孤独死と聞くとつい、身寄りを失った老人に偏った問題で

あると想像してしまいがちだが、実態はそうではない。レ

ポートによれば、孤独死者のうち約4割が60歳未満の現役

世代であるというのだ。同レポートでは孤独死を「賃貸住

宅居室内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの

人」と定義している。死因そのものを限定しているわけで

はないのだ。彼らの共通項はいずれも部屋の中で、人知れ

ず亡くなったということだけである。2021年に国土交通省

によって発表された「宅地建物取引業者による人の死の告

知に関するガイドライン」によれば、孤独死や特殊清掃と

いった事象が発生した物件では、次の入居者に対してその

旨を必ず知らせなければならないことになっている(老衰

や病気による死であり、なおかつ特殊清掃も発生しなかっ

た場合は、その限りではない)。