クロスカブ110を新車で購入してから1カ月が経った。
走行距離も1000kmを超え、オイル交換も済ませてきたところだ。
何せタクトという50cc
のスクーターから乗り換えた訳だから、最初は慣れないことも多々あったし、不便だなと思ったその反面、スクーターでは味わえない純粋なオートバイとしての面白さも発見できたりする。
まあ、世間様でよく言われる一長一短ってやつだ。
そこでだ。
これまで上記の2台を乗ってきて気づいた良い部分と悪い部分を羅列!
と考えていたが、どうせやるのならVSで書いたほうがいいと思ったので
今回は、それで羅列してみたいと思う。
「どのみち羅列してんじぇねえか」って声が聴こえてきそうだが、そこはご愛嬌!
■タクト>クロスカブ110
①車両重量が軽い
もはや、これに尽きるね。道に迷っても、すぐに切り返せるし、とにかく手軽。
一方のカブも軽いといえば軽いのだが、やはりタクトに比べると扱いにくい。
②完全オートマチック
タクトなら、とにかくアクセルさえ捻っていれば前へ進んでくれる。忙しくギアチェンジする必要もないので、その注意力を100%外に向けることが出来る。
一方のカブは、やはりギア操作が足枷になる。
そこに気を取られていると安全面で思わぬ落とし穴が発生する恐れ大。
③ライディングポジションがいい。
タクトは低い姿勢になる。実は、このほうが視界が安定する。なぜなら、目線の高さが一般的な乗用車に近いからだ。また、ライトの高さも目線に近いので夜間に走行していても見落としが殆どない。
一方のカブはといえば、ポジションが高いから一見視界が良さそうに見えるが、実はそんな事はなく、より一層注意して気を配らないと飛び出してくる歩行者とか自動車とかを見落としやすい。つまり、遠くの物は見えても近くのものには盲目になりやすいということだ。しかも、ライトの位置が恐ろしく低いので夜間に於いても結果的に視界が悪くなる。雨の日なんて、原付に抜かれても慎重に走ったほうがいい。これはカブの致命的な弱点だ。フォグランプを付ける必要があるだろう。
④燃料タンク容量が大きい
タクトの燃料タンク容量は4.5ℓ。1ℓ当たりの燃費が54~63km。
航続距離にすると283.5kmまで走ってくれる。
カブの燃料タンク容量は4.1ℓ。1ℓ当たりの燃費が59~67km。
航続距離にすると274.7kmまで走ってくれる。
つまりだ。タクトはカブに比べて燃費こそ落ちるものの
燃料タンク容量が大きいのでガソリンスタンドへ足を運ぶ回数が少し減る。
⑤加速に優れている
これについては、排気量というハンデがあってもタクトに軍配!
何せ、出だしに関しては乗用車とて追いつけない。
しかも、間違ってバイパスのような道に入ってしまったとしても、
タクトはフルスロットルで瞬間的に60km以上出るので一時的に危険を回避可能。
走行性能に関しては原付一種を超えているといっていい。
カブの場合は、やはり加速が鈍臭い。しかも、小型の割には遅い。
なのでスピードに乗るまでに、車から煽られやすい。
⑥オイル交換以外のメンテが殆ど不要
タクトは、無茶な運転をせず、ちゃんと定期的にオイル交換をしてやれば
不良品を掴まされない限り、長く走ってくれる。
カブは、チェーン調整などマメにメンテしてやらないと故障しやすい。
⑦装備が充実
決して豪華装備ではないが、これについてもタクトに軍配が上がる。
コンビニフック標準装備。メットインの容量も19ℓまで入る。
それに、足元が平なので、そこに荷物を置く事も出来る。
カブはリアキャリアこそ大きいが、装備らしいものは殆どない。
⑧駐輪場に困らない
これは排気量の問題で、一般的に二輪車を停められるのは50cc限定のところが多い。なので、現実を考えれば、タクトのほうが便利。
■クロスカブ110>タクト
①二段階右折不要
これも排気量の問題で、カブは乗用車と同じく、何車線の道路でも右折できる。
タクトは50ccだから、三車線以上の道路だと二段階右折の義務が発生。
②一般道での最高速度制限が乗用車と同等
これまた排気量の問題。カブは、60km制限の道路ならそこまでは可能。
しかし、タクトは、どんなに上げても30km制限。非常に怖い。
③車両自体が頑丈
コレはカブの大きな特徴。多少メンドクサイものの、メンテさえしっかりやれば、非常に長生きする。タクトは、幾ら丁寧に乗ったとしても4万キロに達した時点からガタがくる。
④悪路に強い
コレについてはクロスカブの優れているところ。タクトでは到底走れない段差のある道も余裕で行ける。特に、峠になると本領を発揮する。
⑤車両安定性が高い
カブのほうがタイヤサイズが大きいのでコケにくい。また、タイヤそのものもクロスカブなら上等なものが標準装備されているので、この点も見逃せない。
⑥二輪としての基本性能が高い
これは他のオートバイと比べても見劣りしない。
近い排気量ならPCX125と比較されてしまうクロスカブ。
性能面や装備に於いては、どれを取ってもPCXに軍配が上がるが、純粋に二輪車として観た場合、走行時の扱いやすさとか自由度とか無理を聞いてくれるのはクロスカブなのだ。だから値段も高いのであろう。タクトとは比べるまでもない。
