

DVDで、「ヒロシマナガサキ」を観ました。
原題は、「WHITE LIGHT/BLACK RAIN」
日系3世のスティーヴン・オカザキさんが製作・監督のドキュメンタリー映画です。
この監督、アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門で受賞したことがあるらしい。
冒頭、街中で日本の若者たちに「1945年8月6日に何が起こったか知っていますか?」と、インタビュー。
誰一人として、答えられない・・・。
このDVDのおまけに、監督のインタビュー映像があって、なぜこの映画を作ったのかが語られています。
原爆投下50周年に、アメリカのスミソニアン博物館で、原爆被害の実態を展示しようという動きがあった時、アメリカの中で、それに激しく抗議する動きがあって、結局実現することができなかったという出来事がありました。
同じように、オカザキ監督が作ろうとしていたドキュメンタリー映画も挫折しました。
中沢啓治さんの「はだしのゲン」に心を打たれ、被爆者の人たちと約束した映画・・・。それから10年後に実を結びました。
広島と長崎の被爆者14人がその当時、彼らが経験したことを語ります。
そして、その当時撮影され、25年間封印されていた映像が映し出されます。
その中には、その人たちの痛ましい姿が映し出されています。
まさに、歴史の証言です。
自分たちも真珠湾でひどい目にあった。原爆投下によって、戦争の終結を早めたのだ。我々は間違っていない。
という意見もあります。
でも、その結果をもたらした原爆の恐ろしさという「事実」を観ようとしてこなかった、こともあります。
50周年で挫折した企画が、60周年でアメリカで、世界で衝撃を与えたのは、まさに「9・11」を経験したからにほかなりません。戦争の悲惨さということを目の当たりにして、ようやく「真実」を観ようとしてきたのでは・・・。
広島の原爆資料館には、被爆を体験した方々が残した絵や音声がたくさんあります。生き残ってしまった自分たちが伝えていかなくてはならないことは・・・。
冒頭のシーンで、「もう、ここまで来ているのか」と、愕然としましたが、二度と過ちを繰り返さないためにも、語り継いでいく、「平和」ということを考えていく、そのためにも貴重な作品だと思います。
ぜひ、観ていただきたい作品ですね。