— 日本の“秘仏”と霊的な意味


真央「まほろ、この前テレビで“絶対に開けてはいけない厨子”の話を見たの。中に仏像が入ってるらしいんだけど、なんで見ちゃダメなの?」

まほろ「お、それは面白い話に触れたね。実は日本には“秘仏”って呼ばれる仏像があって、基本的には一般の人が見ることを許されてないんだよ。」

真央「どうして?見せたらご利益が薄れちゃうとか?」

まほろ「それもあるけど、もっと深い理由もあるんだ。たとえば“魂が宿っている”とされる仏像は、その姿を拝むだけで強いエネルギーを受けてしまうって考えられていてね。準備ができてない人が見ちゃうと、逆に体調を崩したり、心が乱れたりすることもあるんだよ。」


■ 「封印された仏像」には理由がある

真央「そんなに強い力があるってこと?」

まほろ「うん。たとえば奈良の夢殿の救世観音って聞いたことある?」

真央「なんとなく聞いたことあるけど…?」

まほろ「あれは聖徳太子の姿を彫ったとされる秘仏なんだけど、明治時代まで誰も見たことがなかったんだ。“見ると祟られる”って伝えられていて、扉はずっと閉ざされてたの。」

真央「えっ、じゃあ何百年も?!」

まほろ「そう。明治時代に岡倉天心たちが開けるまで、600年以上封印されていたって言われてる。で、実際に開けてみたら…顔に白い布が巻かれてたんだって。」

真央「なんか…ゾクっとするね。」

まほろ「それは、ただの彫刻としてじゃなく、“魂が入っている存在”として扱われていた証でもあるんだよ。」


■ 秘仏は「ご縁があった人」しか見られない?

真央「でも、たまに“ご開帳”ってしてるよね?」

まほろ「そう。ご開帳は“特別なご縁があるとき”にだけ、限られた期間で行われるんだ。たとえば長野の善光寺のご本尊も普段は絶対に見られない秘仏だけど、数年に一度だけ“前立本尊”が公開される。」

真央「“前立”っていうのは…?」

まほろ「本物のご本尊の代わりに、人々が拝めるように作られたレプリカだね。霊的な意味ではご本尊と一体とされることもあるよ。」

真央「なるほど…直接見ることだけが意味じゃないってこと?」

まほろ「うん。信仰は“見ること”より“心を通じること”が大事っていう教えでもあるんだ。」


■ 仏像には“魂が宿る”という考え方

真央「じゃあ、本当に仏像に魂が宿ってるってこと?」

まほろ「仏像を作るときには“開眼供養”っていう儀式があるんだけど、それで魂を入れるって考えられてるんだ。いわば“ただの像”から“霊的存在”に変わる瞬間だね。」

真央「…ちょっと怖いけど、神秘的でもあるね。」

まほろ「怖がらなくて大丈夫。仏像はあくまで人々を守る存在。ただ、ちゃんと敬意をもって接することが大切なんだよ。」


■ まとめ:仏像は“心で向き合うもの”

真央「なんだか、仏像って静かにたたずんでるだけじゃないんだね。見えない力があるっていうか。」

まほろ「そうそう。だから“見てはいけない像”も、恐ろしいというより、“準備ができた人だけが見ることを許される存在”なんだよ。」

真央「…もしかして、魂の状態で“仏像に呼ばれる”人もいるのかな?」

まほろ「それはあるかもね。見えない縁って、たしかにあると思うよ。」