
これからIT系に進む僕にとっては決して無駄になりえない授業になる。
手話通訳のために来ているとはいっても、ここで授業を聞いて知識を増やすというのも
僕の楽しみ方のひとつになる。
ここでのスクーリング通訳は基本的にペアで行われているようだ。
僕の今回のペアは、同じ団体のスタッフである女性だった。
しかしながら、あまり話す機会を今まで持ってこなかった女性である。
2日間のペアを通して、何か話すことが出来たらいい……と思いつつ、
女性と二人というシチュエーションに対して、どこか怖気づいているのも実際のところだった。
しかしながら、団体の代表である以上、メンバーとコミュニケーションをとることや
色々な考え方を、会議外で知ることも重要である。
ドラマやCMでよく見る、屋上で缶コーヒーを渡しいているイメージだ。
2日間を通して終わってみれば、少しばかり言葉を交わせた気がする。
協力した費用として交通費と時給が出たのは
僕にとってありがたいことになった。