昨今の日本社会は、老人にシロクロをつけるよう求めがち
だ。いわく、年相応に生きよ、遺族の迷惑にならぬよう終
活せよ……。そんな風潮に対して、御年87歳の横尾忠則は、
何を思うのか。自分は自分なのに、自分らしく生きるより
も年相応であるべきという社会のルールは僕には何だかわ
かりません。だから、それに従えと言われても、その意味
がわからないから従いようがない。やっぱり、自分の生き
方に従うしかしょうがないと思うわけです。それが、他の
人からは自由に見えたりしているのかもしれません。「終
活」という活動はそういうことなんでしょうけれど、これ
も言ってみれば、年相応に生きるという“常識”から出てき
たような言葉だと思います。もうこういう歳だから、生前
整理しておこうよみたいな考え方ですね。死後のことまで
全部いろいろと決めて、それで逝くってしんどい。死んで
からもまだ、現世を自分の好みで支配するなんて執着以外
の何物でもないでしょ。
★頭は早く死ぬように準備する。歩けなくさせて、息を吸え
なくさせて・・・。