国際版少年少女世界童話全集⑲ 《空とぶかばん》

アンデルセンの作品です。

子供の頃に読みましたが、あらすじを覚えていません…

改めて読んでみましょう。

六つの作品が収録されています。

偉大な商人が亡くなり、その息子が財産を受け継ぎました。
しかし、彼は働きもせずに、いつも遊んでばかり…
時には金貨を川へ投げ込んでしまうことも…
そんなわけで、数日後には文無しも同然になってしまいます。
ある日、商人の息子を哀れんだ友達が大きなトランクをくれました。
けれど、商人の息子はトランクに入れられるような物を持っていません。
仕方なく、自分が入ってみると…

突然、トランクが浮き上がり、空へ舞い上がったのです！

しばらく飛んでいくと、少しずつトランクが降下してきました。
そして地面に墜落してしまいます。驚いたことに、そこはトルコの森の中でした。
息子はトランクを隠して歩いていきます。やがて大きな城が見えてきました。

息子は通りすがりの女性に聞きました。

『あの城ですが、なぜ高い所に窓があるんですか？』

『あそこには美しい王女が住んでいらっしゃいます。ある日、占い師が言ったのです。
　王女に恋人ができると、不幸が訪れるとか…』

『美しい王女…』

息子はトランクに乗って、城へ飛びました。そして王女の寝室へ…

王女は驚きましたが、怒りはしませんでした。

『退屈していたのよ…』

『私はトルコの神です。楽しい話をお聞かせしましょう』

『神様ですって！？』

『では、始めます…』

息子が作り話を聞かせると、王女は嬉しそうに微笑みます。

『あなたって、すごいわね！』

『お気に召しましたか。では、はっきり言います。結婚してください！』

『まあ！　せっかちな神様ね。そうそう、私の両親も楽しい話は大好きよ。
　あなたが両親を楽しませれば、私たちは結婚できるかもしれないわ』

『わかりました！』