#心の壁ができたきっかけ | 午前零時零分零秒に発信するアンチ文学

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心の壁ができたきっかけ

期からずっとだね。

で、なお現在までに至るってところか。

 

3歳までは、普通に過ごしていたらしいのよ。よく泣いたんだってさ。

確かに、そんな気がしていた。

 

4歳の誕生日を迎えた時に世界が変わった。

 

いきなりビンタが飛んできた。何せ、生まれて初めて浴びた訳だから痛いなんて言葉ではない。一体、今何が起きたんだ?って感じだった。顔面の左半分が突然青黒い光がバシッってきた。後から物凄い痛みがきた。

 

想像を絶する痛みだったので、いつも以上にワーワー鳴いてしまった。

すると、更に「鳴くな」と往復ビンタを浴びて、怒声も浴びた。

つまりだ、鳴き止むまで殴り続けられた訳だ。顔は水疱瘡にように腫れあがった。死ぬかと思った。母親の身体が俺の倍以上にでかく、俺がサンマとかの小魚なら、奴はくじらのようにデカかった。親父はサメのようだった。

 

何で親に殴られたのかは、覚えちゃいない。多分、些細なことなのであろう。ただ単に「ギャーギャーとやかましいから」とか「言う事をきかないから」とか、子供だったら誰にでもあるものだと思っている。それを暴力で抑えつける。

 

俺は、この時から親に対して壁を作らざるを得なかった。

 

■壁は他の人間にも作り続けた

 

小学校も中学校も高校も、入学式を迎えると、大抵は「初めてみる顔」と一緒の学生生活を送らされる。そもそも、俺はこういった集団生活が嫌いだ。

 

何せ、俺は身体的成長が遅かったこともあり、中学2年の段階で、もっとも虚弱体質だった。同学年の男子は、大人顔負けの筋肉質な奴が多かったし、女子も俺よりかは身長が高かったし、腰回りといい、ケツのでかさといい、胸といい、全部一回りデカかった。

 

もしも、殴り合いの喧嘩とかになれば、多分、俺が一番弱いだろうなと思った。

 

だから、また壁を作った。

 

本当ならプールの中でも女子の豊満な胸に顔面を埋めて、窒息死してみてえなという変態願望は既にあった。あのムッチリした大きな身体に抱き付きてえとか、あの大根のような足で踏まれてえとか。想像するだけで興奮したね。

 

まあ想像するだけで何もしなかったんだが。。。しかしだ、周りには俺が変態だとバレないように壁を作ることは、これっぽっちも忘れちゃいねえさ。俺にとって、プールとか臨海学舎は、つまらん学校の中でも、唯一の楽しみだったからねえ。

 

だってさあ、それしか楽しみ無かったんだもん。

家では虐待だし、男子には、しょっちゅう暴力振るわれるし…

 

だから、女しか楽しみがねえじゃねえのよ。

 

この俺がクラスメイト全員から「ムッツリスケベ」だと認識されたのは、そんなに長い先のことではなかった。でも、心の壁は外さない。

 

■嫌だと予感したことは現実になる

 

「コイツと関わりあいたくないな」と思うと、運命に導かれるように「一緒のグループ」に振り分けられたりする。後から、学校の先生に「グループ変えて貰えませんか」と言っても「他にないんだよ。我慢して」となる。

 

結局、壁を作りながら本当の自分を隠し通すしかないのだ。

いわば、コレが俺自身の自己防衛だった訳よ。

 

苦い経験、辛い経験、痛い経験、これらを二度と味合わないように学習する。

その為に、壁をつくる。人は信用しない。質問に対する答え方も勉強する。

 

■自動車教習所の合宿は、最悪のメンバーだった

 

要するに「ヤンキー」や「ゴロツキ」のグループに入れられてしまった。だから、連中から自分への注意が向かないよう逸らす為に、壁を貼るのを忘れなかった訳だ。しかも、最低でも1週間を過ごすことになるのだ。仲良くするつもりはなかったが、或る程度の付き合いもしておかねばならなかった。

 

更に運が悪くなった。壁を貼った俺をヤンキーグループの「リーダー」が慕ってやって来たのだ。まあ、俺が一番年上だったからね。「アニキ」と呼ばれるようになった。このリーダーとは、最も関わり合いたくないタイプの男だった。喧嘩っぱやくて、目立ちたがりで、仕切りたがりだからだ。そんな奴から「アニキ」って慕われる。

 

結局、俺は合宿中でもリーダーの奴と2人で行動を共にすることが増えた。

 

すると、子分が集まってきて「アニキぃ~、おはようございます」なんて言ってくる。ヤンキーって、仲間になると結構礼儀正しいのだ。それに、上下関係もちゃんとしている。しかし、外敵に対しては容赦しない。ヤクザに似ている。そのトップに俺がいる。頼もしい相棒に舎弟が大勢。悪かねえな。

 

この頃からだろうか?