⑦乗り心地がいい
クロスカブのシートは一見貧相に見えるが、実は肉厚。
そのフンワリとした乗り心地によりケツが痛くなりにくい。
サスペンションも柔らかく作ってあるので、このあたりもタクトとは全然比べ物にならない。ライディングポジションも高い位置にあるので振動を上手く吸収してくれる。従って、長時間運転しても、疲れにくい。
⑧とにかく面白い
クロスカブ最大の魅力がコレだ。自分の手で機械を弄っている楽しさ、低速で走行するノンビリ感、自分好みのオートバイにカスタマイズできる面白さ。特に用事がなくても乗ってみようかという気にさせるのが、他のオートバイにはない魅力。
チェーンにも、カバーが標準装備されているのが◎。
ノーマルでは装備も何もなくても、課金して手を加えていくうちに豪華装備になる。まるでプラモ感覚。唯一無二、自分だけのオートバイを作れる。
因みに、筆者が乗っているくまモンカブは、
(★はバイク購入時のオプションとして追加)
・リアボックス(JMSの一七式特殊荷箱(容量43ℓ、積載最大重量12kg))
・センターキャリア(弁当キャリア(積載最大重量3kg)(シルバー))
・フロントキャリア(ナナカンパニー(積載最大重量2kg)(シルバー))
・コンビニフック×2(コレといったモノが無かったので簡易なものを作った)
・USB電源×1(デイトナ)★
・マルチパーパスバー(キタコ)★
・クランプバー(デイトナ)
・クランプアダプター(南海部品 (KANI PB-04))(ナビの高さ調整)
・スマホホルダー(フィリップス(8爪固定式 DLK3536N))
・スマホナビ(中古で買った京セラTORQUE G03(電話契約せずWi-Fiで使用)
・イヤホン(左耳に装着し、ナビの音声をBluetoothで受信)
以降のカスタム予定は
・フォグランプ×2
・ハンドルカバー×2
では、敢えてやらなかったカスタムも紹介していこう。
■ウインドシールドも考えたが、結局のところやめた
駐輪していた場合、直射日光を受けるとシールドの形状(凹凸になっている)から
シートなどに光が集まり、焼けてしまう懸念があるからだ。
それにだ。風を防ぐといっても正面からだけであり、顔面は防げない。
また、防風効果があるということは逆にいえば、風に対する抵抗も生まれるということにもなる。要するにオートバイに負荷が掛かるのでエンジンの負担にもなる。
雨などが降った場合、しっかりとメンテしてやらないと反って危なくなる。
■エンジンガードは反って危険
クロスカブはスーパーカブに比べて地上からエンジンまでが高く設定してある。
それを何で余計なカバーを付ける必要があるのかという話である。
カバーを取り付けてしまうと、オイル交換の際に一々外さないといけないし、結果的に地上からエンジンまでの高さが低くなる。少しの段差でも当たって衝撃を受ける確率が上がるので、折角設定されているクロスカブ利点が無駄になってしまう。
■マフラーは変えたくない
クロスカブのマフラーは優秀で、とても静かである。
但し、ひとつだけ気に入らないところがある。それは、チェーン調整に必要な19のボルト部分をマフラーで覆ってしまっているからだ。これでは今後メンテナンスはやりにくくなる。カブのメンテは殆どがチェーンの調整だ。
ハンターのように高いマフラーを付けるという手もあるが、どう見てもカッコ悪い(クロスカブには似合わない)。ヨシムラのマフラーは排気音煩いらしいが、YouTubeの映像とかで観る限りはリアが少々高くなっているような気がしたので、これについては検討の余地がある。
■スプロケットは標準の14で十分
これもユーチューバーさんが勧めていることだが、フロントスプロケットは15がベストだという声をよく聞く。が、実際に乗ってみれば、ノーマルの14で十分だ。15にするとローからサードギアまでの走行が安定するようだが、燃費は落ちる。なぜなら、走行が安定するが故に同じギアで引っ張ってしまうからだ。
14のローギアは殆ど使い道がないのは確かだが、これについてはセカンド発進すればいい。これだけで解決できる。
それにだ。
15に上げてしまうと最高速度こそ上がるかも知れないが、反対にトップギアでは障害になる。14では上れていた坂が上れなくなる。トルクが落ちるからだ。
これでは折角のクロスカブの利点を失うことになる。よくよく考えてみるがいい。どうせ60km以上出せないのである。そういう道を走らなければ良いのであり、スピードを出したいのなら、カブなんて買わずにPCXでも買っておけばいいのだ。
やはりホンダは、そこまで考えてオートバイを作られている。
動力系統・駆動系統は弄らないほうが良いというのが筆者の考え。
■燃料予備タンクは危険が伴う
クロスカブの燃料タンク不足を補う為に予備を常備している人もいるようだが、やめたほうがいいというのが筆者の考え。今はセルフのスタンドが主流だ。目的の車両以外に燃料を補給する為には、危険物が故に一々店へ許可を貰う必要がある。
それにだ。
予備タンクを何処へ収納しておけばいいのだ?
