【児童手当③】児童手当はなぜ世帯合算ではないのか | 高槻市議会議員 平田裕也

高槻市議会議員 平田裕也

若者代表!高槻から日本を元気に!!

児童手当法が改正されたことに伴い、本市においてもシステム改修費が予算計上され12月議会で可決されました。委員会質疑の内容をお伝えします。

 

今回は児童手当の支給要件について。なぜ世帯合算ではなく、どちらか収入が高い方が基準になるのかなどについて議論しました。また、多子世帯への支援の必要性について問いました。

 

(※あくまで覚書のため、正確なやりとりは市ホームページの会議録をご覧ください。)

 

 

[平田]

児童手当の支給要件について伺います。今、コロナ対策として進められております18歳以下への10万円給付。この議論の中で、支給基準となる収入が世帯合計ではなく、父親か母親いずれかの収入が高い方の数字を用いるということで、このことによって逆転現象が起きてしまうということが、メディアでも取り上げられて、それはおかしいんじゃないかと話題になりました。

 

 

これ児童手当の仕組みをそのまま適用しておりますので、今回の特例給付についても同じような逆転現象が発生してしまうことになってしまいます。

 

 

配偶者と子ども2人の四人家族がモデルケースとなっておりますが、たとえば夫の収入が1,100万円、妻の収入も同じく1,100万円の場合、これは世帯収入が2,200万円あるにも関わらず、どちらの収入も所得制限の1,200万円に届いておりませんので、特例給付を受けることができます。

 

一方で、夫の収入が1,200万円、妻が専業主婦で収入がない場合、世帯収入1,200万円になりますが、これは夫の収入が所得制限にかかりますので特例給付を受けることが、今回の法改正によって、できなくなります。

 

 

ということは、かたや2,200万円の収入で特例給付が受けられる、かたや1,200万円の収入なのに特例給付が受けられない、こういった逆転現象が起こることになります。どうしてこのような矛盾が起きるのかお伺いします。

 

 

また、18歳以下の10万円給付でもそうですが、こういった逆転現象というのはなかなか市民国民の皆さんに納得いただきにくいと思うんですが、そもそもなぜこういった制度になっているのか、あわせてお答えください。

 

 

[答弁]

児童手当の要件については、児童を養育している者本人の所得のみを勘案するものであり、配偶者および扶養義務者の所得を問わない、とされています。国としては、児童と一定の生計関係にある養育者本人が最多収入者であることが通常と考えられ、その所得のみを審査すれば足りるとされたものです。

 

 

[平田]

ちょうど50年前にあたります、1971年にこの児童手当法が制定されますが、当時は現在ほど共働きの世帯というのが多くありませんでした。世帯主の男性が世帯収入の大半を稼いでいた時代でありまして、国会の審議においても、男性の働き手を念頭に一人の収入で判断するという考え方にほとんど異論は出なかったということであります。

 

 

そういった時代背景の中で、現行法の制度となっているわけでありますが、これが50年間変わらずにきたというのが、いま矛盾を生んでしまう原因となっております。50年前と比べて社会環境は大きく変わり、いまや7割近くが共働き世帯であり、極めてスタンダードな家族のあり方となりました。

 

 

当然法律も、制定時からギャップが生まれてくれば、その都度社会状況に応じて改正していかなければなりません。この世帯合算の考え方について、国の方で検討されていると伺っておりますが、その検討状況について把握されている範囲で構いませんので、お答えいただきたいと思います。

 

 

それと最後もう一点お伺いします。今回の法改正の中で、多子世帯への給付拡充が検討規定として設けられておりますが、なぜこのような検討規定が設けられることになったのか、多子世帯が置かれている現状について市の見解を伺います。

 

 

[答弁]

国における検討状況ですが、児童手当については、多子世帯等への給付の拡充や、世帯間の公平性の観点からの世帯合算の導入も含めて、引き続き検討するとされています。多子世帯が置かれている現状については、子育て・教育・住居など様々な面における経済的な負担が大きいと考えております。

 

 

[平田]

子どもが多くなりますと、当然経済的な負担が大きくなるんですが、今回の特例給付の所得制限が設けられることによって、所得制限にかかってしまうと子どもが四人いても五人いても給付が一切受けられなくなります。今回の法改正がされるまでは、子どもの数に応じて給付されておりますので、今回、所得制限によって特例給付を受けられなくなるということは、特に多子世帯の皆さんにとっては、負担が大きくなるのではないかということが議論されているのではないかと思います。

 

 

今後、国の方でも調査をしていくことになると思いますが、本市においても多子世帯における経済的な負担がどれくらいかかっているのかということについては、現状をしっかり把握していただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。

 

 

この多子世帯への支援に加えて、先程来申し上げてきました世帯合算についても、今後議論されていくことになるかと思いますので、これは私も注視していきたいと思います。

 

 

いずれにせよ、子育て支援全体の中で、児童手当がどういった役割を果たしていくのか、また限られた財源の中で、いかに効果的に支援をしていけるのか、こういうことを私自身も考えていきたいと思いますので、皆さんにもぜひ目の前の支援も当然大事ですが、将来的にどういった子育て支援施策をしていくのか、大きなビジョンの中で取り組みを進めていただきたいと思いますので、その点改めてお願いして終わります。