”城下町竹田に眠るキリシタンの宝が、今、甦る…!”
2016.10.22(Sat)8:50-13:00、大分県竹田市街地
おごめ~ん、大分のtakatch親方です(`・ω・´)ゞ
先日Instagram記事でもご紹介した竹田城下町キリシタン散策ツアー。
今回は、詳細編をご紹介いたします!
10月22日&23日と、竹田市で全国山城サミット開催☆
山城のある自治体が集まり、学習や交流を深めます♪
今回、それを記念して、竹田市の旬旅さまが、複数のツアーを企画。
そのうちの1つ、城下町キリシタン散策ツアーに参加
竹田にはよくお邪魔いたしますが、ただお邪魔するだけでなく、学習も必要かと感じました。
そこで、このツアーを知り、早速申し込みました♪
大分県は実はキリシタン遺産の宝庫だと知り(Cf:今年3月のキリシタン南蛮文化講演会)、この機会に竹田のキリシタン文化を現地で学びます!
※竹田・朽網…日本八大布教地のひとつ!
Cf:大分県竹田市のキリシタン文化紹介動画→https://youtu.be/UDTVbSoX0BU
以下、散策ツアーの模様をご紹介いたします
<主なコース>
西光寺~川口自由堂~竹田創生館~殿町洞窟礼拝堂~竹田市歴史資料館~姫野一郎商店
8:50、豊後竹田駅を出発。
(1)西光寺
駅から徒歩数分、竹田温泉花水月近くにあるお寺、西光寺さま。
岡藩の祖である中川清秀公の菩提寺です。
文禄4(1595)年、初代藩主:中川秀成公(清秀公の息子)が、播磨国三木にあった西光寺を竹田の地に移したことに始まります。
中川清秀公は、キリシタン大名であった高山右近公と従兄弟の関係でした。
また、ここであわせて紹介したい人物が、古田織部(重然)公です。
茶人で有名です!また、キリシタンであった説もあり。
織部は、中川清秀公の妹を妻にし、中川家を支えました。
また、織部の長女:せんは、中川秀政公の養女へ。
このため、織部の血筋は中川家にも引き継がれ、現在も末裔が古田姓を名乗られているそうです。
竹田市では近年、古田織部関係の講演会・イベントを開催。
今回お邪魔する西光寺さまにも、中川氏&古田氏の貴重なお宝があるそうです!
まずは外観。
見上げるに、銃眼の小窓があるのがポイント。
戦術的な面も確認できます。
こちらでは、30年ぶりに公開されるという貴重なお宝を拝見!
▽食事用に使われた漆器。
中川家の家紋(抱き柏)と古田家の家紋が刻まれているのが趣深い☆
なお、中川家の家紋について説明。
表向きは、「抱き柏」(上の画像の通り)。
これは、禁教令下において、幕府から指摘されないために使用した家紋です。
しかし、実際(藩内)では、「中川クルス」という家紋を使用。
▽西光寺さんの本堂内に中川クルスあり。よく見ると、イエズス会の紋章である「IHS」の文字が隠されているという説あり。
中川クルスには、もともと外側を囲む○印はなし。
では、なぜ○を付けたのか。
これは、三大藩主:久清公の時代、幕府から「この家紋は十字架ではないのか?」と咎められた
→外側に○印を加え、「馬の轡(くつわ)である」と弁明したことに由来するそうです。
(聖書か何かの教えで、キリスト教信者は、「十字架ではなく馬の轡だと説明せよ」という教えがあるようだ。)
この他、歴代藩主や僧侶の掛け軸、法衣など、貴重な財産があり。
西光寺さま、ありがとうございましたm(__)m
さて、次なる目的地へ。
駅前の通りにて、1箇所説明が。
▽こちらの建物。
江戸期、商家&役所だったそうです。
ここで踏み絵が行われました。
たくさんの民衆が押し寄せ、なんと床が抜けたそうです…。
すると、地下通路を発見!
なんとその先に、キリシタンの礼拝室が隠れていたのです!
実は、踏み絵検査の役人もキリシタンだったという(笑)
なお、岡藩はキリシタンに対して非常に寛大だったそうです。
(2)川口自由堂
次は、銘菓「三笠野」「荒城の月」で有名な川口自由堂さま。
この夜に行われた九州青年祭 in FUKUOKA用のお土産に荒城の月を購入♪
▽看板を確認すると…中川氏の家紋(抱き柏&中川クルス)が!
