


わたしは、TUTAYAの「ネットで予約、自宅に届く、ポストで返却」というのを利用しており、予約リストに片っ端から入れているのですが、2本ずつ届きます。今回は「少林少女」と「UDON」、同じ監督の作品だったんですねえ。偶然にビックリ!どちらもすばらしい作品でした。
「世界中を笑わせるコメディアンになる」との夢破れ、実家にこそこそ舞い戻る松井香助(ユースケ・サンタマリア)さん。
実家は「うどんや(製麺所)」、姉の藤元万里(鈴木京香)さんと夫の良一(小日向文世)さんは温かく迎えますが、父親の拓富(木場勝己)さんは冷たく突き放します。
うどん一筋で家庭を顧みない父親のために母親(笠置シヅ子)が死んだと思っている香助と父親には深い溝があります。
編集者をしている宮川恭子(小西真奈美)さんは、迷子のような人生。足元をしっかり見つめず、おまけにすごい方向音痴。文学を志しているのだけど、なんでここにいるのだろう、そして、ここはどこ?
山道で道に迷ってしまった彼女は「熊危険」ゾーンに迷い込み、たまたま、ガス欠で途方に暮れていた香助さんと遭遇します。
そこに、クマが出没! あわてた恭子さんと幸助さん。二人を乗せた車はがけから転落し、車は大破。
方向音痴なのに先頭に立ちたがる恭子さんのおかげで、完全に迷子になった二人でしたが、ようやく一軒の家にたどり着きました。
そこはうどんの製麺所、出されたうどんのおいしかったこと。
香助さんが戻ってきたので友人たちが飲み会を。狭い町のこと、香助さんが女性と二人で朝を迎えたことは知れ渡っていました。
親友で広告会社に勤める、鈴木庄介(トータス松本)さんから、勤め先を紹介された香助さんが訪れたのは、タウン誌の編集部。そこには、あの恭子さんがいました。
「1冊売れたら10円」という契約に、「10万部売れたら100万円!」と喜ぶ香助さんですが、後発のタウン誌など見向きもされません。
ならば、売れるようなものを出せばいいんだ。
よく考えてみたら、香川県はうどんばっかりの県なのに、どの雑誌、タウン誌も取り扱っていない。
「うどんのこと書いても売れない」と大谷編集長(升毅)はいいますが、取材開始。
看板もなく、どこにあるのかわからないようなうどん屋さんだけど、「ねぎは外の畑で採ってきな」という店だけど、すごくうまい!
これをどう記事にするのか、常識的な文書じゃ伝わらない。読んで、自分も行きたくなるような記事は・・・。
恭子さん悩みぬいて、会話調の記事に、「麺通団」の結成です。。
これが、当たりました。
編集部は、うどんの店を訪ねては、記事にします。
すると、全国から、讃岐うどんの巡礼者たちが訪れてきます。
「うどんブーム」の到来です。
でも、香助さんと父親の確執は続いています。
香助さんの莫大な借金を父親が勝手に返済し終わったことに香助さんは怒ります。
でも、姉は彼に、母親はうどん一筋で融通の利かない頑固な父親のことをわかって結婚したんじゃないのか、そして、「ひとつ65円のうどんで、どれだけ大変だったか」と諭します。
父親は、麺を作り学校や病院などに出荷します。製麺所を子供が訪れると、父親はうどんを作ってやり、「器は洗っとけよ」と声をかけます。嬉しそうに食べる少年。
ブームは、やがて去っていきます。
うどんフェスティバルを成功させた香助さんたちですが、庄介さんは会社を辞めて、親の農家を継ぎます。
香助さんは、うどんの店を継ごうと声をかけますが、その時父が倒れます。
父が倒れ、はじめて「松井のうどん」がみんなに愛されていたことを知った香助さんは、父のうどんを目指し、うどん作りを始めます。
「あんたに、父のうどんは作れない」という姉は、父親の49日には店を閉じるといいます。
がんばれ、香助さん! うどん版「タンポポ」ですね。
全編流れる、ビゼーの「カルメン」もよかったです。
すばらしい作品でした。こういう映画大好き。