成田屋のお兄さんの思いでは、なんといっても僕が高校生のおり、團十郎襲名公演で一ヶ月アメリカへご一緒させて頂いた事。
立派な襲名公演で、バブルの頃と言うこともあったのでしょうが、ニューヨークは、メトロポリタンハウス、ワシントン、ロスアンジェルスと三都市をまわり大盛況でした。
近年の思いでは、なんといっても最期の顔見世で口上の舞台稽古の後、自分が舞台上にて眼鏡を壊してしまい、小さなネジを落とし見失った時『どうしたの…』と言って一緒に舞台上の小さなネジを探してくださいました。本当にやさしく、失礼ですが大きな役者さんでした。勘三郎の兄もそうですが、お二人ともまだ病院で療養されていて歌舞伎座開場式には又お目にかかれると僕は思っております。
たぶん多くのファンの方も関係者の人間も同じ思いではないでしょうか?
信じたくありませんがご冥福をお祈りしたいと思います。