ベッドからよりも、床から起き上がるほうが、筋肉をより使

います。つまり、布団からベッドに変えることによって、日

々の生活のなかで無意識に筋肉を鍛えるチャンスを失ってし

まうのです。普通に生活できているのに、リフォームをして、

わざわざラクに生活できる環境をつくるのは、老化予防・改

善の観点からいうと、望ましくありません。段差を乗り越え

ようとしなければ、しっかりと太ももを上げて歩く機会も失

われます。一見、些細なことに思われるかもしれませんが、

毎日のことなので、それが積み重なると、大きな差となって

表れるのです。

 

★布団、階段、上がり框、坂、座布団、段差、物干し、これら

は老人ホームにはありません。バリアフリーでフラットな床で

生活すると衰えていきます。階段には電気錠がかかっており、

それを利用するのはスタッフだけ。スタッフはさらに元気にな

り、利用者はさらに弱る仕組みだ。