私は廊下の曲がり角まで来た。目の前に二つの扉がある。
向かって左手の扉には〈バルサス〉と書かれた表札が付いている。
右手の扉には表札が付いていない。どちらも開けずに廊下を進んでいくこともできる。
バルサスって、何かの本に出てきたような… 記憶が正しければ、確か恐ろしい妖術師…
私は右手の扉を開けてみた。中は狭い通路になっている。
通路の突き当たりには窓があり、左手には扉がある。
扉には〈ディアボラス〉と書かれた表札が付いている。まだ雨は降っているのかしら?
窓にはカーテンが引いてある。私は用心しながら近づいた。
☆ゴゴオォーン★
途端に激しい雷の音がしたので、私は飛び上がった。けれど、別に妙なことは起こらない。
窓の外には頑丈そうな鉄格子があるので、ここから逃げるのは無理だ。
窓越しには何も見えず、雨粒がガラスを流れるだけ…
あーっ!?
よく見ると、雨粒は窓ガラスの一部分を避けているわ。風の仕業だろうか?
私は顔を窓ガラスに近づけてみた。雨粒の避けられている部分に何らかの文字が描かれている!
アバッドンにモルダナが
何のことかわからないけれど、覚えておこう。私は扉まで引き返して廊下に出ると、左へ進んでいく。
・
・
・
少し進むと、大きな階段の上に出た。階段の前には表札の無い扉がある。
一階へ下りる前に、モルダナとやらを見つけておきたい。
もしかしたら、善良な人の名前かもしれないし…
扉に鍵は掛かっていないので、私は中へ入ってみる。
そこは狭い物置だった。私は後ろ手に扉を閉めて、室内を見回す。
左右の壁の前に棚がある。また、入ってきた扉の向かい側には別の扉がある。
私は棚にある物を調べることにした。
陶器、食器、食料品などが置いてある。その中には鋭い肉切りナイフもあった。
武器として役に立ちそうだ。よし、セーラー服の下に隠しておこう。
(これを戦いのときに用いれば、技術点に3を加えることができる)
反対側の棚にはニンニクがあった。これはポケットに入れておくことにする。
他に気になるのは白い液体の入った瓶ぐらいね。
賞味期限が切れているかもしれないので、飲むのは遠慮しておくわ。
さあ、廊下に戻ろうか? それとも奥へ進もうか?
私は入ってきた扉の向かい側にある扉を開けてみる。
そこは狭い通路になっていた。左手には〈シェイタン〉という表札の付いた扉がある。
正面には〈マモン〉と書かれた表札の付いた扉がある。
私が探しているのは〈アバッドン〉という部屋だ。物置を抜けて、廊下へ戻ろう。
★ステータス
技術点 11(戦うときは-3)/11
体力点 16/18
運点 9/9
恐怖点 1/10
★持ち物
ペーパーナイフ(戦闘の際の技術点を原技術点の値にして戦える)
肉切りナイフ(戦闘の際に技術点に3を加えることができる)
ロープ
ニンニク
★メモ
アバッドンにモルダナが