どこへ収納しようが、結局のところ暑い日には太陽の影響をモロに受けるし、それが予備タンクに及べば、場合によれば只事では済まなくなる。
そんな二輪車を見つけた場合、悪い事は言わない。
直ちに離れたほうがいい。
■グリップヒーターはバッテリーに負担をかける
筆者の場合、フォグを付ける予定があるのでグリップヒーターまで付けてしまうと反ってバッテリーの負担を増やしてしまう。わざわざヒーターなんぞ付けなくても、ハンドルカバーで十分。また、ハンドルを覆うシールドも売られているようだが、ハッキリいって金の無駄。
■延長キャリアはバランスを崩す
あれだけ大きくて立派なリアキャリアがあるというのに、それをまた延長して増やすなんぞ理解に苦しむ。反って、扱いにくくしているようなものだ。延長キャリアを増やす理由は「二人乗りをしたいから」というのが大半だ。リアキャリアの場所に予備のシートを取り付け、その後ろにリアボックスをつけたいが為だ。
だが、これだと前後のバランスが非常に悪くなる。
また、車両の全長も増えるので屋根の付いた駐輪場に停めていたとしても
場合によれば、雨水を受けやすいという不利益も出てくる。
リアボックスも不安定になり、いつ落ちるか分からないという不安を抱えたまま運転をしなければならなくなる。雨が降った後は、リアシートやその周りも汚れている訳だから、細かいところまで拭かなければならない。
延長することなく、普通に箱だけを積んていさえすれば、その箱が壁となり、その真下には雨水が流れていかなくなる。
■サイドバッグは便利なようだが
これについては、見た目が悪くなるのでやめた。
折角、デザインのいい一七式を装備しているので、
その美しくてスマートな後ろ姿を維持したいと考えている。
サイドに余計なものをつけてしまうと、見た目が不細工になるからだ。
ここから先はメンテになるが…
■1カ月点検に出したが…
点検は無償と書いていたが、あくまでも点検だけである。
最近のバイク屋はサービスが悪くなったのか、それともそこのバイク屋に問題があるのかは知らんが、最初のオイル交換でも、きっちりと料金を取ってきやがる。
工賃も1100円とボッタくりである。エレメントも変えてくれよと言いたくなるが、また余計にボッタくられそうだったで、結局辞めて良かったのだ。
実をいうと、8年前にタクトを買った時の店では、
こっちが何も言わずとも「オイル交換もやっておきました」
と最初の1カ月だけは無償でやってくれたのだ。
このサービスの違いは一体何だ?
今思えば、この店は良心的だった。
■2りんかんのオイル会員
「2りんかん」とは、バイク専門のオートバックスみたいなチェーン店である。
ここの「オイル会員」に入会すると年会費を払うだけで、1年間だけオイルとエレメント交換の工賃が無料になるというものだ。一見、お得のように見えるが、そこに大きな落とし穴がある。とにかくエンジンオイルはおろか、売られている製品がどれもアホみたいに高いのだ。そりゃそうだろう。上手い話なんてない。
最近では、どこかの2りんかんで「カブのチェーン調整をやってもらったけど、最後にやらなければならなかったリアブレーキのワイヤー調整を失念していた為、足でブレーキをかけたところ切れた」ということがあったと聞く。
やはり人任せにしておくと良くないという事例である。
昭和の時代みたいに、バイク屋さんも職人気質の人が減ったのだろう。
言われなければサービスしない。黙っていても素人は気づかない。
完全に客を舐め切った態度が見てとれる。
なので、そこは個人で勉強したほうがいいと思うね。
オイル交換とエレメントの交換くらいは自分でやるつもりだ。
チェーン調整も自分でやることにしよう。
そのほうが、オートバイに愛着がわくというものだ。
■追記
5月5日(金)
1カ月点検でやってなかった、オイルエレメントを自分で交換。
かなり汚れてましたね。ついでに蓋のOリングも替えておいた。
作業自体は、驚くほど簡単。
トルクレンチと8ミリ(ショート)のソケットがあれば出来る。
ダイソーとかで「クリーニングシート」を買っておくと便利。
エレメントと古いOリングを取り出す為に
ラジオペンチを用意しておくことをオススメする。
ホームセンターへ行けば手に入る。
下を廃油パックで受け止めてやると汚さずに作業できる。
尚、エレメントの蓋を締めるボルトのトルクは10Nらしい。
エレメント交換後、適当に走行してから再度確認。
オイル漏れ等なし。