関フィルの定演を聴きに、ザ・シンフォニーホールに行ってきました(2013年5月30日[木])。
プログラム
【前半】
R.ワーグナー:ジークフリート牧歌(生誕200年記念)
R.シュトラウス:4つの最後の歌(1948)
【後半】
R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナーデ 変ホ長調 作品7(1882)
R.シュトラウス:「ばらの騎士」作品59よりの組曲(1944)
●指揮・・・服部譲二
●ソプラノ・・・佐々木典子
今回は1階席で、それも前から7番目のG席だったので、かぶりつきで観るという感じでした。
聴くというより「観る」です(笑)
しばらく2階席で聴くことが多かったのですが、音の違いが顕著ですね。
個人的には2階席正面のほうが音がふんわり上がってくるので好きなんですよ♪
あ、ベランダ席は苦手です^^;
音が時差で聞こえるのが気持ち悪くって。
(時差といっても1秒の何分の1なんですけど)
とはいえ舞台から近い席だと、指揮者のうなり声や(笑)弦楽器の雑音までしっかり聞けるので楽しいです(^O^)
後ろから聞こえてくる音が小さめなので(残響が人に吸収される)、舞台からの直接の音が迫力に変わります。
ブラボーおじさんの掛け声ってコンサートの印象を大きく変えますよね^^;
今回のおじさんはタイミングがかなり早い方だったので、ちょっと興ざめしてしまいました。
指揮者の方も苦笑いしているのが見えましたよ。
<R.ワーグナー:ジークフリート牧歌(生誕200年記念)>
ジークフリート牧歌/ワーグナー名演集/キングレコード
これが一番聴きたかった曲です。
最近ワーグナーを聞く機会が多いのですが(今年は生誕200年ですからね)ワーグナーというと
ジャジャーン!
ババーン!
ドコドコ~!!!
と、激しい曲が多いですが、これはそのイメージで聞くと
「ほんとにワーグナー?」
といいたくなるような静かな曲なんです。
「牧歌」ですから本当にのどかで美しいメロディーです。
当時は15~16人で演奏したそうで、その事実を聞くと納得のメロディーでした。
のどかでゆったりした曲なんですが、眠気は誘わないんですよね。
さすがワーグナーだなあと思いました。
ジークフリート牧歌は妻のコジマ(リストの子供)の誕生日のプレゼントに書いた曲です。
その事実からしても、ジャジャーン!!!はありえないですよね(笑)
ゆったりと美しく、どことなく宇宙も髣髴(ほうふつ)とさせるメロディがマエストロの手にかかると、甘やかな世界にどっぷり浸ることができ幸せなひと時でした。
<R.シュトラウス:4つの最後の歌(1948)>
佐々木典子 R.シュトラウス:歌曲集”四つの最後の歌”/ナミ・レコード
はじめて聴く曲でした。
「4つの最後の歌」はリヒャルト・シュトラウスが最晩年に作曲した管弦楽伴奏歌曲集です。
死を予感していたとマエストロの服部譲二氏はおっしゃっていましたが、そんな雰囲気が漂う曲でした。
ソプラノの佐々木典子さんの歌声が本当に美しかったです。
何度も目が合ったので私のために歌ってくれているような気分になりました(笑)
これも席が近かったお陰ですね^^
「4つの最後の歌」はソプラノ歌手にとっては特別な存在なんだそうで、そういった思いがひしひしと伝わってきました。
オーケストラは大編成なのですが、音が優しいんです。
弱弱しい音だとか小さい音というわけでなく、繊細なんです。
オケって本当に勉強になります。
<R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナーデ 変ホ長調 作品7(1882)>
こちらも初めて聴く曲です。
リヒャルト シュトラウスが18歳のときに書かれた曲だそうです。
一説には入試のための曲だったとか。
なんとなくモーツァルトを思い出してしまったのは気のせいでしょうか?
私はオケ(オーケストラ)ですと弦(弦楽器)の方が好きなんですが、こうやって管(管楽器)だけをしっとり聴くのもいいもんですね♪
管の魅力を再確認させてくれる曲でした。
特に興味深かったのは、ホルンの音がすごくまろやかだったんですね。
ホルンの音って柔らかい中にやはり金属の冷たさを感じるので物足りなさを感じるときもあるのですが、今回はすごく柔らかくて優しいから不思議だと思っていたんです。
また、赤いベル(音の出口の部分)は珍しいなあと思ったのですが、後日調べてみると桜の木で作られているそうです。
世界で木製のベルを使ってらっしゃるのは首席客演奏者としてご出演されていた福川伸陽さんのホルンだけなんだそうです。
これは本当に貴重な体験をさせて頂きました!
<R.シュトラウス:「ばらの騎士」作品59よりの組曲(1944)>
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」 [DVD]/ユニバーサル ミュージック クラシック
「ばらの騎士」はオペラなのですが、その中でこちらの曲はオペラを25分ほどに圧縮したものです。
曲だけを聴いていても情景が想像できるので楽しいです。
ワーグナーやモーツァルトを聴いているような感じにもなりました。
興味深いのは、ワルツの部分があるのですがウインナワルツではないんですよ。
ドイツの田舎男が踊っているワルツなんです。
もうこれは曲からひしひしと伝わってきて思わず笑ってしまいそうになりました。
今回指揮をされていた服部譲二氏はヴァイオリニストでもあるそうなんです。
以前、同じく指揮者でヴァイオリニストのオーギュスタン・デュメイ氏の指揮を何度か聞いたことがあるんですが(もちろん曲目は全く違いますが)、やはり楽器をなさる指揮者ってどことなく何かが違いますね~。
上手く表現できないんですが、オーケストラ自体が一つの大きな楽器のような、そんな印象を受けました。
急遽チケットをいただいたので、予習がほとんどできず聴きに行ったのですが(しっかり味わいたいので、普段はしっかり予習してからコンサートを聴きに行くんです)はじめましての曲があってもとても楽しめるコンサートでした。
ピアノを弾いて勉強するというのとはまた違った勉強ができてよかったです。
今後の指導にもしっかり活かして行きたいと思いました。