センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン/訳とその続き 森田真生 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

森田真生さんによる

センス・オブ・ワンダー

の訳の部分ももちろん新鮮でいいんだけど

そのあとの

僕たちの「センス・オブ・ワンダー」

がすごくいい。

 

レイチェル・カーソンの意図をよく受け取って

自分なりにその続きを描いている。

 

このやり方は他のひとにもできるだろうから

僕たち私たちの「センス・オブ・ワンダー」は

世の中に無数にあり得る。

 

歓びは細部にある

と言いたくなる。

 

図鑑の動植物と

カードゲームとは

「集めたい」という欲求を満たすという点で

似たような存在だと思っていたけれど

カードゲームのキャラクターたちは顕微鏡で見ても

それ以上の細部はないけれど

現実の動植物は顕微鏡で観察すれば

どこまでも細部につながっていく。

 

その深さこそが現実の動植物の魅力なんだろう。

 

ぼくたちは

観察して見たくないものを見てしまうのを避けるように

表面的な部分より深くものを見るということをやめてしまった。

 

けれども子どもたちは

おそれを知らずにどんどんものを観察していく。

 

たいていのおとなはそれを安全のためとかいいながら止めにかかるけれど

森田真生さんは子どもたちと一緒になって観察をしていく。

 

こんな子育てって最高だな。

 

憧れる親は多いと思うんだけれど

忙しさにかまけてついつい子どもたちを観察から遠ざけてしまう。

 

森田真生さんの文章が

一文一文とても瑞々しくて

平易な文章なのに美しいと感じる。

 

この世界に

「きてよかったね」

と子どもたちもおとなたちも思えるような

そんな世界であってほしい。

 

 

 

――センス・オブ・ワンダー ――

レイチェル・カーソン

訳とその続き 森田真生

絵 西村ツチカ