TAKAの諸国寺社行脚

TAKAの諸国寺社行脚

地元横浜と鎌倉を中心とした寺社巡りの記録です。札所巡りとともに、それぞれの寺社の御朱印もご紹介します。

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瑞鹿山

大本山円覚寺

 

  先週、鎌倉三十三観音札所巡りで参拝したばかりの円覚寺を再び訪れる。国宝の舎利殿が11月2~4日に公開されるということを、先週訪れた際に知ったからだ。舎利殿は毎年春と秋の2回しか公開されていない。天気も良し、混みあう前の午前中の早い時間帯に行ってみることにした。

  9時を少し回った時刻に北鎌倉駅に下り立つ。横須賀線改札から円覚寺方向へ向かう人はいるが、やはりこの時間ではさほど多くはない。門前で杉の木を見上げ、今日の青空をあらためて感じる。瑞鹿山と書かれた門をくぐり拝観料を払って中に入る。今日はすぐ横に並んでいる御朱印帖お預け所には寄らず、真っ直ぐ山門に向かう。青空に映える大門前でしばし立ち止まり、ぐっと心してから門を通る。仏殿に上がり宝冠釈迦如来を拝む。天井を見上げて白竜図をじっと見る。不思議なもので必ず真っ先に竜の目の部分に視線がいってしまう。

  左に円覚寺百観音霊場の寿徳庵、右に大方丈を見て妙香池前をゆっくりと進む。仏日庵前を左に折れた先に今日のお目当ての舎利殿がある。公開日ということで手前にはテントがはられていて、そこで200円の拝観料を支払うかたちだ。拝観者にはステッカーが渡される。本日特別の御朱印を頂くべく、御朱印帖を預けてからいよいよ舎利殿前に入っていく。特別公開ということなので、さすがに外国人も含めて何人もの拝観者が行き来している。境内では録音による説明がエンドレスで流されている。円覚寺舎利殿は国宝と言うこともあって日本史の教科書などではおなじみの名前であるが、鎌倉時代に宋から伝えられた建築様式だということを知るぐらいで、実際に文化史・建築史のうえでどういう点が特徴的なのかは僕自身十分に把握できていない。しかし、なるほど近くに立ってみると屋根の反り(というか、反り上がり)は一見して独特で美しいことがわかる。しかも背後に鎌倉の谷戸地形が迫っていて、その土手との調和も目を引く。見張りの為なのか、僧が一人、じっと一点に立ち止まり、時々建物の周りをゆっくりと一周している。

 

 

 

 

  舎利殿拝観の御朱印を頂き、仏日庵から奥へは行かずに山門のほうへと歩いていく。だんだんと拝観者が多くなってきた気がする。妙香池の前でも、また仏殿や山門のあたりでもすれ違う人が格段に多くなった。総門を出て北鎌倉の駅へ向かうと、電車から下車してきた人々の数の多さに圧倒されてしまった。 

若宮神社

 

  文化の日の今日は自宅からもさほど遠くないところにある若宮神社を訪れることにした。地元ともいえる場所にあるのに、今までその存在すらもほとんど知らなかった神社である。車で出かけたが、このあたりの道は狭くて入り組んでおり、一方通行などもあって、目的地に着くまで行ったり来たりしてしまった。

  源頼朝が鎌倉の鬼門にあたる方向に建てたのが始まりらしい。鶴ヶ丘八幡宮の中にある若宮神社の別宮でもあるのだろう。

  石造の鳥居をくぐり、50mほど進んでから左に階段が続いている。すぐ横には幼稚園が併設されている。階段を上りきるとすっきりと小広い境内で、正面に社がある。人は誰もおらず静か。参拝し終えると小学生の女の子と母親がやって来た。

  社務所の呼び鈴を押し、出て来た宮司さんに御朱印のお願いをする。

 

 

 

日光山

輪王寺別院

中禅寺

 