実はこのお店にも、貴重なキリシタン遺物が、
▽このブロンズ十字架です。
重さもあり、日本では数少ない貴重なものだとか。
(先述のキリシタン南蛮文化講演会でも、甲山先生が興味を抱かれておりました☆)
十字架の裏には、仏像が彫られています。
壁に穴を開ける→仏像の側を外に向けて設置=外から見ると仏像を拝んでいるように見えるが実際は十字架(キリスト)を拝んでいる…というからくりにも使用。
馴染みのお店に、こうした貴重なキリシタン遺物があったのは意外でした!
▽竹田名物の姫だるまもあり!
姫だるまの伝説は今回割愛ですが、昔の姫ダルマの表情は、エキゾチックだったそうです。
これも、キリシタン文化の影響なのでしょうか?
なお、川口自由堂様では、お茶のおもてなしも頂きました
ありがとうございましたm(__)m
(3)竹田創生館
次に、武家屋敷通りへ。
まさに城下町の雰囲気漂う、黄土色の壁地帯です。
▽地震の爪痕も残ります。
▽そうそう、申しそびれておりました。
今回のツアー、何と地元のTV局取材もあり!
後日、職場の方から、私が写っていたとの報告あり…w
さて、武家屋敷通りの入口にある観光拠点、竹田創生館さま。
この日は、キリシタン遺物・イコン原画展が行われておりました。
▽イコン原画
文字の読めない方向けに、絵でキリスト教の教えを示したものです。
▽竹田市内に眠るキリシタン遺物。
・聖ヤコブ像
ヤコブとは、新約聖書に登場するイエスの使徒のひとりです。
日本でヤコブの像だと言われるのは、この竹田の石像のみだそうです。
詳細は不詳とのこと。
・INRI墓碑
現在の直入町の一部、朽網(くたみ)地域で発見されたT字型の墓碑です。
「INRI」と刻まれています。
意味は、「ユダヤ人ナザレの王イエス」。
全国的にも珍しい墓碑です。
・顔のない木製坐像。
朽網地域にある、キリシタン集団墓地そばの祠で発見されたものだそうです。
生月神社(長崎県平戸市?)と記名のある箱に入っていたそうです。
一説では、長崎~府内を往来する宣教師が、破壊を免れるために朽網へ持ち込んだものでは?とのこと。
なお、烏帽子部分に十字架あり
・神父服。
その昔、大司教など位の高い神父が身につけていたといわれます。
さて、今回はなんとスペインから音楽隊が緊急来日!
素敵な音楽を披露して頂きました♪Gracias!
▽動画(※後ほどご紹介するサンチャゴの鐘も登場!)
→https://youtu.be/Oaz4a9AyCAc
この音楽は、男性が女性にアプローチする際の応援歌だそうです。
ちなみに、スペインでは、小麦色に日焼けした女性が好まれるそうです♪
(日焼けしている=きちんとバカンスをenjoyしている…からだそうです。)
▽コーヒーとサンチャゴの鐘のお菓子のおもてなしも♪
(他の方には、銘菓ざびえると、大分の南蛮菓でのおもてなしが趣あり♪)
ありがとうございましたm(__)m
(4)殿町洞窟礼拝堂
次に、殿町にあるキリシタン洞窟礼拝堂へ。
洞窟礼拝堂は全国各地にあるそうですが、ノミを使って人力で掘った洞窟礼拝堂は竹田だけだそうです。
高さ3.5m、幅・奥行きともに3mの空間です。
今回は特別に中に入ることができました☆
▽雨のため、室内は薄暗く…。
フラッシュ撮影でなんとか洞窟内を把握。
かつて、この祭壇は金色で彩られていた&マリア像があったそうです。
また、多くの興味深い点もあるとのこと。
例えば…
- 400年もの歴史あり→世界遺産登録を目指す長崎の教会群で最古の大浦天主堂でも150年レベル。
→当時の日本は禁教令下にもかかわらず、この礼拝堂が堂々と彫られたこと。 - この礼拝堂のある土地が、かつて中川家重臣の古田家(織部の子孫)のものではないかと考えられること。
→家老:古田重治公はキリシタンだったこと。
→礼拝堂へ続く道の左右を、今も古田家と高山家とが守っていること。 - 大坂夏の陣で徳川方に与した中川家が、なぜか敵方である豊臣氏のカトリック神父を匿っていたこと(MAX7名も)。
また、竹田市には稲荷神社が多いのが特徴。
(あくまでも一説ですが、「INRI」→「INARI」となって普及したとの説も。)
この洞窟礼拝堂と稲荷神社との関係も面白い!
なんと、この礼拝堂と同じ五角形の稲荷神社が複数存在していること。
それらには、3つの共通点あり。
- 五角形の洞窟内に祭壇と思われる彫り込みあり。
- その横には、人々が集まる広場スペースがある。
- そばに湧水がある(キリスト教の儀礼で水が使われたとされる)。
▽(2)広場の例(殿町礼拝堂にて)
▽豊後竹田駅裏にある稲荷神社。
よく見ると、五角形の彫り込みあり!
