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2017.1.8(Sun)10:00-15:10、大分市野津原ななせ館
おごめ~ん、大分のtakatch親方です(`・ω・´)ゞ
本日は、大分地質学会の総会・講演会に出席。
昨年に引き続き2回目の出席。…近年、この総会・講演会のみの出席という、いわばゴースト的会員状態ですが。。。(苦笑)
それでも、活動や地質には興味あり!今回の講演会で、さらに学びを深めます!
以下、講演会の模様を簡単ながら共有いたします!
<1.個人発表>
(1)「大分/碩南層群中の火砕流堆積物と磨崖仏」
・講師:吉岡敏和氏
[1.大分碩南層群とは]
(特徴)
- 新第三世紀末~第四紀の非海成(最上部の一部は海成)の堆積物
- 内陸部のカルデラを給源とするいくつかの火砕流堆積物を挟む
- 中央構造線の横ずれ運動に伴う大分平野(別府湾)の沈降により堆積
…という特徴あり。
(分布)
(主な堆積物)
古い順(下部)から…
「敷戸>耶馬渓>今市(曲)>米良>由布川」の各火砕流が堆積。
[2.磨崖仏]
大分碩南層群では、磨崖仏がたくさん!
▽📝高瀬石仏
大分市南西部、稙田地域。敷戸火砕流。
【大分】高瀬石仏|県内最古レベルの磨崖仏(-人-)動画→https://youtu.be/rY3SztxbzYk
▽口戸磨崖仏
同じく稙田地域、敷戸火砕流。
大分市中心部。曲火砕流か?
▽岩屋寺石仏
元町石仏から少し西の尾根沿い。米良火砕流orその下位の火砕流堆積物
▽伽藍石仏
岩屋寺石仏よりさらに西、米良or由布川火砕流の二次堆積物?
▽曲石仏
大分市森岡、阿蘇4火砕流
▽大迫磨崖仏
豊後大野市千歳町、由布川火砕流の上に阿蘇4火砕流。
▽菅尾磨崖仏
豊後大野市三重町、阿蘇3火砕流の上に阿蘇4。
[3.まとめ(磨崖仏に適した崖の条件)]
大規模火砕流の場合、「節理・割れ目が発達していない」「粗粒の軽石・岩片が少ない」
→非溶結~弱溶結部が最適!
→阿蘇4の場合、下部の弱溶結部に多く造立(※彫りやすいが、磨崖仏の損傷例もあり。)
(2)「竹田市白水(神原川上流)における祖母火山岩類」
・講師:工藤幸久氏
先日エコパークシンポジウムでも軽く学んだ祖母山の地質についてです。
[要旨]
・ユネスコエコパーク登録を目指す祖母・傾・大崩。カルデラ火山だが、構造は異なる。
・祖母傾=コールドロン(中央が陥没→裾野部分がリング状に残る)
→現在が、風化が進み火山跡残らず。
(←→・大崩=バイアス型カルデラ…裾野部分が爆発し中央部のみ残る、リングダイク=環状型山脈)
・白水(しろうず)という祖母山麓(神原渓谷より山奥)で調査
→デイサイト質流紋岩がメイン。
→※祖母傾=噴火時代が古く表面風化激しい⇒白っぽい露頭ばかりで観察が困難。
・ユータキシチック構造=軽石が扁平化→綿密なレンズ状へ→水平に配列
・講師:熊本智之氏
昨年、大分でも大きな地震が発生。由布院地域でも甚大な被害あり。由布院の被害調査結果と地質学的考察が行われました。
📝今春の巡検会では、この由布院盆地の被災地を訪問予定です。
Cf:あれから1年~熊本・大分地震の影響@大分地質学会~動画→https://youtu.be/SVrRJaSkAg8
[要旨]
・調査に入ったのは、地震から2週間後。
→地震直後の状況とは異なる点が多々あり。
→熊本益城と比べ、断層の変位量:少=”由布院の被害は少ないのでは”という反省…。
→実際、益城に比べ行政の動きも調査入りも遅かった。
→今後の反省としよう。
・今回の大地震の特徴=「震度7」&「連続発生」が特異。
・断層…荒木断層が動いたのでは?
・5月の大型連休前に発生→風評被害が深刻だった。
(4)「網戸用防虫網を用いた小型脊椎動物化石の採集法」
・講師:北林栄一氏
毎年ユニークな研究発表をされる北林氏。
今年は、化石採集における秘密兵器!?の試行錯誤の結果報告です。
[要旨]
・化石発掘現場…多くの岩石が廃棄されるが、その中にも化石があるかもしれない!
