自分のお金と勤務先の制度を「見える化」すると、現実が
見えることでかえって不安が増すかもしれない。しかし、
その不安は「いい不安」なのだ。漠然とした不安のままで
は、どこに問題が潜んでいるのか分からないため対処法を
考えることができない。
「見える化」すると、目を背けたくなる現実(老後資金は
潤沢に貯まっていない、年金額ってこれっぽっち?など)
が明らかになるが、その分、対策は立てやすくなる。再雇
用を希望するかどうかで迷うことなく、再雇用で働くかと
踏ん切りがつくかもしれない。生活のために働くことは、
カッコ悪くない。むしろ、働く理由は複数あった方がいい
と筆者は考えている。定年までに数年あるなら、老後資金
作りのラストスパートをかけて、貯蓄に励む。お金を貯め
るには支出を削らないといけないが、50代のうちに支出を
スリム化しておくと、60歳以降「収入ダウンの崖」に落ち
たときにソフトランディングできる副次効果も期待できる。
★定年前だけでなく常に倹約・貯蓄を意識し優先していても
いい加減なものだ。しかし意識しなかったらもう確実に悲惨
が待っている。