  三連休初日の今日は全国的に晴れて、関東甲信越一円も快晴の予報である。観光客で劇込みのことは十分に想定した上で奥日光に出かける。今年の紅葉の進み方は日光でも例年よりかなり遅い様子だ。11月初めの三連休に合わせて中禅寺湖畔からいろは坂にかけて紅葉前線は下りてきているようだ。満員のバスに揺られていろは坂を上っていくと、予想通り、上に行くにつれ色づきがよくなってくる。中禅寺湖畔に到着するとそれが今や盛りであるということがわかる。

  中禅寺温泉のバスターミナルから湖畔沿いを時計回りに歩く。今朝の最低気温は1℃まで冷え込んだという。ただ、この時間はむしろ爽やかな感じがして、歩くのにほどよい気温となっている。社山や黒檜岳、錫ヶ岳や奥白根山のドーム状の山頂を背景に中禅寺湖が静かに広がっている。今日のような快晴となれば、午前10時を回った今、湖にはボートなども繰り出している。もちろん背後には男体山が大きくそびえたっている。

  湖畔を歩いて約20分ほどで中禅寺山門前に着く。中禅寺は輪王寺の別院で、立木観音の別名で親しまれている天台宗の古刹である。坂東三十三観音の第十八番札所でもある。先に鎌倉三十三観音を結願したばかりで、次は坂東三十三観音札所巡礼をする予定ではあるが、杉本寺から始まる巡礼の旅をまだ発願しているわけではない。今日はあくまでも半月山付近の山歩きに合わせてこのお寺に立ち寄ったというかたちである。

 

 

 

 

  拝観料500円を納めて仁王門を通る。境内には線香のにおいが香りよく流れている。観光客は驚くほどいっぱいというわけではないが、やはり日光という一大観光地の古刹としてそこそこ多くの人が訪れているという感じだ。

  御朱印については、ご本尊の立木観音様を拝観する前に御朱印所に納経帖を預けておくというかたちだ。本来ならご本尊様の御朱印をいただくところだが、それは坂東三十三観音巡礼時に残しておくことにして、今日は波之利大黒天の御朱印をいただくことにする。

  本堂前で手を合わせた後、大黒天堂の前に進む。奈良時代に日光を開山した勝道上人が男体山に登るため湖に祈願したところ大黒天が湖面に姿を出し、波の上を走るように近くに来て、その御加護により、無事に男体山登頂を果たしたという。その後感謝の念深く、波之利大黒天として木彫りして祀ったとのことである。秘仏であり拝観は出来ないようだが、山歩きの無事をお祈りするのには良い。

  本堂内のご本尊様を拝観させていただく。十数名集まったところで案内のツアーが始まる。まさに一本の桂の立ち木に彫刻された十一面千手観音である。驚いたことに、足もとは地面深くその立ち木が根づいた状態のままだという。脇侍の四天王は源頼朝の寄進。

  案内に従って80段ほどの階段をのぼり五大堂へ移動。不動明王を中心に五大明王像が安置され、天井には鳴き龍の堅山南風による大雲龍が描かれている。

  五大堂の外に出ると境内の向こう側に中禅寺湖と奥日光の山々の風景が広がっている。

  預けた納経帖を受け取って半月山へと向かった。

 

円覚寺仏日庵

 

  北鎌倉で下車する。現在の職場がすぐ近くにあるので毎日のように使っている改札口を抜けて円覚寺に向かう。駅前通り側から横須賀線の踏切を横断するかたちで円覚寺山門方面へと入っていく。職場がすぐ近くにあるにもかかわらず、こうやって境内を正式に参拝するのは実は初めてのことである。

  漱石の『門』のことを想起しながら石段を上る。あたりは杉の大木が林立し、厳かな雰囲気がある。拝観料500円を納め、すぐ隣にある御朱印所で先に円覚寺の御朱印をいただいてから境内を歩いて廻ることにする。山門から仏殿へと進み、ご本尊の釈迦如来を拝観する。さらに方丈前で白檀古木や百観音霊場を見てから大方丈に上がらせていただいて、廻廊から心字池の庭園を眺めてほっとした静かな時間を過ごす。妙高池、舎利殿を眺めてからいよいよ円覚寺の塔頭の一つ、仏日庵へ。

