【WBC】栗山監督は攻撃的な野球をしない | 午前零時零分零秒に発信するアンチ文学

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日韓野球を知り尽くす“野神”金星根(80歳)が指摘する侍ジャパンの弱点…ベタ褒めの日本人投手は?

 

■記事

 

いよいよ開幕が近づいてきたWBC。1次ラウンドで最初の“山場”となるのが、韓国との一戦だろう。昨季までソフトバンクで監督付特別アドバイザーを務めるなど、両国の野球界に貢献してきた金星根(80歳)氏に日韓戦の展望を訊いた。全2回の1回目(後編へ続く)

 饒舌な日本語と関西弁が妙に心地よい。

「勝つか負けるかは試合をやってみないと分からない。一番大切なんは、日本代表はこれだけのメンバーをどのように、どれだけ使いこなすのかでしょうね」

 そう、淀みなく言葉を発したのは、昨シーズンまで福岡ソフトバンクホークスで“監督付特別アドバイザー”を務めた金星根(キム・ソングン)氏だ。来月開幕するWBCを前に、NumberWebのインタビューに応じてくれた。

 3月10日に控える日韓戦(2戦目)は1次ラウンドの大きなポイントになる試合だ。

 オールプロで臨んだ2004年アテネ五輪の予選(03年)以降の主要国際大会での両国の対戦成績は17戦して日本の10勝7敗。中でも、連覇を達成した2009年WBC第2回大会では5度対戦し、3勝2敗と韓国には苦しめられた歴史がある。東京五輪でメダルを逃した韓国だが、日本が相手になると底力を発揮してくるのは周知の事実。“史上最強”と評される侍ジャパンが上位2組の準々決勝ラウンドに進出するためにも、取りこぼしは許されない。

“野球の神”と呼ばれる重鎮
 日韓戦の展望を尋ねる前に、まずは金氏がどんな人物なのかを紹介しておきたい。

 京都府生まれの在日コリアン2世である金氏は、京都・桂高校を卒業後に韓国に渡って実業団の投手として活躍。引退後は韓国プロ野球(KBO)の7球団で監督を務め、2014年まで通算1300勝以上をあげた韓国プロ野球界の重鎮の一人だ。もちろん日本語も堪能で、2005~06年には千葉ロッテマリーンズでコーチを務め、18年からはソフトバンクホークスの王貞治会長の招きで、コーチングアドバイザーに就任。練習への取り組みに対して妥協のない指導をすることでも有名で、当時監督だった工藤公康氏からの信頼も厚く、日本シリーズ連覇にも貢献した。

 現在は80歳と高齢だが、韓国では野球の神を意味する“野神(やしん)”の愛称で知られ、歯に衣着せぬ発言で国内メディアにも引っ張りだこ。WBCを前に日韓の野球事情を探るにはうってつけの人物だろう。

 そんな金氏は今回の日本代表メンバーを見て、どのような印象を持ったのか。

「大谷(翔平)やダルビッシュ(有)ら豪華な投手陣に加えて、打者にも村上宗隆といった話題性がある選手もいる。“過去最強”とか“ベストメンバー”と言われていますね。でも、それは2008年北京五輪(日本は4位、韓国が金メダル)や過去のWBCでも同じこと言うてたと思います。ベストメンバーでも負けることがあるので、ようはどう使いこなすのかですよ。(日韓戦で2敗を喫した)北京五輪は僕も現地で試合を観ていましたが、選手を使いきれていなかったですから」

 選手たちが能力を最大限に発揮するためには首脳陣の手腕がカギを握る。そう冷静な視点で日本を見る“野神”は、かつては敵として相対した栗山英樹監督をどう見ているのか。

「私が日本にいた5年間、栗山監督の采配を見てきました。丁寧というか、攻撃的な野球はあまりしていない印象を受けましたよ。アメリカ的な野球をする人。これは“悪い表現”になるかもしれんけど、対戦相手からすればガッと攻めてくる感じはあんまりなかった。『なぜここでこの采配なのか』というのは感じていました。これほどの実力あるメンバーをうまく使いこなす作業はかなり難しいことで、しかもそれをWBCという国際大会でやらないといけない。栗山監督の手腕にも注目ですね」

 さらに、日本プロ野球界の最前線に身を投じてきた金氏は日本のウィークポイントを教えてくれた。
「日本は“初対面のピッチャー”に弱い」
「日本のデータ分析力は高いと思います。実際に私も日本のロッテやソフトバンクにいましたが、本当にデータはしっかりしていた。でも、そうしたデータは国内で使えるデータであって、海外では通用しない。日本の打線は初対面のピッチャーに対して弱いところがあり、データが乏しい状況では実力以上のことを発揮しにくい。初めて対戦するピッチャーの球種の変化や癖がわからないと対処に苦戦するかもしれません。それは韓国相手に限らず。そういう場面を過去の大会でもずっと見てきたので、今回の日本にもそういう危険性があるんじゃないかなと思っています」

 当然、本大会に向けて“分析”は強化しているはずだが、金メダルを獲得した東京五輪と比べて若いメンバーも多く加わっている。選手の力を引き出す首脳陣の采配に金氏は期待した。

 また、野手の顔ぶれにはこんな懸念を明かす。

「日本のオーダーを見ると、走れる選手が少ないんじゃないかと思う。1番から9番を並べてみたとき、塁に出て走れると計算できるのは源田(壮亮)と中野(拓夢)くらいで、あとは牧(秀悟)がどれだけ走れるか。ホームラン打者が何人か揃っているから豪華なメンバーのように見えるけれど、国際大会はそんな簡単なものじゃない。

