ところがLINEは容赦ない。相手が自分のメッセージ
を読んだのかどうかが瞬時に分かってしまう。既読スル
ーを苦にして若い女性が自殺といったニュースも流れ、
既読したならとにかく一刻も早く返さねば、という無言
の圧を受けるようになった。
冒頭に紹介した金原さんの小説のヒロインは、友人から
のLINEに何と返すべきか悩んでいるのだが、それは
相手がかなりヘヴィーな人生相談をしてきたからだ。
私は基本、LINEは2行以内までの連絡事項しか送ら
ない。そして相手がイエスかノーで答えられること以外
聞かない。これは江國香織さんの小説から学んだ。本当
に育ちのいい人は、相手が答えに窮するような質問をぶ
つけない、と。それから長さにも気をつける。Z世代だ
と、「了解」を「りょ」と短縮するくらいだから、おじ
さん構文のように長々と書かない。
★俺はずーっと携帯は持っていなかった。不要だからだ。
しかし銀行振り込みや本人確認でスマホのSMSが必要に
なったので、SMSが受信できるプリペイドスマホは買っ
た。データ通信はできないのでLINEは使えない。仕事で
の連絡は固定電話かSMSで充分足りている。