通訳を通して 1/6・7 | no title

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高をくくる

 

   

 

一月に入ってから最初の土日の過ごし方は

ある大学のスクーリングの手話通訳に出かけるというものだった。

スクーリングとは、普段通信教育式で授業を受けている人たちが

ある機会に大学に来て集中講義を受けるというものらしい。

 

その際に聴覚障害を持った受講者に対して

大学側が設置するのが手話通訳であるようだ。

これが大学の中で処理しきれず、僕にお鉢が回ってきたのが、

この一月の土日である。

 

この大学がかなり遠い。

何度か足を運んだことはあるものの、

まだ通いなれるといったようなことはなく、

僕は3時間以上前に家を出た。

 

電車を乗り継ぎ、バスに乗ってやっとの思いで辿り着く。

実はスクーリング通訳に来るのはこれで二度目である。

今回の授業内容は「情報化する社会」。

 

これからIT系に進む僕にとっては決して無駄になりえない授業になる。

手話通訳のために来ているとはいっても、ここで授業を聞いて知識を増やすというのも

僕の楽しみ方のひとつになる。

 

ここでのスクーリング通訳は基本的にペアで行われているようだ。

僕の今回のペアは、同じ団体のスタッフである女性だった。

しかしながら、あまり話す機会を今まで持ってこなかった女性である。

2日間のペアを通して、何か話すことが出来たらいい……と思いつつ、

女性と二人というシチュエーションに対して、どこか怖気づいているのも実際のところだった。

 

しかしながら、団体の代表である以上、メンバーとコミュニケーションをとることや

色々な考え方を、会議外で知ることも重要である。

 

ドラマやCMでよく見る、屋上で缶コーヒーを渡しいているイメージだ。

2日間を通して終わってみれば、少しばかり言葉を交わせた気がする。

協力した費用として交通費と時給が出たのは

僕にとってありがたいことになった。