よく目にしていた稲荷神社ですが、礼拝堂での学習のおかげで、新たな発見あり!
最後に、礼拝堂へ続く道沿いには、ツバキが植えられています。
ツバキは、日本でのキリスト教を象徴する花。
殉教者を表しているのだとか(首が落ちる=斬首、赤い色=血など)。
さて、次なる場所へ。
途中、竹田荘前を歩きました。
豊後南画の祖、田能村竹田の生家です。
ぜひ、みなさまもお時間のある際はお立ち寄りくださいませ♪
(5)竹田市歴史資料館
こちらでは、サンチャゴの鐘(レプリカ)を鑑賞♪
国内で同型銅鐘は、竹田以外に4つしかない貴重なものだそうです。
サンチャゴの鐘は、長崎の教会付属サンチャゴ病院にあったとされます。
(サンチャゴ=聖ヤコブのラテン語読み)
1612(慶長17)年の銘あり。
1620(元和6)年に長崎奉行により破壊されたそうですが、なぜかこの豊後竹田の地に鐘があります。
中川神社所有、現在は歴史資料館展示の国重文。
そして4年前、岡城400年祭にて、サンチャゴの鐘のレプリカが完成!
3Dなどで成分を分析、忠実に再現。
現在、資料館前にてレプリカあり。
今回は、レプリカを鳴らしました♪
▽動画。先ほどご紹介したスペイン音楽動画の最後の最後に登場(笑)
私も鳴らしましたが、結構音が大きく、耳に響きます。。。(笑)
(今後寒いギャグでも言ったら、この鐘の音を鳴らそうかな…って、失礼m(__)m)
400年前と同じ響きだそうです。
(6)姫野一郎商店
最後の目的地です。
老舗の椎茸問屋です。
こちらにも、貴重なキリシタン遺物あり。
▽十字架。
川口自由堂さまのよりも小柄→握りやすく持ち運びやすいのだとか。
▽一見、何の変哲もない杯。
…が、上から眺めるに…
そこ(底)には、十字架
これも珍しい!
▽在りし日の岡城の絵。
山城サミット開催中とあり、岡城についても触れました♪
さて、こちらで贅沢な昼食を頂きました♪
▽椎茸御膳!
この豊肥地区は、しいたけ生産が盛ん!
特に、乾し椎茸は日本一レベルの生産量を誇ります☆
椎茸ご飯に、椎茸のフライetc...。
椎茸を贅沢に頂きます♪
小さい頃は苦手だった椎茸も、大人になると好きになりました♪
このうま味(グアニル酸)がたまらないです~♪
▽頭料理。竹田の郷土料理。
竹田は内陸地で海から遠い→魚は貴重で、頭や内臓まで大切に保存・食事します。
▽カボス
大分の名産♪こと、竹田市は県内屈指のカボス産地☆
しいたけ、頭料理にさわやかな酸味・風味を♪
▽食後には、抹茶と栗の甘露煮♪
特に栗の甘露煮が甘くて美味しい♪
和のあっさり甘味も贅沢に頂きます^^
また、建物も130年来の歴史あり☆
甲冑や茶碗など、歴史感じるアイテムにも注目!
さて、その後は豊後竹田駅→解散。
雨の中のウォークでしたが、無事に完歩!(途中、階段でど派手に転んだことは内緒…w)
スタッフや関係者の皆様に感謝ですm(__)m
竹田市街地はよく訪ねますが、ガイド付きで散策したのは意外にも今回が初めて。
専門家の話で、自分の知識&視野に+αができますね!
(ただ単に歩くだけで終わるのではなく、新しい収穫ができることが付加価値であり、成長・よき想い出にもつながります☆)
また、地元の方も協力的なのが素晴らしいですね☆
自宅に眠る貴重な遺産を手に取らせて頂いて、ありがたいです☆
そういうことからも、竹田にはキリシタン遺物が多いことを感じました☆
資料館や観光スポットだけでなく、一般(寺院・商店)にも遺物がある→それだけ、キリスト教が普及していた&保護されていたということでしょう。
改めまして、素敵な散策企画をありがとうございましたm(__)m
さて、この後は岡城現地見学会&翌日には山城サミットにも部分参加。
その模様は、改めてご紹介いたします。
以上、竹田城下町キリシタン散策の模様でしたm(__)m
最後までご覧頂き、ありがとうございました^^
☆「キリシタン文化♰」動画集→https://youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwCERznqAj-qEGNgUYKzl19H
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