アンデルセンの作品です。

それでは、本を取り出して楽しむことにしましょう。

その昔、すごくファッションを気にする王様がいました。
朝から晩まで次々と服を着替えるような人でした。ある日のことです。町に二人の職人がやってきました。
彼らは『誰も見たことのないような服を仕立ててみせる』と言います。職人の噂は町中に広まり、王様の耳にも届きました。
しかし、彼らはペテン師だったのです!
そうとは知らない王様は『金なら惜しまない。存分に使え』と言うのでした。
王様は二人にお金を渡しますが、急に不安になってきます。
『かなりの金を使ったが、本当に服は仕上がるのだろうか?』
ペテン師たちは熱心に編み機を動かしていました。
そして役人に『どうです? 見事な色合いでしょう』と言います。
役人『何も見えないぞ』
ペテン師たち『これは頭の悪い人には見えない服なんです』
ペテン師たちの言葉を聞いて、役人は慌てました。
役人『な、なるほど、確かに私にも見えるような気がする…』
役人は二人の腕を褒めると、城へ引き返すのでした。
ペテン師たちは服を着せる仕草をしますが、王様には服が見えません。
しかし、見えるということにしておかなければ、
王様は『頭が悪い』と言われてしまいます。
それが嫌なので、王様はペテン師たちを褒めるのでした。
この姿で町を歩けば、人々はどんな反応をするでしょうか?
長い冬が来ました。まるで氷の布団の上を歩いているようです。
大自然の前では小さな自分が無力だということを思い知らされます。嬉しい出会いもあります。そして同時に悲しむ者もいるのです…
コミカルな話があれば、悲しい話もあります、
必ずしも大団円とは言えない物語も…












