町田康さんの歌集を読んだ。
荒々しい悲しみ。
町田康さんの小説に通じる短歌が並んでいた。
好きな歌をいくつか。
知り合いに水だけ出して帰らせてその後わがは薄茶のむなり
もはやもうなにもしないでただ単に猫を眺めて死んでいきたい
日歸りで入浴したい俺たちは既に裸で歩みをるなり
阿呆ン陀羅しばきあげんど歌詠むなおどれは家でうどん食うとけ
落武者に飯見せつけて食わさんと棒で殴って服と銭取る
木下とたった二人でだんじりをやった苦しみ誰が知るのか
ふざけるなおまへそれでもうどん屋か先祖代々俺は石屋だ
人の為うどんを作る歳月に別れを告げる午前二時頃
東京のお金持ってる人たちは短歌作って遊び暮らすか
--歌集 くるぶし--
町田康