 それに外野の守備も肩が弱く見えます。近藤(健介)と吉田(正尚)もそこまで肩は強くはない。鈴木(誠也)がライトに入るとして、あとは(ラーズ・)ヌートバーがどれだけの守備をするのか。(脚を計算して)周東(佑京)が外野に入った場合に問題になるのは、いざという時の代走者がいないこと。韓国にとっては戦いやすくなると見ています」

 WBCをはじめとする国際大会では日本の機動力は武器になっていた。負傷したと報道された鈴木誠也が欠場となればかなりの痛手だが、金氏が足りていないと指摘する“走れる選手”を代わりに招集できれば起用の幅は広がるだろう。

「韓国打線は日本の投手に苦戦する」
 一方、ダルビッシュ有や大谷翔平といったMLBで活躍する投手が揃った日本ピッチャー陣はどう見ているだろうか。

「大谷、ダルビッシュ、それに若い佐々木(朗希)らが優れている投手だということはもはや説明不要です。彼らは毎試合出るわけじゃありませんが(笑)、それでも(日本の投手陣は)韓国投手陣に比べてコントロールと変化球がいい。球数制限があるWBCでは投手リレーもカギを握る。次々にいい投手が出てくるので、韓国打線が攻略するのは簡単ではないですね」

 そんな中で金氏が手放しで褒めるのは、ソフトバンク時代に苦しめれられた24歳山本由伸だ。

「山本は日本の投手の中で一番“うまい”。外側のボールが打たれたら、次はパッと切り替えて打者に近めのボールを投げても、シュート回転をかけて投げたり、落としたりができる。ほんまにいいピッチャーやね」

 以前に韓国メディアに出演した際も山本の巧みな投球術に苦戦するのでは、と明かしている。

「韓国はオーストラリア戦のあとに日本と戦う。(韓国は)連敗したら終わり。日本は中国のあとに韓国と試合をするので、そういう意味で日本に分がある。日本は中国との初戦、たとえば(国際試合の経験が少ない)佐々木が先発でも十分勝てると計算を立てているかもしれない。そうなれば韓国戦にはダルビッシュ、大谷、山本といった中からいい状態の投手をもってくることができる。山本が出てきたら韓国打線はほとんど打てないんじゃないか。ダルビッシュや大谷もいい投手なのは間違いないが、山本の変化球は右投手の中で一番だと思う」

 後編では、日本では顔なじみのない韓国代表メンバーのリアルな実力、また過去の経験則から日本攻略のポイントを韓国視点で語っている。

 

がは韓国代表の名将、良い分析をしている。

 

グループBの顔ぶれを見た場合、戦力では日本が頭ひとつ抜けていると思う。

ところが不思議なもので、この面子でスタメンを組んだ場合、

掲示板を見ても、どうみても「強そう」に見えないのである。

相手から見れば「何とかなるんじゃないか」と思わせてしまう。

 

例えば、クリーンアップ。

鈴木を入れていたとしても、345が

「岡本」

「村上」

「鈴木」

の並びである。

「あまり怖くないんじゃないの?」

かといって、他のメンバーにすれば良かったのかといえば、

コレがまた違うのだ。栗山監督は現有戦力でベストなメンバーを選んでいる。

 

但し、今回は短期決戦といっても国際試合だ。

オールスターや日本シリーズとは訳が違う。

 

56本も打った村上は良いにしても、

その周りはもう少し、足を使える選手にしても良かった。

外野手の人材が不足しているように思う。

塩見が使えれば良かったのだが、残念ながら出れない。

 

ショートに今宮がいればなぁと思ったのだが仕方がない。

ソフトバンクが2年契約してくれたらしいので

それに感謝して代表を辞退したようだ。頑張ってほしい。

 

DeNAの佐野は病み上がりだが、選ばれてもおかしくなかった。

それよりも、山川に岡本…同じような右を増やして何の意味があるのか?

村上も、打つほうが悪いほうに出ると結構長いのだ。

それを思えば、佐野のバットコントロールは安定している。

一塁を守らせても上手い。

山川の代わりに、佐野を入れるべきだったね。

 

で、今回初参加となった元外国人が未知数とくる。

一方で投手が期待できると言われているが

本当にそうかな?

 

計算が出来そうなのは、大谷と佐々木朗くらいではないのかな。

ダルビッシュは、もはや外国人と同じ。投げてみなければわからない。

 

金氏が名前をあげていた山本由伸だが、これは逆。

韓国代表が攻略に自信を持っているという裏付けだ。

 

意外と日本の投手力は不安定と思われる。

機動力を使われると少々厄介ではないだろうか?

おまけに、ソフトバンク戦のように内野手が足を引っ張っているようだと

「本当に大丈夫か?このチーム」と思ってしまう。

それにしても、なぜ中日から投手を選ばなかったのだろうか?

 

どうも、侍ジャパンの関係者には、

パリーグ偏重主義が蔓延しているようだ。

昨年のパリーグは弱かったではないか。

 

とまあ、そういった様々な不安要素を持っている中

「チームの中心」と呼べる選手が誰もいないのだ。

ダルは投手である。こういうのは野手がなるべきなのだ。

試合に勝っている時は良いかも知れないが

躓くと、結構後にひいたりする。

栗山監督も大人しいタイプだけにね。

 

そういう意味でも、もっと仕掛けの出来る選手が欲しかったね。

韓国は戦力では落ちるかも知れないが、思いきりがいい。

それでなお、金氏が迷いのないシンプルな采配をする。

ここが日本と大きく違うところである。

 

簡単ではないだろう。