  ここであらためて100円の拝観料を納める。「三十三観音様の巡礼で」と切り出すと、窓口の方は心得たものですぐに本日で結願ということですかと訊ねてきた。そうですと答えると「おめでとうございます。観音様は奥のお堂の右にいらっしゃいます」と教えて下さり、火のついたお線香を渡してくれた。納経帖を預けてお堂の方へ向かい、まずは線香をあげる。そしてお堂の中の観音様を拝顔させていただいて『延命十句観音経』を丁寧に読経する。

 

  円覚寺内の塔頭であるから境内は狭い。お堂は北条時宗の廟所で、観音様は時宗が修業していたときに信仰した十一面観音である。庭にはその他、梅や木蓮、枝垂桜などが植えられている。本堂では檀家の法要が行われているようで、読経が聞こえてくる。

 

 

 

  入口のところに戻ると納経帖を渡していただいた。中を見ると『結願』の朱印も押されている。これで鎌倉三十三観音霊場巡礼を無事終えたことになる。8月10日、四万六千日大功徳日に発願し、2か月半かかっての結願である。主として自分の今までと変わらぬ健康を祈願するために始めた巡礼だったが、途中、父が入院するということになり、父の快復を願う巡礼へと変わってきた。札所巡礼はある一つのことを一貫して願うものなのかもしれないが、日々の流れの中ではこのように少しずつ願いが変わっていくこともあるものだと思う。いずれにしろ、願いを込めて三十三ヶ所を巡るという初めての経験をした。三十三ヶ所の御朱印がそろった納経帖をあらためて見返してみると、やはり感慨深いものがある。

 

 

阿夫利神社下社

  大山山頂で降っていた雨は、イタツミ尾根から下社のほうへと分岐してしばらくすると上がった。下界の秦野市街地なども垣間見えるようになる。よく見ると歩いている路面も濡れていない。登ってくる人も下山してくる僕たちの服装やザックカバーなどを見て「ああ、上は雨なんだ」と言っている。

  頂上から約1時間。長く急な階段をおりて大山山頂への門を通過したところが下社である。さっそく本殿に参拝。頂上神社とは別なのでここでも御朱印をいただくことにする。

  御神水をいただき、神社本殿の広々とした境内から伊勢原方面を見渡す。

 

 

阿夫利神社頂上本社

  秦野駅でバスを待つ間は青空だが、大山方面を眺めてみるとしっかりとした雲がかかっていて、山頂付近は全く見えない。案の定、ヤビツ峠に着いてみると小雨が降りしきっている状態。イタツミ尾根はもう何度となく登っているし、このような天候で登ったことも2~3度ある。登山道は迷いようもない一般道なので全く問題ない。小雨がほぼ降り続いたまま山頂に到着。さっそく頂上本社に参拝。さらに山頂の奥ノ院横で休憩。奥ノ院はシャッターが下りた状態。まだ10時前なので、下から神職の方が登ってきていないのだろう。当然御朱印所も開いていない。奥ノ院横のベンチで食事をとるなどして待った。視界はほぼゼロに等しい。今日は残念な山頂風景だが、登山者はいつものように続々とやってくる。

 

 

 

 

 

  しばらくして御朱印所に行くと開いていたので御朱印を頂く。

 

  ここから今日は下社への表参道を下ることにする。

 

龍宿山

金剛院

西明寺

 

  今日の最後は武蔵小杉から多摩川方面に歩いた小杉御殿町という曰くありげな場所にある西明寺。曰くも曰く、西明寺の隣には徳川家康が小杉御殿を建てて、江戸の防備にも一役かった場所なのだった。そういえば、以前NHKの「ぶらタモリ」で紹介されていた楔形の道路がある場所が、まさにこの西明寺周辺だったのだ。

  100m弱の参道と小ぶりながらも立派な仁王門があり、格式の高さを感じさせる。境内も本堂、鐘楼の他に観音堂や大きな客殿もあり、広々としている。散策に訪れている地元住民も目につく。ここでも本日は法要があるようだが、御朱印拝受に丁寧な対応をしていただけた。徳川家所縁の地であることも記された縁起とともに、お菓子まだいただいた。

 

 

 

宝城坊

日向山

日向薬師

 