→様々な方法を試して、化石採集。
Ex:篩による水洗法…篩(ふるい)と過酸化酸素、大型冷蔵庫を使って採集
→But,個人負担では非常に難しい条件。。。
Ex:岩石が泥化するまで待つ(風化した岩石を採取)→But,数年もかかる。。。
↓
・結果:市販の園芸用篩(網目開き約6mm~9mm)+18メッシュ(1.15mm)+30メッシュ(0.67mm)を使って採集(水洗)
⇒小型脊椎動物化石(咽頭歯など)を数多く発見!
・メイン採集地である安心院以外でもこの方法が試せるか、県内外各地で実験中。
→Ex:古琵琶湖群上野層の大山田湖(長野県飯田市)
…かつてコイが優先する「コイの湖」と呼ばれた。
→But,水洗法で調査すると、フナやコイ亜種以外の種類の方が多い
=”コイの湖=肉眼法・ハンマー採集など比較的大きな咽頭歯化石標本に基づくもの”だろう。
▽水洗法で採集された標本の一部(mmレベルの世界!)
(5)「熊本地震と教材化」
・講師:田中均氏(熊本大学)
昨年は、熊本で大きな地震が発生。被害も多く発生。
今回、熊本大学の田中教授に熊本地震について発表頂きました。
なお、田中教授には、大学入学して間もないころ、「熊本の火山」という授業でお世話になりましたm(__)m
正直、当時は特に火山や地学に興味がなかったのですが(苦笑)、ジオに興味を持ったいま、こうしてまた教授の講義を受けられるのはありがたいですね☆
[要旨]
・4月16日に地震発生→大学にたどりつけたのは、1週間以上経ってから(交通網の寸断)
→大学につけば、実験室で資料や標本が散乱→片づけに1か月ほど要した。
・大地震…しばらくは外で待機を!(建物に戻って被害に遭い犠牲となった方も多数。)
・熊本は地震の発生しづらい土地だった→大企業を誘致も、今回の地震で大損害。
・内陸型地震…震源:浅い=強い揺れが地表に達しやすい。
・GPSによる応力場
▽地震前、九州東部=東西の力、九州中部=南北の力が作用していた
→ちょうど熊本あたりが力の境目となり、地震発生の可能性を秘めていた。
・熊本の震源地と断層図
▽被害画像
▽”意味・起源は分らないが、一直線に続いた段差・崖”→要注意!(地震断層かも!?)
→活断層=地形に現れる!(画像左上の光景にて)
・日向灘でM7の地震が発生すれば要注意!→南海トラフなど大地震が連発する可能性大!
・熊本地震の爪痕を用いて、教材化(ミ型・杉型亀裂など)
▽リーデル剪断実験も有効
→地表に断層は見えずとも、地表の割れ目から地中の動きを判断。
<2.特別講演>
◎「長崎半島の地質、特に恐竜化石産出の三ツ瀬層の分布と岩相について」
・講師:川原和博氏(長崎県立大村高校)、山川続氏(長崎市立桜馬場中学校)
最後に、長崎県から講師を招いて特別講演!
長崎県で恐竜化石が発見された長崎半島の三ツ瀬層の紹介がございました!
なお、今秋の巡検会は、この長崎半島を訪問予定。
[1.長崎半島の地質について]
・長崎変成岩が大部分を占める。
→低温高圧型(周防帯・三波川帯並列説が有力)
[2.三ツ瀬層と恐竜化石]
- 三ツ瀬層=白亜紀、半島西部に見られる、頁岩(泥岩)+一時的に洪水で堆積されたと考えられる白い砂が挟まれている。
- 長崎変成帯と陸上で接している。
Ex:赤崎鼻…周防帯と接する。化石も算出。
・貝(イノセラムス・アンモナイト)や小型脊椎動物、そして恐竜化石が発見された!
▽化石・採集の様子
以上が講演会の要旨です。
また、会場では大分に関する鉱物標本展示も。
▽エメリー原石。 日本では、大分佐伯宇目の木浦鉱山でのみ産出される珍しいものだとか!
▽大分県の石(鉱物)に選ばれた斧石。
さらに、地質学に関する書籍販売も!定価より求め安い値段で購入できるのがありがたいです♪
今年も購入!地球に関する図説を購入。定価の半額以下で購入できたのはありがたい☆しっかり勉強!(笑)
<まとめ>
昨春の熊本大分地震は忘れられません。甚大な被害をもたらしました。
こうした時に、地質学は大切だと感じました。地震のメカニズム、断層の把握、防災教育などをしっかり行い備えることが大切ですね。
そのためにも自分たちの足元を知る。ジオパークやエコパークで、火砕流・磨崖仏・祖母山も注目されています。
地元の自然と文化も大切に守りながら、活用が今後の課題!
さらに、化石採集もやりたくなりますね~!(笑)いつかは見つけたい、アンモナイト&恐竜の化石♪(笑)
講師の皆様、ありがとうございましたm(__)m
地質・ジオについても、さらに学ぼう!以上です!
☆「ジオパーク」動画集→https://youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwDjq8TKCSNMwtBqz8Dq96FF
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