昨日は、連休中日という事もあったのでしょうか
歌舞伎座の切符
関係者のわれわれでも手に入りづらく
ご贔屓のお客様にご迷惑をお掛けする様な
事態になっていました。

今月は、勧進帳ですが
奇数日が、
仁左衛門弁慶

偶数日が
新幸四郎さん弁慶

という新しい形での歌舞伎興行になっています。

父も七十代半ば、奇数日だけとはいえ
正直大変です。
もともと、加減という事を理解しようとしない性分で昔から子供との遊びやゲームも含め
本気で戦う人で、勿論仕事になれば
一瞬たりとも気を抜かない職人気質で
今回の弁慶を演じるにあたっては
何回も過去にやったお役ですが
七月末くらいから色んな方々の過去の資料映像などと睨めっこしていました。

そんな父ですから
弁慶終演後は毎回動けなくなる程
体力も気力も全力投球しています。
現白鸚のお兄さんでも数年前?
弁慶終演後花道から圧縮酸素を吸いながら
戻ってらっしゃるのを拝見した様な…

昨晩の父は、
お客様のパワーを受けたからか
息子が言うのもおかしいのですが
今までに無い
気迫を感じました。

義経・弁慶でたいじして演技をしている時
正直、この人コレが最期かな

義経として、息子としてコレがこの人との
最期の舞台になっても悔いのないものにしなければと肌で感じてしまいました。

今回は息子千之助もその同じ舞台に立てて
その演技を見ると言うよりその空気を感じる場所にいられて本当に有難いと思いました。

もともと、伝承の為にもと配役に入っていたと思いますが、歌舞伎十八番勧進帳の松嶋屋の型の
伝承ではなく、

祖父十三代目からの伝承
松嶋屋の型イコール
「芸への向き合い方」
を昨晩は改めて肌身で感じた舞台でした。

追伸
義経と言うお役は表向き全く動かない時間が長いお役でして、普段でも筋肉がガチガチになるのですが、昨晩は余計にガチガチになってしまいました(笑)
ストレッチとマッサージと睡眠をしっかり摂って
偶数日の違う闘いにも
負けない様に頑張りたいと思います。