 秋の里に咲く彼岸花は日本人の郷愁を誘うものだ。この花の赤さは「華やかさ」というよりは、はっきり言って「どぎつさ」も感じさせるものなのだが、刈り入れの時期の田んぼや緑の野草と不思議とマッチする。また、道端の道祖神や地蔵などの脇に咲いているさまは、なぜか心を落ち着かせる。

 伊勢原の日向地区を訪れた。今年の秋はまだまだ暑さが残り、日ざしがあると真夏のような気がするぐらいなのだが、今日は日ざしとともに雲の具合もほどよく、絶好の散歩日和だ。伊勢原駅前からのバスも増発便が出るほどの混みようだ。終点の日向薬師の二つ三つ手前のバス停で下車してのんびり歩きながら行くことにした。さっそく道端のいたるところに真っ赤な彼岸花が見られる。民家の屋根の向こうには大山が姿よく尾根を伸ばしているのが見える。

 

 

バス終点まで来ると臨時駐車場の脇から棚田周辺に散策コースができている。刈り取った稲が干されて、あたりには彼岸花の群落が点々とある。これこそ日本の秋の情景の一こまだ。散策路にはアマチュアカメラマンも含めて散策客が歩いているが、それほど多くはないので気持ちよく見ることができる。

 

 

 日向薬師へは参道を行かずに車道を上って行ってしまった。ちょっと失敗したなと思ったが、まあいいかと、そのまま10分ほど歩いてしまった。駐車場横から入るかたちになり、宝物殿の前を通って境内に出る。参詣者はまばらであるが、僕同様、登山スタイルの人も何人かいる。正面で蝋燭と線香を上げ、本堂内でお参りし、すぐ横の御朱印所で御朱印のお願いをする。先にまだ何冊か置かれているので隣の宝物殿に入ることにする。前立の薬師三尊像や阿弥陀如来像、十二神将像などを拝観する。

 

 

 

 

 この後、境内で昼食をとってから山歩き。日向山、見城山と歩いて七沢へと下った。

 

  苔むした古い石段が続く浄智寺の参道は雨上がりが似合う。鬱蒼とした杉林に囲まれ静かな佇まいだ。灯篭の上にへばりつくように生えている草も味がある。油断すると滑りそうな、すり減ってふぞろいの石段を上ると唐様の鐘楼門の目の前に出る。

 

 

 

 

  鐘楼門を通り、曇華殿という仏殿を参拝する。ここには阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒如来が並んでいる。

 

 

  曇華殿の裏に南北朝時代の作という観音菩薩立像が安置されており、延命十句観音経を読経する。

  ここもまだ観光客の数は少なく、落ち着いて境内を巡ることができる。鎌倉五山第四位という寺格であるが、同じ北鎌倉の大寺と比べてとても静かで自然豊かな印象がある。書院の庭もいつも花に彩られている。

  布袋尊もまたいつもの表情で出迎えてくれる。

  書院を通した中庭の眺めも秀逸である。いつ来ても心が落ち着く寺である。

    今日は鎌倉三十三観音巡りで、北鎌倉の5つの札所を訪れる予定だ。

  職場が北鎌倉の近くにありながらも、女性の駆け込み寺というイメージが強いせいだろうか、東慶寺はなかなか訪れることのない寺である。

  大型の台風による雨が朝のうちに上がり、日ざしが出てきているが、その代わりにかなり蒸し暑い。北鎌倉駅から5分ほどの距離であるが汗がジトっと出てくる。松ヶ岡と刻された標柱を見て古い茅葺の山門へと入っていく。鎌倉の中でも有数の人気の寺ではあるが、午前9時半を回ったばかりだからか、人はほとんどいないようである。拝観料を払い、御朱印帖を預けていくかたちだ。四季の花が代わる代わる咲く寺としても有名である。今の時期は萩、シュウメイギク、シオン、ヒガンバナなどか。アジサイが一つだけ残っているのが不思議な感じだ。

  右手の本堂を参拝し、釈迦如来坐像を拝顔させていただく。さらに、宝物館の聖観音像の前で延命十句観音経を読経。