 

俺も壁を破って、リーダーと本音を話したのは。

「アニキ、ほんまよう解るで。苦労してきたんやなあ。それでこそ、俺のアニキや。自分も女おるけど、もっとエエのがおったら、行くで~。アニキやったら絶対にモテる。見た目がエエねんから…行かなアカンで~」この頃の俺の体型は、細いまま背だけが伸びたと言う感じだった。色白で清潔感だけはあった。

 

しまいには、右翼の事務所を持っている強者まで仲間になったではないか。

深夜に合宿所を抜け出して、タクシー拾って、飲みに行ってた訳だ。毎晩。

 

結局、自動車教習所の合宿は、これまでにない「グッドエンド」で終わった。

 

■心の壁を作らなければ、世の中なんて渡っていけない

 

Amebaでは「心の壁」というものをあたかも悪い物のように解釈しているようだが、実は違う。逆だ。心なんて「おいそれ」と簡単に見せる人間のほうがおかしいのだ。

 

とにかく、壁を作って完全武装しておく。後は、ひたすら「観察」「洞察」である。そういった自ら作りあげた「社会適合システム(自己防御システム)」を使い、上手い具合に社会を渡っていく訳だ。

 

■馴れ馴れしい奴は要注意

 

人間同士というのは、利害関係によって成り立っている。だから、普段なら相手から寄ってくることはないのだ。まずは、ここを押さえておかねばならない。

 

もしも、大して面識もないのに、向こうから親しげにしてきた場合は、警戒したほうがいいだろう。なんらかの利益を得ようと企んでいるのである。もしかしたら、向こうが利益を得られる代わりに、こちらが損をする話になるかも知れないということも頭の中に入れておくべきだ。

 

相手は、こちらの「心の壁」を崩そうとしてくるだろう。つまり、心の中へ土足で入り込んでくると思っておいたほうがいい。乗ってはダメだ。下手をすれば、弱みを握られ、一生頭が上がらないなんて関係になってしまう恐れもある。

 

若い頃、生保レディーの1人が近づいてきた。俺が31歳、生保の女は23歳。付き合っている人は居ないらしいが美人だ。愛想だって良さそうだったが、営業としての成績は良くないということらしい。

 

その生保の女だが…

 

事務所に誰もいないのを良いことを理由に、俺に接近してきた。「暑いですねえ❤❤❤俺の後ろから黒いジャケットを脱いで、持っていた扇子で胸元を仰ぎ始めたではないか。何しやがるんだ。

 

い、いかん、汗に混じったメスの臭いが俺の鼻に入ってくる。更に、胸元を近づけてくる。

 

「朱実さん、本当に暑いですね。何でなんでしょう。本当に不思議

 

まるで野生動物を思わせるメスのフェロモン。汗が脂臭い。それに獣臭までする。多分、肉や甘い物ばっかりたべているからだろう。それと化粧水がブレンドされた強烈な臭い。下半身が「女」、胸元が「女」、妖しい顔が「女」、「女女女」…俺の脳みそは、完全に女一色だ。い、いかん。このままでは。

 

「フぅ~~~息を吹きかけてきやがった。

 

やめろぉ~!

(はぁはぁ…)何とか、心の壁で封じ込める。

 

「そ、そうなのか。。。で、おい、今日は何の用だ?」訊くと…

「脚が疲れちゃいましたん。お茶でも飲みたいですよね

知るか、んなもん。それに「お茶」って、オマエ…昭和生まれか?

 

事務所の近くにあった英国屋へ入って行った。

勿論、このままだとホテルにも連れ込めるであろう。

だが、俺は自重すべきところは自重するのだ。

 

結局、保険の勧誘をやんわりと断った。

飲食代については、女が誘ってきたので、ここはきっちりと奢って貰った。

人の金で食べるホットケーキはウマいぜ。

 

周りから観たら、さぞかし美男美女に映っていただろうがね。

 

帰った後、俺が何をしたのかは、もはや言うまでもないだろう。

 

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