《ハウス・オブ・ヘル》 第2話 ドラマーの伯爵 | TAKAYAN'S ROOM

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★コンッ☆ ☆コンッ★ ★コンッ☆

私は玄関まで戻ると、ノッカーを鳴らしてみる。

☆バタンッ★

取っ手が回り、扉が開いた。中から出てきたのは、燕尾服を着た長身の男だ。

男「こんな時間に何の用です?」

少し怒っているみたい… 私は愛想笑いを浮かべながら、今の自分の状況を説明した。

男「そういうことでしたら、どうぞ」

男は私を中へ入れてくれる。

男「御主人様がお会いになります」

私は応接間に案内された。椅子に腰を下ろして、この館の主とやらを待つ。
椅子は高級感のある造りで、見事なレリーフが彫られている。
部屋の壁を見ると、たくさんの肖像画が飾られている。
ただ待っているだけというのも退屈だわ。いや、そんなことを言ってはいけない。

スタ… スタ… スタ…

…! 足音が聞こえる。

★バタンッ☆


扉が開いたかと思うと、あの燕尾服を着た執事が入ってきた。

彼は扉を開けたままにして、もう一人の長身の男を部屋に通した。


執事「ドラマーの伯爵、ケルナー卿でございます」


伯爵は紫色のガウンを着ている。もうお休みになっていたのかな?

だったら、悪いことをしちゃったわね…


伯爵「こんばんは」




伯爵が手を差し出してきたので、私は握手をした。彼の手は力強く、その視線は鋭い。

私が事情を話そうとすると、伯爵は片手を上げて遮った。


伯爵「いや、あなたがお困りなのは聞きました。

  それにしても、よく降る雨ですね。おやおや、びしょ濡れじゃありませんか。

  あちらの部屋で暖を取られるといいでしょう。

  フランクリンズ、コックに何か作るように言いなさい」


執事「はい」


私は『そんなに気を遣わないでください』と言った。

けれど、伯爵は耳を貸さず、私を客間の方へ促す。








暖炉の前で濡れた服を乾かしていると、執事のフランクリンズが紅茶を運んできた。

紅茶と暖炉の火が体を温めてくれる。

(恐怖点-1だけど、0未満にはならないので、変化しない)


いつまでもお邪魔しているわけにはいかない。さっさと用件を言わないと…

私は伯爵に『電話を使わせてくれませんか?』と頼んでみた。


伯爵「残念なことに、この嵐で電話線が切れてしまったようです。

  明日の朝、業者を呼んで修理させましょう」


困ったことになったわ。イライザおばさん、心配しているだろうなぁ…


伯爵「この嵐では、業者も来てはくれませんよ。まあ、心配しないでください。

  我々は君を客人として歓迎しますぞ。今夜はお泊まりになるといい。

  明日にはフランクリンズが町へ送迎します。おおっ、彼が戻ってきた」


フランクリンズ「食事の用意ができました」


私たちは食堂へ向かう。



★ステータス

技術点 11(戦うときは-3)/11

体力点 18/18

運点 9/9

恐怖点 0/10