正月の三ヶ日

いつもなら
元旦は、息子とお弟子さんと先輩方のお宅へ挨拶回りを十数件して、夕方過ぎから
一門会でお弟子さんやその家族を含めて
皆んなで会食。
そして二日目は、新年の出演劇場の初日
だったのですが

このコロナ禍

我々歌舞伎界では今年の挨拶回りは自粛、と言うより禁止に近いおふれを出して
兎に角、感染予防に徹しました。

そうなると
元旦は家族だけで
祝膳、食事中の会話もマスクをしながら
なんだか最近はこのマスクが無いと口まわりが寂しい様な(笑)

我家では

元旦は、 京都の雑煮
二日目は、大阪の雑煮
三日目は、東京の雑煮

又、おせちもほぼ手作りで
今年のおせちの栗きんとんの栗を潰したのは
初体験でした。潰して裏ごしなんて力仕事ですから男がやった方が良いと思いました。

さてさて
何が初体験かと申しますと、
暮れから正月三ヶ日を自宅でゆっくり
両親とうち夫婦四人で食事をいただき‥
コレが初めてでした。
地方公演等へ行き、三日間続けて一緒に会食などの経験は多々あるのですが、自宅で食卓をそんな風に囲む事は初体験。

昔は父に
『男は台所に立つな』
と言われた事もありました。
でもその頃(四十年ほど前)
父は夜な夜な台所でインスタントラーメンを
作っていました 謎・謎・謎

最近は
そんな父が、食後に
台所へ行き
『オイ 珈琲飲む人〜』
などと声を上げています。

父ですが、師匠ですし
師匠として接して来た時間の方が長いので
なんとも複雑な思いで
父に入れて貰った珈琲と言うよりも
師に入れて貰った珈琲として
有り難い気持ちで頂戴しています。

普通の親子ってどんな感じなんだろ?

僕の通っていた小学校の友人の父は
会社のオーナー社長が多かったので
やはり父と接するより上司として接している男友達が多く
よくテレビの中で
『オヤジ〜』とか  『オヤジ飲むか〜』とか
言っているシーンを見ますがなかなか僕には
しっくりこない様な…

しかし
最近、父が淹れてくれる珈琲の事もですが
師としてより親子として接してくれる機会が増え
今は一生懸命慣れる様に努力しています笑


嬉し・有り難い・努力です。


そんな父も僕を呼ぶ時はプライベートでも
芸名の『タカタロ〜』と呼びます。

やっぱり

複雑(笑)(笑)