みなさまこんにちは^ ^ たかつきホーム🍀ホームアドバイザーの田原です。
今月は住宅診断、ホームインスペクションについて特集しております。
ところで、なぜ私がここまでホームインスペクションをおすすめするのかという事が気になられる方もいらっしゃるかと思います。
これは私の長年の経験から思うことなのですが、住宅業界は仕事のベースが新築にあり、
リフォームの場合に必要であるはずの事前調査が全体的に疎かであると感じています。
更地に家を作るのと、建っている家を改修する仕事は、基礎的な面は同じでもプロセスが全く違うものであると思っていて、
その解決につながるのがホームインスペクションだと期待しています。
前回も述べた通り、ホームインスペクションとは住宅の健康診断ですから、
中古住宅の取得、購入のタイミングには勿論、
リフォームの際などには、まずここから入るべきだと考えます。
※こちらはホームインスペクションの概念図。ホームインスペクションは全ての住宅診断の基本になります。
リフォームを希望する方の依頼先として、多くの場合こうした“専門業者“に直接依頼するような形となっています。
しかし、これを自分の体、医療のプロセスに置き換えてみると…
こういうことになりませんか?
リフォーム(手術)というアプローチの前に、
・ホームインスペクション・・・家の健康診断
・各種性能診断・・・家の精密検査
・ヒアリング・打合せ・・・家のカウンセリング
こうしたアプローチを踏んで、ユーザーさんがもっと納得してコストを投じられるように努めるのがプロの仕事だと考えています。
ということで、昨年晴れて住宅診断士(JSHI公認ホームインスペクター)となった私が、これまで数件診断でお世話になった物件の中から、このブログにて内容をご紹介させていただくことをお許しいただいたお客様の事例から、チェックポイントなども交えてご紹介させていただきます。
ホームインスペクションでは、まずは家の外まわりから診断を進めます。
まずこのように、外壁タイルの剥離が発見されました。
また、タイルやモルタルで仕上げてある壁面は、打診棒という専用の器具で生じる音を確認して、表面の剥離がないかなどを確かめます。
このお宅はこのように、外壁タイルの剥離が複数あったためヒアリングをしたところ、2001年の芸予地震(震度5弱)の際に多くの箇所のタイルが剥離したとのお話でした。
そうなると、このタイルの剥離の原因がその地震にあったのであれば耐震性に不安が感じられますし、
他に原因があったのだとすると、例えば不同沈下(地盤が原因)とか、シロアリの被害とかが考えられます。
こうした予想が、室内の調査内容とも連動してくると、ある程度原因が予想できる。
そして、予想した原因を特定するための詳細二次調査や精密検査に繋げてゆくというアプローチになります。
こちらは鋼板の外壁材で、色褪せが起こっているものの、まだ錆は生じていないですから、塗装の塗り替え時ですね、とアドバイスが出来ますね。
基礎と外壁の接合部など、下から覗き込まないといけない箇所は、点検用のミラーなどで確認します。こういう見えにくく、光の当たりにくい所にはシロアリがトンネルを作っていることが多くありますもので。
こちらはデッキの木材ですが、シロアリの食害がみられますね。外部でこうやって雨に濡れる所に木材がある場合は本当に要注意です。家の中にシロアリを呼び込むことにもなりかねませんのでね。
軒天にもヒビが生じています。こちらも外壁タイルと同じ部分に原因があるか、今後の調査から分析していきます。
軒天材については、今ですと特にアスベスト含有のリスクが想定されますので、その辺りもチェックポイントですね。
…ということで、今週は外回りのチェックポイントをご紹介してきました。
ホームインスペクションのいいところは、知識ですから、ユーザーの方でもしっかり勉強すれば自分で点検が出来るということです。
家の事を一番わかっているのは、結局は毎日過ごしているみなさまですから、ご自身で点検をするためにホームインスペクションを勉強するというのもいいアプローチだと思いますので、ご興味がある方はチャレンジしてみてくださいね!!
それでは、また来週お目にかかります。
みなさまの暮らしが、いつも安全で快適なものでありますように🍀