私が以前勤務していた高齢者専門の総合病院、浴風会病院

で経験したことですが、高齢者の一般科(精神科以外)の

入院患者の2割程度がうつ病に陥っていました。当時の浴風

会病院は300床の入院病棟に対して、精神科の常勤医が4人

もいましたので、ちょっと心の具合が悪くなると精神科医

が併診(内科や整形外科の主治医のほかに診療)していま

した。高齢者をきちんと診る体制があれば、入院患者の2割

程度にうつ病が見つかるのです。 アメリカのいくつかの研

究でも、高齢者が入院すると2割程度の患者がうつ病になる

とされています。うつ病と診断された高齢者の治療方針、処

遇は精神科医が決定し、保健福祉的ケアを保健師が担当しま

した。 すると以前は10万人当たり434.6人であったこの町

の高齢者の自殺率が、10年間の活動後には123.1人と激減し

たのです。つまり、うつ病と診断されても、きちんと治療を

受ければ自殺が7割以上も減るのです。

 

★入院や老人ホームへの入所はうつ病を発症させる。